リウマチのアンカードラッグMTX、見逃せない副作用「間質性肺炎」
看護師国家試験 第109回 午後 第53問 / 成人看護学 / 感覚器・運動器系
国試問題にチャレンジ
関節リウマチ( rheumatoid arthritis )で長期にわたりメトトレキサートを服用している患者の副作用〈有害事象〉で適切なのはどれか。
- 1.便秘
- 2.不整脈
- 3.聴力障害
- 4.間質性肺炎( interstitial pneumonia )
対話形式の解説
博士
今日は関節リウマチの第一選択薬メトトレキサート、略してMTXの副作用について学ぶぞ。正解は4の間質性肺炎じゃ。
サクラ
MTXって、どんな仕組みで効く薬なんですか?
博士
葉酸代謝を担うジヒドロ葉酸還元酵素を阻害する薬じゃ。その結果、盛んに分裂しているリンパ球や滑膜細胞の増殖を抑え、リウマチの炎症と関節破壊を食い止める。
サクラ
関節リウマチは自己免疫疾患でしたよね。滑膜が異常増殖して軟骨や骨を壊していく…
博士
そう。MTXはそのアンカードラッグ、つまり治療の中心的存在で、世界中でリウマチ治療の基軸になっておる。
サクラ
じゃあ副作用はなぜ起きるんですか?
博士
細胞分裂を抑える薬じゃから、もともと代謝が活発な骨髄・消化管粘膜・肝臓・肺などに影響しやすい。骨髄抑制、口内炎、肝機能障害、そして今回の間質性肺炎が三大副作用じゃ。
サクラ
間質性肺炎ってどんな症状ですか?
博士
発熱、乾性の咳、労作時の息切れが出てきたら要注意じゃ。進行が早く、致死的になることもあるから、症状が出たら即受診・即中止が原則じゃ。
サクラ
他の選択肢はどうですか?便秘や不整脈、聴力障害は…
博士
MTXでは典型的ではない。便秘より下痢や口内炎、不整脈ならアントラサイクリン系、聴力障害ならアミノグリコシドやシスプラチン、という具合に薬ごとに特徴的な副作用を整理して覚えよう。
サクラ
服用方法にも特徴がありますよね?
博士
そう、通常は週1〜2回だけ服用する「パルス投与」じゃ。毎日飲む薬と勘違いして連日内服すると重篤な副作用を起こす。服用日を患者自身がしっかり理解しておくことが看護指導の要じゃ。
サクラ
葉酸を併用するとも聞きました。
博士
その通り。MTX服用翌日あたりに葉酸製剤を補充して、口内炎や骨髄抑制などの副作用軽減を図るのが標準的じゃ。
サクラ
定期的な検査も必要ですか?
博士
血液検査で血球と肝機能、胸部画像でKL-6や間質性変化をチェックする。B型肝炎ウイルスの再活性化やリンパ増殖性疾患にも注意する。
サクラ
効果の高い薬ほど、副作用を見張る仕組みが大事なんですね。
POINT
メトトレキサートは葉酸代謝を阻害して関節リウマチの炎症と滑膜増殖を抑える疾患修飾性抗リウマチ薬の代表格であり、治療のアンカードラッグとして位置づけられています。長期服用で注意すべき代表的副作用は骨髄抑制、肝機能障害、間質性肺炎の三つで、特に間質性肺炎は発症頻度は高くないものの急速に進行し致死的となる場合があるため、乾性咳嗽・発熱・呼吸困難を訴えた際は即時中断と医療機関受診を指導します。服用は週1〜2回のパルス投与、葉酸併用、定期的な血液・画像検査が必要で、活動性感染症や妊娠・腎障害では禁忌・慎重投与となります。看護師は患者に服用間隔の厳守と初期症状の自己モニタリングを丁寧に伝えることが、安全なリウマチ治療継続の鍵となります。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:関節リウマチ( rheumatoid arthritis )で長期にわたりメトトレキサートを服用している患者の副作用〈有害事象〉で適切なのはどれか。
解説:正解は4の間質性肺炎である。メトトレキサート(MTX)はジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して葉酸代謝を妨げ、活性化リンパ球や滑膜細胞の増殖を抑制する疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)で、関節リウマチ治療の中心的な薬剤(アンカードラッグ)である。長期服用により細胞分裂が盛んな組織で毒性が生じやすく、骨髄抑制(汎血球減少)、肝機能障害、口内炎、脱毛、感染症のほか、発熱・乾性咳嗽・労作時呼吸困難を特徴とするMTX関連間質性肺炎・肺障害を引き起こす。発症すると致死的経過をとることもあり、咳嗽や呼吸困難の出現時は直ちに受診・中止・精査するよう指導する必要がある。
選択肢考察
-
× 1. 便秘
メトトレキサートの消化器系副作用としては悪心、口内炎、下痢、食欲不振が主で、便秘は典型的な副作用ではない。
-
× 2. 不整脈
メトトレキサートで不整脈は典型副作用として挙がらない。心毒性の強い薬剤としてはドキソルビシンなどのアントラサイクリン系があるが、MTXの主な毒性は骨髄・肝・肺である。
-
× 3. 聴力障害
聴力障害(ototoxicity)はアミノグリコシド系抗菌薬、シスプラチン、ループ利尿薬などで問題になるが、MTXの代表的副作用ではない。
-
○ 4. 間質性肺炎( interstitial pneumonia )
MTX肺炎は頻度こそ高くないが重篤化しやすい副作用。乾性咳嗽・発熱・呼吸困難を呈し、速やかな中止とステロイド治療が必要となる。長期服用患者では定期的な胸部X線・HRCT・KL-6などの評価が勧められる。
メトトレキサートは通常週1〜2回の分割服用で、葉酸製剤(フォリアミンなど)を併用して副作用を軽減する。重篤副作用は骨髄抑制、間質性肺炎、重症感染症、肝障害、B型肝炎再活性化、リンパ増殖性疾患など。投与中は血液検査(血球・肝機能)を定期的にモニターし、発熱・咳嗽・口内炎・出血傾向などの異常時はすぐ受診するよう指導する。妊娠・授乳、腎障害、活動性感染症、間質性肺疾患は禁忌または慎重投与となる。
関節リウマチ治療の第一選択薬メトトレキサートの重篤副作用として間質性肺炎を覚える問題。骨髄抑制・肝障害と並ぶ三大副作用で、発熱と乾性咳嗽は警戒サインである。
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