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車椅子利用者の住宅改修を考えよう

看護師国家試験 第105回 午後 第89問 / 地域・在宅看護論 / 在宅療養生活を支える看護

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第89問

車椅子で日常生活を送る在宅療養者の住宅改修で適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.床を畳に変える。
  2. 2.玄関を引き戸にする。
  3. 3.廊下と部屋との段差をなくす。
  4. 4.トイレに和式便器を設置する。
  5. 5.廊下の幅は車椅子の幅と同じにする。

対話形式の解説

博士 博士

第105回午後208は車椅子で日常生活を送る在宅療養者の住宅改修を2つ選ぶ問題じゃ。

サクラ サクラ

博士、介護保険の住宅改修費支給の対象を教えてください。

博士 博士

6項目ある。手すり取付け、段差解消、床材変更、扉の取替え、洋式便器への取替え、これらに付帯する工事じゃ。支給限度は20万円までじゃよ。

サクラ サクラ

正解は何番でしょう。

博士 博士

正解は2と3じゃ。2の引き戸化は開閉時に前後移動が不要で開口幅も確保しやすいから車椅子出入りがスムーズじゃ。

サクラ サクラ

3の段差解消はなぜ重要ですか。

博士 博士

段差は車椅子移動の最大の障壁で、転倒事故の原因にもなる。スロープ設置や敷居撤去で自立移動を助けるのじゃ。

サクラ サクラ

1の畳に変えるはなぜ誤りですか。

博士 博士

畳はキャスターの抵抗が大きく車椅子に不向き。フローリングやクッションフロアが適するのじゃ。

サクラ サクラ

4の和式便器設置は。

博士 博士

和式は車椅子からの移乗が困難で膝や股関節負担も大きい。住宅改修費の対象はむしろ洋式便器への取替えじゃ。

サクラ サクラ

5の廊下幅を車椅子と同じにするは。

博士 博士

車椅子幅と同じだと前進のみで方向転換も介助者の並走もできぬ。廊下幅は車椅子幅プラス20cm以上、方向転換には直径1.5m以上必要じゃ。

サクラ サクラ

介護保険住宅改修の注意点は。

博士 博士

事前申請が必須で着工後の申請は認められぬ。支給限度は生涯20万円じゃが、要介護度が3段階以上重くなるかリセット条件を満たせば再利用できる。

サクラ サクラ

玄関スロープの勾配はどうすればよいですか。

博士 博士

1/12以下が推奨されておる。浴室の移動経路や寝室からトイレ、洗面所までの動線も総合的に検討するのじゃ。

サクラ サクラ

福祉用具との併用もあるのですね。

博士 博士

スロープや手すり、シャワーチェアなど福祉用具貸与・購入制度と併用して環境整備するのが現実的じゃ。

POINT

車椅子利用者の住宅改修では段差解消と引き戸化が基本で、いずれも介護保険住宅改修費の対象です。畳や和式便器、狭い廊下幅は移動困難や事故につながり不適切です。事前申請や20万円の支給限度、福祉用具との併用を含めて総合的に環境整備することが在宅生活継続の鍵となります。

解答・解説

正解は 2 3 です

問題文:車椅子で日常生活を送る在宅療養者の住宅改修で適切なのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は 2 と 3 です。介護保険の住宅改修費支給(支給限度基準額20万円、自己負担1から3割)の対象は、手すり取付け、段差解消、床材変更(滑り防止や車椅子対応)、扉の取替え(引き戸等への変更)、洋式便器等への取替え、これらに付帯する工事の6項目です。車椅子利用者では、段差解消と引き戸化が移動の自立と安全性を大きく高めます。廊下幅は車椅子の旋回を考慮して幅員を確保することが重要です。

選択肢考察

  1. × 1.  床を畳に変える。

    畳はキャスターの抵抗が大きく、車椅子での移動に不向きです。また畳表が傷みやすく、段差もできやすいため、フローリングやクッションフロアなど平滑で滑りにくい床材が適します。

  2. 2.  玄関を引き戸にする。

    引き戸は開閉時に車椅子の前後移動を必要とせず、開口幅も確保しやすいため出入りがスムーズです。介護保険の住宅改修費支給対象の扉取替えにも該当します。

  3. 3.  廊下と部屋との段差をなくす。

    段差は車椅子移動の大きな障壁で転倒事故の原因にもなります。スロープ設置や敷居の撤去で段差解消すれば、自立した移動と介助負担軽減につながります。

  4. × 4.  トイレに和式便器を設置する。

    和式便器は車椅子からの移乗が困難で、膝や股関節への負担も大きいです。住宅改修費の対象は洋式便器への取替えであり、車椅子利用者には洋式(できれば手すり付き)が適します。

  5. × 5.  廊下の幅は車椅子の幅と同じにする。

    車椅子幅と同じだと前進のみ可能で方向転換や介助者の並走ができません。一般的に廊下幅は車椅子幅プラス20cm以上、方向転換には直径1.5m以上のスペースが推奨されます。

介護保険の住宅改修費支給は要支援1から要介護5まで利用でき、支給限度基準額は生涯20万円までが原則ですが、要介護度が3段階以上重くなった場合や転居時はリセットされます。事前申請が必須で、着工後の申請は認められません。福祉用具貸与・購入制度(スロープや手すり、シャワーチェアなど)も併用して環境整備を進めます。車椅子での生活では玄関アプローチのスロープ勾配(1/12以下推奨)や浴室への移動経路も検討が必要です。

車椅子利用者のバリアフリー改修の原則と介護保険住宅改修の対象を理解しているかを問う設問です。