在宅での膀胱留置カテーテル管理
看護師国家試験 第107回 午後 第63問 / 地域・在宅看護論 / 在宅療養生活を支える看護
国試問題にチャレンジ
Aさん( 70歳、男性 )。1人暮らし。脳出血( cerebral hemorrhage )の手術後、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。神経因性膀胱( neurogenic bladder )のため、膀胱留置カテーテルを挿入してい る。要介護2で、退院後は看護小規模多機能型居宅介護を利用する予定である。退院後にAさんが行う膀胱留置カテーテルの管理で適切なのはどれか。
- 1.蓄尿バッグに遮光カバーをかぶせる。
- 2.カテーテルは大腿の内側に固定する。
- 3.外出前に蓄尿バッグの尿を廃棄する。
- 4.カテーテルと蓄尿バッグの接続は外さない。
対話形式の解説
博士
神経因性膀胱で留置カテーテルを使う70歳のAさんじゃ。退院後の自己管理について考えようかの。
サクラ
外出することもあるでしょうから、バッグの扱いが気になります。
博士
その通りじゃ。外出前にまずやるべきことは何かの?
サクラ
蓄尿バッグを空にしておくことですか?
博士
正解じゃ。満杯だと逆流したり、重みでカテーテルが抜けたりすることもあるからの。
サクラ
遮光カバーは常にかけたほうがよいのでしょうか。
博士
尿の色調観察が感染や血尿発見に役立つから、普段は不要じゃ。外出や来客時のみでよい。
サクラ
カテーテルの固定位置はどうすれば?
博士
男性は陰茎を頭側に向け、下腹部に固定するのが原則じゃ。大腿内側では陰嚢角を圧迫してしまう。
サクラ
接続部は外さない方がよいのですよね。
博士
基本は閉鎖回路を維持じゃ。ただし交換時は清潔操作で外す必要があり「絶対外さない」は言い過ぎじゃな。
サクラ
看護小規模多機能型居宅介護はどんなサービスですか。
博士
訪問・通い・泊まりを組み合わせて医療ケアも受けられる、独居高齢者の心強い味方じゃ。
サクラ
水分摂取や陰部洗浄など感染予防も大切ですね。
博士
1日1500mL以上の水分を心がけ、バッグは膀胱より低位に保つのじゃ。
POINT
在宅での膀胱留置カテーテル管理は、外出前のバッグ空け、閉鎖式回路の維持、男性は下腹部への上向き固定が基本です。尿路感染と尿道損傷の予防が最大の目標となります。看護小規模多機能型居宅介護を活用し、独居でも安心して生活できる環境調整を行うことが退院支援看護師の役割です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:Aさん( 70歳、男性 )。1人暮らし。脳出血( cerebral hemorrhage )の手術後、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。神経因性膀胱( neurogenic bladder )のため、膀胱留置カテーテルを挿入してい る。要介護2で、退院後は看護小規模多機能型居宅介護を利用する予定である。退院後にAさんが行う膀胱留置カテーテルの管理で適切なのはどれか。
解説:正解は3です。在宅での膀胱留置カテーテル管理では、外出先でのトラブル予防が重要です。蓄尿バッグが満杯になると尿の逆流や漏れ、カテーテル抜去などの原因になるため、出かける前にあらかじめ尿を廃棄しておくことが適切な管理となります。独居のAさんが安全に外出するための自己管理として欠かせない手技です。
選択肢考察
-
× 1. 蓄尿バッグに遮光カバーをかぶせる。
尿の色調や混濁は感染や出血発見の手がかりとなるため、日常的に遮光する必要はありません。来客時や外出時のプライバシー配慮として使うのが一般的です。
-
× 2. カテーテルは大腿の内側に固定する。
男性は陰茎を頭側に向けて下腹部に固定するのが原則です。大腿内側では陰茎陰嚢角を圧迫し、尿道損傷や瘻孔形成のリスクがあります。
-
○ 3. 外出前に蓄尿バッグの尿を廃棄する。
外出中にバッグが満杯になるとカテーテル閉塞や逆流、皮膚トラブルを招きます。出発前に空にしておくことで外出中のトラブル予防になります。
-
× 4. カテーテルと蓄尿バッグの接続は外さない。
閉鎖式回路を保つ原則は正しいですが、入浴や交換時など必要時には清潔操作で外すこともあります。絶対に外さないという表現は誤りです。
膀胱留置カテーテルの在宅管理では、1日1500mL以上の水分摂取、尿路感染予防のための陰部洗浄、バッグは膀胱より低位に保つ、固定位置のずれがないか確認することが基本です。看護小規模多機能型居宅介護では、訪問・通い・泊まりを組み合わせて医療的ケアと生活支援を一体的に受けられる利点があります。
在宅カテーテル管理では、外出前の蓄尿バッグ空け・閉鎖式回路維持・男性は上向き固定が三本柱です。
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