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在宅継続と介護負担軽減を両立するサービス

看護師国家試験 第110回 午前 第115問 / 地域・在宅看護論 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

110回 午前 第115問

Aさん( 78歳、男性)は、妻( 70歳)と2人暮らしである。脳血管障害後遺症による右片麻痺があり、車椅子への移乗は部分介助、要介護2である。排泄はポータブルトイレを利用している。Aさんと妻はなるべく家で過ごしたいと考え、自宅での介護はすべて妻が行っている。長女(会社員)が県内に在住しているがAさんの介護はしていない。訪問看護を週1回利用するのみで、他のサービスは利用していない。最近、妻の腰痛が悪化し、妻から訪問看護師に「主治医から介護の負担を軽減するように言われました。でも夫は家から出たくないし、私も夫をどこかに預けるのは不安です。どうしたらよいでしょうか」と相談があった。 このときの訪問看護師が提案するAさんへのサービスで最も適切なのはどれか。

  1. 1.通所介護
  2. 2.訪問介護
  3. 3.短期入所生活介護
  4. 4.訪問リハビリテーション

対話形式の解説

博士 博士

今回は78歳のAさんの介護をする妻の負担をどう減らすかの問題じゃ。

サクラ サクラ

Aさんも妻も、できるだけ家で過ごしたいと希望していますね。

博士 博士

そこが最大のポイントじゃ。在宅継続が大前提になる。

サクラ サクラ

妻は腰痛が悪化していて、主治医から負担軽減を勧められています。

博士 博士

つまり『在宅でありながら介護負担を減らせるサービス』を選ぶ必要があるのう。

サクラ サクラ

選択肢1の通所介護は、Aさんが家から出たくないので希望に反します。

博士 博士

そうじゃ。デイサービスはAさんの気持ちに合わん。

サクラ サクラ

選択肢3の短期入所生活介護は、妻が預けるのは不安だと言っています。

博士 博士

ショートステイも今回は除外じゃな。

サクラ サクラ

選択肢4の訪問リハビリは、機能訓練が中心なので負担軽減には直結しません。

博士 博士

うむ、ゴールと一致せん。

サクラ サクラ

残る選択肢2の訪問介護は、ヘルパーが自宅で身体介護や生活援助をしてくれますね。

博士 博士

移乗や排泄介助、清潔ケアなど妻の負担が大きいところを代替できる。

サクラ サクラ

家にいながら妻が楽になる、まさに両方の希望を満たせますね。

博士 博士

正解は訪問介護じゃ。要介護2ならば十分利用できるぞい。

サクラ サクラ

ケアマネジャーと連携して計画に組み込むことが大切ですね。

POINT

介護保険サービスは訪問・通所・短期入所・施設の4系統に分類されます。本人と家族の意向を尊重することが在宅ケアの基本で、Aさんと妻はいずれも在宅継続を希望しています。通所介護や短期入所生活介護は外出や預けることが前提で希望に合わず、訪問リハビリは介護負担軽減の目的とは一致しません。訪問介護は自宅で身体介護・生活援助を提供できるため、両者の希望を満たす最適解です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:Aさん( 78歳、男性)は、妻( 70歳)と2人暮らしである。脳血管障害後遺症による右片麻痺があり、車椅子への移乗は部分介助、要介護2である。排泄はポータブルトイレを利用している。Aさんと妻はなるべく家で過ごしたいと考え、自宅での介護はすべて妻が行っている。長女(会社員)が県内に在住しているがAさんの介護はしていない。訪問看護を週1回利用するのみで、他のサービスは利用していない。最近、妻の腰痛が悪化し、妻から訪問看護師に「主治医から介護の負担を軽減するように言われました。でも夫は家から出たくないし、私も夫をどこかに預けるのは不安です。どうしたらよいでしょうか」と相談があった。 このときの訪問看護師が提案するAさんへのサービスで最も適切なのはどれか。

解説:正解は2です。Aさんも妻もできるだけ自宅で過ごしたいと希望しているため、Aさんを外に出さず妻の身体的負担を軽減できる訪問型サービスが望まれます。介護保険の訪問介護はヘルパーが自宅に出向いて身体介護や生活援助を行うサービスで、移乗や清潔ケアなど妻が負担に感じる部分を直接代替できます。

選択肢考察

  1. × 1.  通所介護

    デイサービスは通所型のサービスであり、Aさんが家から出たくないという希望に反します。妻の不安も残るため第一選択にはなりません。

  2. 2.  訪問介護

    ヘルパーが自宅で身体介護や生活援助を行うサービスで、Aさんの『家で過ごしたい』希望と妻の介護負担軽減を同時に満たせます。

  3. × 3.  短期入所生活介護

    ショートステイは施設に短期入所するサービスで、夫を預けることに不安を感じている妻の気持ちにも、自宅で過ごしたいというAさんの希望にも合いません。

  4. × 4.  訪問リハビリテーション

    訪問リハビリは機能維持・回復が目的で、今回の目標である妻の介護負担軽減には直接寄与しません。

介護保険サービスは大きく『訪問系』『通所系』『短期入所系』『施設系』に分類されます。本人と家族の希望、ADL、介護力、経済状況を総合的にアセスメントし、ケアマネジャーと連携してケアプランに位置付けることが重要です。訪問介護では身体介護(排泄・入浴・移乗など)と生活援助(調理・掃除・買い物など)が可能で、要介護2であれば十分利用できます。

本人と家族の意向を踏まえて適切な介護保険サービスを選択できるかを問う問題です。『在宅継続』と『介護者の負担軽減』という二つの条件を同時に満たす選択肢を見抜くのがポイントです。