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訪問看護ステーションはだれが開設できる?NPOもOKという基本ルール

看護師国家試験 第109回 午後 第71問 / 地域・在宅看護論 / 地域・在宅看護実践をめぐる制度

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第71問

訪問看護事業所で正しいのはどれか。

  1. 1.24 時間対応が義務付けられている。
  2. 2.自宅以外への訪問看護は認められない。
  3. 3.特定非営利活動法人〈 NPO 〉は事業所を開設できる。
  4. 4.従事する看護師は臨床経験 3 年以上と定められている。

対話形式の解説

博士 博士

今日は訪問看護事業所の仕組みを整理するぞ。地域包括ケアの要になる存在じゃから、国試でも頻出じゃ。

サクラ サクラ

訪問看護ステーションって、病院とは別に独立して運営されているんですよね?

博士 博士

その通りじゃ。都道府県知事から『指定訪問看護事業者』の指定を受けて開設される事業所で、法人格を持っていることが必須要件じゃ。

サクラ サクラ

法人格というと、どんな団体が開設できるんですか?

博士 博士

医療法人、社会福祉法人、株式会社などの営利法人、協同組合、地方公共団体、そして特定非営利活動法人(NPO法人)じゃ。この選択肢3が正解じゃな。

サクラ サクラ

NPOも開設できるのは意外でした。ところで24時間対応って義務なんですか?

博士 博士

義務ではないぞ。ただし『24時間対応体制加算』という報酬加算があって、これを取るには24時間連絡が取れる体制と緊急訪問ができる体制が必要じゃ。末期がんや人工呼吸器使用中の在宅療養者には必要不可欠な体制じゃな。

サクラ サクラ

訪問先は自宅だけに限られるんでしょうか?

博士 博士

いや、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、ケアハウス、認知症グループホームなども『居宅』とみなされて訪問可能じゃ。ただし介護老人保健施設や介護医療院には原則訪問できない。

サクラ サクラ

従事する看護師には経験年数の規定はあるんですか?

博士 博士

法令上の規定はないぞ。ただ訪問看護は医師の指示書に基づきつつも単独で判断する場面が多いから、一般に3〜5年程度の臨床経験があると安心と言われておる。管理者は保健師または看護師の資格が必須じゃ。

サクラ サクラ

人員配置の基準はどうなってますか?

博士 博士

看護職員が常勤換算で2.5人以上必要じゃ。そのうち1人は常勤の管理者。理学療法士や作業療法士、言語聴覚士も配置できて、リハビリ訪問も提供できる事業所が増えておる。

サクラ サクラ

制度の仕組みがよくわかりました。訪問看護ステーションが地域医療の中核を担っているんですね。

博士 博士

うむ。2040年に向けて在宅療養者はさらに増える見込みじゃから、訪問看護の重要性はますます高まる。制度の基本を押さえておくことは、地域包括ケアを支える看護師として欠かせない知識じゃ。

POINT

訪問看護事業所(指定訪問看護事業者)は、法人格を有する団体が都道府県知事等の指定を受けて開設します。医療法人・社会福祉法人・営利法人に加え、特定非営利活動法人(NPO法人)も開設主体となれる点が本問のポイントです。24時間対応は義務ではなく加算で評価される任意体制であり、訪問先もサービス付き高齢者向け住宅など居宅とみなされる施設に広がっています。従事看護師の臨床経験年数に法定基準はありませんが、単独判断が多い業務特性から実践力が求められる職場です。超高齢社会における在宅医療推進の担い手として、訪問看護ステーションの制度設計を理解することは看護師国家試験のみならず実務においても重要です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:訪問看護事業所で正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。訪問看護事業所(指定訪問看護事業者)を開設するには、都道府県知事(または指定都市・中核市の市長)の指定を受ける必要があり、その申請主体は法人格を有することが要件となります。対象となる法人には医療法人、社会福祉法人、営利法人(株式会社など)、協同組合、地方公共団体、そして特定非営利活動法人(NPO法人)が含まれます。したがって、NPO法人も要件を満たせば訪問看護事業所を開設できます。

選択肢考察

  1. × 1.  24 時間対応が義務付けられている。

    24時間対応は義務ではなく、事業所の選択による体制整備である。ただし対応を整えた場合には介護保険で『24時間対応体制加算』、医療保険で『24時間対応体制加算』が算定でき、重症者や看取り期の利用者支援で重要な役割を果たす。

  2. × 2.  自宅以外への訪問看護は認められない。

    介護保険では居宅(自宅)への訪問が原則だが、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、ケアハウス、グループホームなども『居宅』に含まれ訪問可能。特別訪問看護指示書が出された場合や退院前訪問など、一部で自宅外への訪問が認められる場面もある。

  3. 3.  特定非営利活動法人〈 NPO 〉は事業所を開設できる。

    法人格を有し都道府県知事等の指定を受ければ、NPO法人も指定訪問看護事業者として開設可能。実際に地域密着で小規模な訪問看護事業所を運営するNPOは全国に存在する。

  4. × 4.  従事する看護師は臨床経験 3 年以上と定められている。

    訪問看護ステーションに勤務する看護師の臨床経験年数に法令上の定めはない。ただし管理者には看護師または保健師の資格と、一定の実践経験が望ましいとされ、各事業所で独自に採用要件を設けている場合が多い。

訪問看護ステーションの人員基準は、常勤換算で保健師・看護師・准看護師が2.5人以上(うち1人は常勤の管理者)とされる。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士も配置できる。介護保険・医療保険の両方から給付を受ける複雑な制度で、利用者の状態(特掲診療料に定める疾病等、要介護度、年齢など)によってどちらの保険が優先適用されるかが決まる。在宅医療推進の担い手として、訪問看護ステーション数は年々増加している。

訪問看護事業所の開設要件・運営ルールに関する基本問題。開設主体として法人格が必要なこと、NPO法人も含まれることを押さえる。