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要介護5が半数!訪問入浴介護に重度利用者が集中する理由

看護師国家試験 第109回 午前 第72問 / 地域・在宅看護論 / 地域・在宅看護実践をめぐる制度

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第72問

平成 28 年( 2016 年)の介護サービス施設・事業所調査における要介護度別利用者数の構成割合で、要介護 5 の利用者が最も多いのはどれか。

  1. 1.訪問介護
  2. 2.訪問看護
  3. 3.居宅介護支援
  4. 4.訪問入浴介護

対話形式の解説

博士 博士

今日は介護サービスの利用者統計の問題じゃ。平成28年調査で、要介護5の利用者が最も多く占めるサービスを選ぶ問題じゃよ。

アユム アユム

要介護5って、ほぼ寝たきりですよね?

博士 博士

そうじゃ。要介護5は『食事・排泄・移動すべてに全介助が必要で、意思疎通も困難な場合が多い状態』。つまり施設にすら通えない重度者が中心となる。

アユム アユム

じゃあ通所系サービスは使いにくいですね。

博士 博士

その通り。デイサービスに通う体力がない人がほとんどじゃ。となると在宅で受けるサービスが中心になる。

アユム アユム

在宅なら訪問介護か訪問看護ですか?

博士 博士

両方とも重要じゃが、要介護5の構成比がダントツに高いのは訪問入浴介護なんじゃ。約49.6%、つまり利用者の半分が要介護5じゃ。

アユム アユム

半分!?なぜそんなに偏るんですか?

博士 博士

訪問入浴介護は看護職1名と介護職2名の3人体制で、専用浴槽を自宅まで運んで入浴させるサービスじゃ。寝たきりの人が自宅の狭い浴室で入浴するのは物理的に不可能じゃからな。

アユム アユム

なるほど、軽度の人なら自分で入れるし、中等度ならデイサービスの入浴を使いますもんね。

博士 博士

まさにそれじゃ。要介護5になると、訪問入浴がほぼ唯一の入浴手段になる。だから重度者が集中する。

アユム アユム

訪問看護ステーションはどうですか?18%くらいでしたよね。

博士 博士

訪問看護は医療処置が必要な人が利用するから、要介護度と比例しやすい。ただし軽度でも医療依存度が高ければ利用するため、比率は訪問入浴ほどは偏らん。

アユム アユム

訪問介護は要介護1〜3の中度者が中心で約10%。居宅介護支援はケアプラン作成だから全要介護度で使われて約7%…と整理できますね。

博士 博士

そう整理できれば十分じゃ。ちなみに訪問入浴の看護職はサービス前にバイタルを測って入浴可否を判断する。血圧や発熱などで中止判断することも多い。

アユム アユム

医療依存度の高い人でも安全に入浴できるのが訪問入浴の強みなんですね。

博士 博士

その通り。人工呼吸器装着者や終末期の人でも、訪問入浴で最後まで湯船につかれる喜びを得られる。QOLに直結する重要なサービスじゃ。

アユム アユム

統計問題って数字覚えるだけかと思ってましたが、背景を理解すると納得できて忘れにくいです。

POINT

平成28年介護サービス施設・事業所調査において、要介護5の構成比が最も高いのは訪問入浴介護で、約49.6%を占めます。これは、寝たきりに近い要介護5の利用者にとって、訪問入浴介護が自宅での入浴を実現するほぼ唯一の手段だからです。看護職員1名と介護職員2名の3名体制で専用浴槽を自宅に持ち込み、バイタルサイン確認のうえ安全に入浴を提供するため、医療依存度の高い重度者にも対応できます。訪問看護ステーションの要介護5比率も約18%と高めですが、訪問入浴介護のそれには及びません。要介護度と介護サービス利用傾向の関係を理解することは、地域包括ケアの中で利用者に適切なサービスを組み合わせるケアマネジメントの基礎となります。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:平成 28 年( 2016 年)の介護サービス施設・事業所調査における要介護度別利用者数の構成割合で、要介護 5 の利用者が最も多いのはどれか。

解説:正解は 4 です。平成28年(2016年)介護サービス施設・事業所調査によると、要介護5が利用者に占める割合は、訪問入浴介護で約49.6%と突出して高く、他の在宅サービスと比較して群を抜いて高い。要介護5は寝たきりに近く全介助が必要な状態であり、自宅の浴室で家族介助のみでの入浴が困難なため、専用浴槽を持ち込んで3名体制で入浴させる訪問入浴介護のニーズが非常に高くなる。

選択肢考察

  1. × 1.  訪問介護

    訪問介護はヘルパーが自宅に赴いて身体介護や生活援助を行うサービスで、利用者層は要介護1〜3が中心。要介護5の構成比は約10%程度にとどまる。

  2. × 2.  訪問看護

    訪問看護ステーションの要介護5の構成比は約18%で、訪問入浴介護に次ぐ水準ではあるが最多ではない。医療ニーズが高い重度者の利用は多いものの、訪問入浴介護のほうが要介護5比率はさらに高い。

  3. × 3.  居宅介護支援

    居宅介護支援はケアマネジャーによるケアプラン作成が中心業務で、要介護度にかかわらず広く利用される。要介護5比率は約7%で、軽度者〜中度者の利用が相対的に多い。

  4. 4.  訪問入浴介護

    要介護5の構成比は約49.6%で選択肢中最多。自宅浴室での入浴が物理的に困難な寝たきり状態の利用者にとって、専用浴槽を持ち込み看護職を含む3名体制で実施する訪問入浴は、ほぼ唯一の入浴手段となるため、重度者に集中して利用される。

訪問入浴介護は、看護職員1名と介護職員2名の計3名が訪問し、組み立て式の浴槽を自宅に持ち込んで入浴を介助するサービスである。サービス実施前には看護師がバイタルサインを測定し、入浴可否を判断する。対象は寝たきりや重度の身体障害で自宅や通所施設での入浴が困難な人で、医療依存度の高い利用者でも安全に入浴できる点が特徴である。要介護度別の利用者構成を問う統計問題は繰り返し出題されるので、『訪問入浴介護=要介護5が多い』という特徴を覚えておくとよい。

要介護5(寝たきり相当)の利用者が最も高い割合を占める介護サービスを問う統計問題。自宅浴槽での入浴が困難な重度者に対応する訪問入浴介護の特徴を理解しているかがポイント。