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介護保険で『買える』福祉用具は?貸与と販売の違いを整理

看護師国家試験 第112回 午後 第81問 / 地域・在宅看護論 / 地域・在宅看護実践をめぐる制度

国試問題にチャレンジ

112回 午後 第81問

介護保険サービスを利用して購入できるのはどれか。

  1. 1.簡易浴槽
  2. 2.特殊寝台
  3. 3.体位変換器
  4. 4.移動用リフト
  5. 5.取り付け工事を伴わないスロープ

対話形式の解説

博士 博士

今回は介護保険の福祉用具の問題じゃ。貸与(レンタル)と販売(購入)の区別がポイントじゃよ。

サクラ サクラ

介護保険で福祉用具がレンタルできるのは知っていますが、購入もできるんですね。

博士 博士

そうじゃ。大きく2本立てになっておる。福祉用具貸与と特定福祉用具販売じゃ。さらに住宅改修もあり、この3つが福祉用具関連の支援じゃよ。

サクラ サクラ

なぜ購入とレンタルで分かれているんですか?

博士 博士

他人が使ったものを再利用するのに心理的抵抗や衛生上の問題がある物品は購入、それ以外はレンタルという原則じゃ。直接肌に触れたり排泄・入浴で使うものが購入対象になりやすいのじゃな。

サクラ サクラ

購入できるのは具体的にどんな物ですか?

博士 博士

6種類じゃ。①腰掛便座、②自動排泄処理装置の交換可能部品、③排泄予測支援機器、④入浴補助用具、⑤簡易浴槽、⑥移動用リフトのつり具部分。この中で今回の選択肢に含まれるのは簡易浴槽じゃな。

サクラ サクラ

簡易浴槽ってどんな物ですか?

博士 博士

空気式や折りたたみ式で、ポータブルに持ち運べて取水・排水も容易な浴槽じゃ。在宅で入浴が困難な人の清潔保持に使う。

サクラ サクラ

特殊寝台はレンタルなんですね。

博士 博士

そうじゃ。介護用の電動ベッドは高価じゃが、身体が直接長時間触れる物でもないから再利用可能、よって貸与対象じゃ。ただし要介護2以上が原則対象じゃから注意。

サクラ サクラ

移動用リフトは本体と『つり具』で分かれるんですね。

博士 博士

鋭い指摘じゃ。本体はレンタル、身体に直接触れるつり具部分のみ購入対象じゃ。これが引っかけ問題で狙われる。

サクラ サクラ

スロープは?

博士 博士

取り付け工事を伴わない簡易スロープはレンタル。取り付け工事を伴うものは『住宅改修』という別制度で20万円上限の償還払いじゃ。

サクラ サクラ

住宅改修の対象工事は?

博士 博士

①手すり取り付け、②段差解消、③滑り防止や移動円滑化のための床材変更、④引き戸等への扉取替、⑤洋式便器への便器取替、⑥これらに付帯する工事じゃ。事前申請が原則なのがポイント。

サクラ サクラ

購入とレンタルの給付上限は?

博士 博士

購入は年間10万円(利用者負担1〜3割)、レンタルは月々の限度額内で利用、住宅改修は生涯20万円まで(原則)じゃ。

サクラ サクラ

ケアマネジャーに相談して選ぶんですね。

博士 博士

そうじゃ。福祉用具専門相談員がいる事業所でアセスメントを受けて、本人の生活環境と身体状況に合った用具を選ぶのが鉄則じゃよ。

POINT

介護保険の特定福祉用具販売で購入できるのは、腰掛便座・自動排泄処理装置の交換可能部品・排泄予測支援機器・入浴補助用具・簡易浴槽・移動用リフトのつり具部分の6品目で、他人の再利用に抵抗や衛生上の問題がある物品に限定されます。選択肢の中で該当するのは簡易浴槽のみで、特殊寝台・体位変換器・移動用リフト本体・取り付け工事を伴わないスロープはいずれも福祉用具貸与の対象です。購入は年間10万円上限、住宅改修は生涯20万円上限(手すり取り付け・段差解消・床材変更・扉取替・便器取替など)の償還払いで、レンタルは要介護度別の限度額内で月々利用します。地域・在宅看護では、福祉用具専門相談員やケアマネジャーと連携して対象者の生活環境・身体機能に合わせた選択を支援することが重要で、制度の枠組みを理解することが質の高い在宅支援の基盤になります。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:介護保険サービスを利用して購入できるのはどれか。

解説:正解は 1 です。介護保険の『特定福祉用具販売』で購入できる品目は、他人が使用したものを再利用することに心理的抵抗や衛生上の問題があるものに限定され、①腰掛便座、②自動排泄処理装置の交換可能部品、③排泄予測支援機器、④入浴補助用具(入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴用介助ベルト)、⑤簡易浴槽、⑥移動用リフトのつり具の部分、の6種類です。簡易浴槽はこの中に含まれます。

選択肢考察

  1. 1.  簡易浴槽

    特定福祉用具販売の対象品目。空気式・折りたたみ式などで取水・排水が容易な浴槽で、入浴困難な在宅利用者の清潔保持に用いる。

  2. × 2.  特殊寝台

    福祉用具貸与の対象。背上げ・膝上げ・高さ調整機能のある介護用ベッドで、要介護2以上が原則対象(要支援・要介護1は例外給付)。

  3. × 3.  体位変換器

    福祉用具貸与の対象。体位交換を容易にするクッションや器具で、褥瘡予防に用いる。要介護2以上が原則対象。

  4. × 4.  移動用リフト

    本体は福祉用具貸与の対象。ただし身体に直接触れる『つり具部分』のみ特定福祉用具販売の対象となる。

  5. × 5.  取り付け工事を伴わないスロープ

    福祉用具貸与の対象。段差解消用の簡易スロープで、取り付け工事を伴うものは住宅改修(別制度)の対象となる。

介護保険の福祉用具支援は①福祉用具貸与(レンタル)と②特定福祉用具販売(購入)に分かれる。貸与対象は車椅子・特殊寝台・床ずれ防止用具・体位変換器・手すり(工事不要)・スロープ(工事不要)・歩行器・歩行補助杖・認知症老人徘徊感知機器・移動用リフト(つり具除く)・自動排泄処理装置の13品目。販売対象は上記6品目で年間10万円まで(利用者1〜3割負担)。住宅改修(手すり取り付け、段差解消、床材変更、扉取替、便器取替など)は上限20万円の償還払い。要支援者も介護予防給付として同様に利用できる。

介護保険の福祉用具貸与と特定福祉用具販売の区別、特に購入対象6品目を問う地域・在宅看護の基本問題。