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車椅子は健側に!片麻痺患者の移乗は方向が命

看護師国家試験 第107回 午前 第20問 / 必修問題 / 日常生活援助技術

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第20問

患者をベッドから車椅子へ移乗介助するときの車椅子の配置を図に示す。 左片麻痺のある患者の介助で最も適切なのはどれか。

  1. 1. 選択肢1
  2. 2. 選択肢2
  3. 3. 選択肢3
  4. 4. 選択肢4

対話形式の解説

博士 博士

今日は片麻痺患者の移乗介助を学ぶぞ。車椅子をどこに置くかで安全性が大きく変わるんじゃ。

アユム アユム

左片麻痺の方を移乗する場面ですよね。

博士 博士

そうじゃ。まず確認、左片麻痺なら麻痺側は左、健側は右じゃな。

アユム アユム

はい、右手と右足は動きます。

博士 博士

ここで原則。車椅子は必ず健側に置くんじゃ。つまり右側じゃ。

アユム アユム

なぜ健側なんですか?

博士 博士

患者は健側の手でアームレストをつかみ、健側の足を軸にして立ち上がり、回転して座る。健側を使った動作の流れに沿って車椅子が置かれていないと、麻痺側にひねることになり転倒の危険が増すんじゃ。

アユム アユム

なるほど!運動の流れに沿うんですね。

博士 博士

そうじゃ。さらに角度も大事じゃ。介助付き移乗ならベッドと車椅子の角度は30〜45度、自立なら15〜20度。

アユム アユム

角度で何が変わるんですか?

博士 博士

角度が広いと回転距離が長くなり、狭すぎるとフットレストや車軸が邪魔になる。30〜45度がちょうどよいバランスじゃ。

アユム アユム

移乗前の準備も大事そうですね。

博士 博士

もちろん。①車椅子のストッパーを確実にロック、②フットレストは上げる、③靴を履かせる、④ベッドの高さを座位で足底が床につく位置に調整、これが移乗前4点セットじゃ。

アユム アユム

看護師の立ち位置はどうすればいいですか?

博士 博士

患者の麻痺側にやや前方から立ち、膝折れに備えて患者の膝を自分の膝で軽く支える。体重の2/3が患者の健側にかかるよう誘導するんじゃ。

アユム アユム

歩行介助のときは麻痺側にやや後ろから、でしたよね?

博士 博士

よく覚えておるな!移乗と歩行で立ち位置が違うのがポイントじゃ。

アユム アユム

階段はどうでしたっけ?

博士 博士

「上りは健側から、下りは患側から」じゃ。覚え方は「良いほうが上へ、悪いほうが下に」と語呂じゃな。

アユム アユム

なるほど。移乗、歩行、階段、全部方向が大事なんですね。

博士 博士

そうじゃ。片麻痺患者のリハビリテーション看護は「健側を使い、患側を守る」が基本原則じゃ。

アユム アユム

ADLの自立にもつながりますもんね。

博士 博士

その通り。ただし自立を優先しすぎて転倒させると逆効果。安全第一で段階的に進めるんじゃよ。

POINT

片麻痺患者の移乗介助では、車椅子を健側(動かせる側)に配置することが安全確保の大原則である。左片麻痺なら右側に、ベッドとの角度は介助で30〜45度、自立で15〜20度が目安。患者は健側の手でアームレストをつかみ、健側の足を軸に回転して座る。ストッパー確認やフットレスト、靴の着用などの準備も併せて徹底する。歩行介助は患側後方、階段は上り健側・下り患側と立ち位置が変わる点もセットで押さえると、リハビリテーション看護の問題を安全に解ける。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:患者をベッドから車椅子へ移乗介助するときの車椅子の配置を図に示す。 左片麻痺のある患者の介助で最も適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。片麻痺患者をベッドから車椅子へ移乗する際の大原則は、「健側に車椅子を配置する」こと。左片麻痺の患者であれば麻痺側は左、健側は右なので、車椅子は患者の右側に置く。さらにベッドと車椅子の角度は、介助付きで移乗する場合は30〜45度、自立で移乗する場合は15〜20度程度に調整する。患者は健側(右手・右足)を軸にして立ち上がり、健側方向に回転して車椅子に座る動作となる。これにより麻痺側への無理な負荷と転倒を防ぐことができる。

選択肢考察

  1. × 1.  
    選択肢1

    車椅子の配置が適切でない。麻痺側(左側)に車椅子が置かれていると、患者は麻痺側へ回転・移動することになり、支えを失い転倒の危険が高まる。

  2. × 2.  
    選択肢2

    角度や方向が不適切で、患者の健側を使った立ち上がりと回転動作が行いにくい配置となっている。

  3. 3.  
    選択肢3

    正解。健側(右側)にベッドと30〜45度の角度で車椅子が配置されており、患者は右手でアームレストをつかみ、右足を軸に安全に回転できる。

  4. × 4.  
    選択肢4

    配置の向きや角度が移乗動作に適しておらず、健側を使った安全な立ち上がり・回転の流れができない。

片麻痺患者の移乗の原則:①車椅子は健側に置く、②ベッドと車椅子の角度は介助で30〜45度、自立で15〜20度、③ストッパー確認、フットレストは上げる、④患者は健側の手でアームレストをつかむ、⑤健側の足を軸に回転、⑥看護師は麻痺側を支える位置に立つ(膝折れ防止)、⑦靴を履き、ベッドの高さを座位で足底が床につく程度に調整。また歩行介助の原則は「介助者は患側(麻痺側)にやや後ろから」「階段昇降は上り健側から、下り患側から」の2点セット。

片麻痺患者の安全な移乗技術の基本原則(健側配置)を問う問題。