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胃食道逆流を防ぐ食後の姿勢

看護師国家試験 第108回 午前 第17問 / 必修問題 / 日常生活援助技術

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第17問

成人において胃食道逆流を防ぐために食後30分から時間程度とるとよい体位はどれか。

  1. 1.左側臥位
  2. 2.半側臥位
  3. 3.仰臥位
  4. 4.坐位

対話形式の解説

博士 博士

今日は食後の体位と胃食道逆流の関係を整理するぞ。高齢者ケアでも頻出のテーマじゃ。

サクラ サクラ

胃食道逆流はどうして起こるんですか。

博士 博士

食道と胃の境目にある下部食道括約筋、LESが弛緩したり、腹圧が上がったりすると、胃酸を含む胃内容物が食道へ逆流する。これを繰り返すと逆流性食道炎を起こすのじゃ。

サクラ サクラ

食後に予防の姿勢が必要なのはなぜですか。

博士 博士

食後は胃に食物が溜まっており、横になると重力の助けが失われて逆流しやすい。だから食後30分から1時間は胃より食道を高く保つ姿勢、つまり坐位が推奨されるのじゃ。

サクラ サクラ

正解は4の坐位ですね。

博士 博士

そのとおり。重力を利用して胃内容物を下方に留め、LESへの負担も減らす。

サクラ サクラ

仰臥位や半側臥位はどうですか。

博士 博士

仰臥位は食道と胃がほぼ水平になり最も逆流しやすい。半側臥位も角度が浅ければ逆流を抑えきれない。どちらも食直後には不向きじゃ。

サクラ サクラ

左側臥位がよいと聞いたこともあるんですが。

博士 博士

解剖学的に胃は左に湾曲しているので、左側臥位だと胃内容が胃底部に溜まりやすく、右側臥位より逆流しにくいとされる。ただし坐位ほどの重力効果はないので、食直後の選択肢としては坐位が優先じゃ。就寝時にどうしても横になるなら左側臥位がよい、という使い分けじゃな。

サクラ サクラ

GERDの患者への生活指導も知りたいです。

博士 博士

食後2〜3時間は横にならない、就寝時は頭側を10〜15cm挙上、脂肪食・チョコレート・カフェイン・アルコール・喫煙は控える、肥満があれば減量、夕食から就寝まで時間を空ける、などが基本じゃ。

サクラ サクラ

腹圧を上げる動作も要注意ですよね。

博士 博士

そのとおり。前かがみの姿勢、締め付けの強い衣服、食後すぐの運動は腹圧を高めるので避ける。便秘予防も大事じゃ。

サクラ サクラ

高齢者の誤嚥性肺炎予防にもつながりますね。

博士 博士

よい視点じゃ。誤嚥予防の観点でも食後30分〜1時間の坐位保持はエビデンスがあり、逆流と誤嚥の両方を減らす基本ケアじゃ。

サクラ サクラ

ベッド上臥床の患者さんには頭側挙上ですね。

博士 博士

うむ、ベッドで30度以上の挙上を保つだけでも逆流と誤嚥の予防効果があるので、経管栄養中の看護では必須項目じゃ。

POINT

胃食道逆流を防ぐには重力を利用して胃内容物を下方に留めることが基本で、食後30分〜1時間は坐位保持が推奨されます。仰臥位や半側臥位は逆流しやすく不適切で、臥床せざるを得ない場合は頭側挙上や左側臥位が次善です。生活指導では食後すぐ横にならない・夕食後すぐ就寝しない・脂肪食や嗜好品の制限・体重管理が重要で、経管栄養中の誤嚥性肺炎予防にも通じる視点です。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:成人において胃食道逆流を防ぐために食後30分から時間程度とるとよい体位はどれか。

解説:正解は 4 です。胃食道逆流は下部食道括約筋(LES)の弛緩と腹圧上昇により胃内容物が食道へ逆流する現象で、重力の影響を強く受けます。食後に横になると胃内容物が食道側へ戻りやすくなるため、坐位をとって胃より食道を高く保つことで重力により逆流を防止できます。食後30分〜1時間程度は坐位または上体を挙上した姿勢を保つのが望ましいとされます。

選択肢考察

  1. × 1.  左側臥位

    左側臥位は胃の形状的に逆流を抑える体位とされますが、坐位ほどの重力効果はなく、食後の推奨体位としては坐位に劣ります。

  2. × 2.  半側臥位

    半側臥位は胃食道接合部が水平に近くなり、胃内容物が食道に移行しやすく逆流予防には不適切です。

  3. × 3.  仰臥位

    仰臥位は食道と胃が水平となり、最も逆流しやすい体位のため食後は避けます。

  4. 4.  坐位

    坐位は重力により胃内容物が下方に保たれ、食道への逆流が抑えられるため食後30分〜1時間の推奨体位です。

GERD(胃食道逆流症)の生活指導では、食後2〜3時間は臥床を避ける、就寝時は頭側を10〜15cm挙上する、脂肪食・チョコレート・カフェイン・アルコール・喫煙を控える、肥満があれば減量する、夜遅くの食事を避けるなどが推奨されます。寝る際にやむを得ず側臥位をとる場合は、胃が下になる左側臥位が右側臥位より逆流を抑えやすいと報告されています。嚥下困難のある高齢者では誤嚥性肺炎予防にも坐位保持が有効です。

胃食道逆流予防には重力を活用した坐位保持が有効であることを問う問題です。