看護師ができる業務は?医師の指示と業務範囲
看護師国家試験 第103回 午後 第4問 / 必修問題 / 看護における倫理と法律
国試問題にチャレンジ
医師の指示を受けて看護師が行うことのできる業務はどれか。
- 1.薬剤の処方
- 2.死亡の判定
- 3.静脈内注射
- 4.診断書の交付
対話形式の解説
博士
看護師の業務は保助看法で2つに分けられているけど、覚えているかな?
アユム
『療養上の世話』と『診療の補助』ですよね。
博士
その通り!今日はその範囲を確認していこう。選択肢は薬剤の処方、死亡の判定、静脈内注射、診断書の交付だ。
アユム
処方や診断書って医師の仕事ですよね…?
博士
鋭い!薬剤の処方は医師法、診断書の交付も医師法第19条で医師の業務と定められているんだ。
アユム
死亡の判定はどうですか?
博士
死亡の判定(死亡診断)も医師・歯科医師の独占業務で、看護師にはできないんだ。
アユム
残るのは静脈内注射ですね。これは看護師ができるんですか?
博士
できるよ。平成14年の厚生労働省通知で、医師の指示のもと看護師が行える『診療の補助行為』として正式に位置づけられたんだ。
アユム
それまでは違ったんですか?
博士
それ以前は看護師の業務範囲を超えるという解釈もあったけど、現在は明確に『診療の補助』に該当する医行為だよ。
アユム
ということは正解は3番ですね。
博士
正解!医師の独占業務(絶対的医行為)と看護師ができる相対的医行為の区別が大事なんだ。
アユム
特定行為研修というのも聞いたことがあります。
博士
そう、研修を修了すれば手順書で38行為21区分の特定行為が実施できるよ。看護師の役割は時代とともに広がっているんだ。
アユム
法律と業務範囲をしっかり押さえます!
POINT
静脈内注射は医師の指示のもとに看護師が実施できる診療の補助行為です。一方、薬剤の処方、死亡の判定、診断書の交付は医師の独占業務であり看護師は行えません。保助看法に定められた看護師の業務範囲を正確に理解しておくことが必要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:医師の指示を受けて看護師が行うことのできる業務はどれか。
解説:正解は 3 です。静脈内注射は、かつて『診療の補助』の範囲を超えるとされた時期もありましたが、平成14年の厚生労働省通知により、医師の指示のもとで看護師が実施できる『診療の補助行為』として正式に位置付けられました。保健師助産師看護師法第5条の『療養上の世話』と『診療の補助』のうち、診療の補助に該当します。
選択肢考察
-
× 1. 薬剤の処方
薬剤の処方は医師法・歯科医師法により医師・歯科医師のみに認められた医行為であり、看護師は実施できません。
-
× 2. 死亡の判定
死亡の判定(死亡診断)は医師・歯科医師の独占業務で、看護師には認められていません。
-
○ 3. 静脈内注射
正解です。医師の指示のもとに看護師が実施できる『診療の補助行為』に位置付けられています。
-
× 4. 診断書の交付
診断書の交付は医師法第19条で医師の業務とされており、看護師は交付できません。
保助看法第37条で、看護師は『主治の医師の指示があった場合』に診療の補助として医行為を行えます。なお、特定行為研修を修了した看護師は手順書により特定行為(38行為21区分)を実施可能です。絶対的医行為と相対的医行為の区別を理解しておきましょう。
看護師の業務範囲(療養上の世話・診療の補助)と、医師独占業務との区別を問う問題です。
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