説明と同意を意味する用語は?
看護師国家試験 第104回 午前 第4問 / 必修問題 / 看護における倫理と法律
国試問題にチャレンジ
医療従事者による十分な説明に基づく患者の同意を示すのはどれか。
- 1.エンパワメント
- 2.コンプライアンス
- 3.リスクマネジメント
- 4.インフォームド・コンセント
対話形式の解説
博士
今日は医療倫理の基本用語を整理するぞ。
アユム
選択肢にエンパワメントやコンプライアンスがありますね。
博士
それぞれ意味が違うから混同せぬよう注意じゃ。
アユム
問題文は「十分な説明に基づく患者の同意」ですね。
博士
その定義そのままの用語があるぞ、わかるかな?
アユム
インフォームド・コンセントですか?
博士
正解じゃ!「説明と同意」と訳される医療倫理の基本原則じゃ。
アユム
エンパワメントとはどう違うんですか?
博士
エンパワメントは患者や住民が本来の力を発揮できるよう支援することで、概念の方向性が違う。
アユム
コンプライアンスは服薬遵守ですよね。
博士
その通り。最近はアドヒアランスという主体性を重視した語も使われるぞ。
アユム
リスクマネジメントは医療安全の用語ですね。
博士
そう、ヒヤリハット報告や医療事故防止が代表例じゃ。
アユム
シェアード・ディシジョン・メイキングという言葉も聞きました。
博士
共同意思決定じゃな。患者中心医療の流れで重要じゃ。
POINT
インフォームド・コンセントは患者の自己決定権を保障する医療倫理の基本。エンパワメント、コンプライアンス、リスクマネジメントとの定義の違いを正確に押さえておきましょう。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:医療従事者による十分な説明に基づく患者の同意を示すのはどれか。
解説:正解は4のインフォームド・コンセント(informed consent)です。インフォームド・コンセントは「説明と同意」と訳され、医療従事者が患者に対し病状、検査・治療の内容、利益と不利益、代替手段、予後などを患者が理解できる言葉で十分に説明し、患者が自由意思で同意・選択することを指します。患者の自己決定権を尊重するための医療倫理の基本原則であり、医療法第1条の4第2項にも医療提供者の努力義務として明記されています。問題文の「十分な説明に基づく患者の同意」はこの定義そのものです。
選択肢考察
-
× 1. エンパワメント
個人や集団が本来持つ力を引き出し、自己決定や問題解決を可能にする支援概念で、説明と同意の意味とは異なります。
-
× 2. コンプライアンス
法令遵守、医療では服薬遵守などを意味します。患者が指示に従う側面を指し、説明と同意の枠組みとは別概念です。
-
× 3. リスクマネジメント
組織として危険を予測・回避・低減する管理プロセスで、医療事故防止活動などを指します。
-
○ 4. インフォームド・コンセント
十分な説明に基づき患者が理解し同意することを意味する用語で、定義に完全に合致します。
近年は患者の主体性をより重視するインフォームド・チョイス(情報を得たうえでの選択)やシェアード・ディシジョン・メイキング(共同意思決定)といった概念も広がっています。混同しやすいので併せて整理しましょう。
医療倫理用語の定義(インフォームド・コンセント)を識別できるかを問う問題です。
「看護における倫理と法律」の関連記事
-
保助看法に何が書かれているか—看護職の根幹法令を読み解く
看護関連法規の役割分担を問う問題。保助看法は「資格・免許・業務」、人材確保法は「離職届出・ナースセンター」と…
114回
-
労働安全衛生法に規定されているのはどれか
労働安全衛生法の目的と主な規定内容(特に健康診断)を、他の労働関係法令と区別して理解しているかを問う問題です。
113回
-
身体拘束ゼロの手引き、禁止行為はどれ
身体拘束の具体的な禁止行為を正確に理解し、福祉用具や予防的工夫との違いを判別できるかを問う問題です。
113回
-
業務従事者届の提出先をおさえる
保健師助産師看護師法第33条に規定された業務従事者届の提出先と提出頻度を問う必修問題です。
113回
-
看護師の守秘義務—保助看法第42条の2を読み解く
看護師の守秘義務の根拠法を問う必修問題。『保助看法第42条の2』を押さえ、助産師は刑法第134条で規定される違いに…
112回