新生児の原始反射 出現と消失のタイミング
看護師国家試験 第103回 午前 第6問 / 必修問題 / 人間の特性とライフサイクル
国試問題にチャレンジ
出生時からみられ、生後3か月ころに消失する反射はどれか。
- 1.足踏み反射
- 2.パラシュート反射
- 3.Moro〈モロー〉反射
- 4.Babinski〈バビンスキー〉反射
対話形式の解説
博士
今日は小児の発達でよく出る原始反射の問題じゃ。出現時期と消失時期をセットで覚えるのがコツじゃぞ。
アユム
博士、原始反射ってそもそも何ですか?
博士
脳幹や脊髄レベルで制御される、新生児期特有の反射じゃ。中枢神経が未熟な時期に生命維持や運動発達の準備として現れ、大脳皮質の成熟とともに抑制されて消失していく。
アユム
問題では「出生時からみられ、生後3か月頃に消失する反射」が問われていますね。
博士
そう。選択肢を1つずつ見ていくと、答えは3のMoro反射じゃ。出生時から認められ、生後3〜4か月で消失する代表的な原始反射じゃな。
アユム
Moro反射ってどんな動きですか?
博士
新生児を仰向けにして頭を支える手を急に下げる、または大きな音を立てると、両上肢を左右対称にパッと外転・伸展させて手指を開き、その後ゆっくりと何かを抱え込むように内転・屈曲させる動きじゃ。びっくりするような反応に見えるな。
アユム
他の選択肢の反射はどう違うんですか?
博士
1の足踏み反射は、新生児の脇を支えて立たせると下肢を交互に屈伸して歩くような動きをする反射じゃ。出生時からみられるが、生後1〜2か月で消失する。3か月時点ではもう消えているんじゃよ。
アユム
パラシュート反射は?
博士
これは「立ち直り反射」と呼ばれる種類で、生後7〜9か月以降に「出現」する反射じゃ。乳児を抱えて急に頭を下げると両上肢を伸展して身を守ろうとする動きで、生涯持続する。出現時期と種類が違うから、本問の答えにはならんな。
アユム
Babinski反射はどうですか?
博士
足底の外側を踵から指先方向にこすると、母趾が背屈して他の4指が扇状に開く反射じゃ。出生時からみられるが、生後12〜24か月頃まで持続する。3か月で消失するわけではないんじゃよ。
アユム
もし2歳を過ぎてもBabinski反射があったら問題ですか?
博士
そう、それは錐体路障害(中枢神経の運動路の障害)を示唆する重要な所見になる。健常成人ではみられない反射じゃからな。
アユム
Moro反射の左右差があったら何が考えられますか?
博士
いい質問じゃ。左右非対称な場合は分娩麻痺(腕神経叢麻痺、いわゆるErb麻痺など)や鎖骨骨折の可能性を示唆する。だから新生児・乳児健診ではMoro反射の対称性も丁寧にチェックするんじゃ。
アユム
他の代表的な原始反射と消失時期も教えてください。
博士
把握反射は手3〜4か月、足9〜12か月、吸啜反射は4〜6か月、探索反射は3〜4か月、緊張性頸反射は4〜6か月で消失する。一方、立ち直り反射ではパラシュート反射が7〜9か月、ランドー反射が6〜18か月で出現する。
アユム
原始反射の消失と立ち直り反射の出現を組み合わせて発達評価するんですね!
博士
そのとおり。原始反射の消失遅延や立ち直り反射の出現遅延は脳性麻痺などの神経発達異常を示唆する。乳幼児健診の重要な観察項目じゃから、看護師としても押さえておこう。
アユム
神経の発達を反射で見るなんて、奥深いですね!しっかり覚えます。
POINT
Moro反射は出生時から認められ、生後3〜4か月で消失する代表的な原始反射です。急な刺激で両上肢を外転・伸展した後に抱え込む動作を示し、本問の正解となります。足踏み反射は1〜2か月で消失、Babinski反射は12〜24か月まで持続、パラシュート反射は7〜9か月以降に出現する立ち直り反射です。原始反射の消失時期や立ち直り反射の出現時期は、中枢神経系の発達評価において極めて重要な指標で、消失遅延や非対称性は脳性麻痺・分娩麻痺などの異常を示唆します。看護師は乳幼児健診の観察項目として正確に評価できるよう整理しておきましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:出生時からみられ、生後3か月ころに消失する反射はどれか。
解説:正解は 3 です。Moro〈モロー〉反射は、新生児を仰向けに寝かせた状態で頭部を支えていた手を急に下げる、または大きな音や急な刺激を与えると、両上肢を左右対称に外転・伸展させ手指を開き、その後ゆっくりと何かを抱え込むように内転・屈曲させる原始反射です。出生時から認められ、通常生後3〜4か月頃に消失します。原始反射は脳幹・脊髄レベルで制御される反射で、中枢神経系の発達に伴って大脳皮質の成熟により抑制され消失していきます。Moro反射の消失が遅れる場合は中枢神経系の発達遅延や脳性麻痺の可能性が、左右非対称な場合は分娩麻痺(腕神経叢麻痺)や鎖骨骨折の可能性が示唆されるため、新生児・乳児の神経学的評価において重要な所見です。一方、選択肢1の足踏み反射(自動歩行反射)は出生時からみられ生後1〜2か月で消失、選択肢2のパラシュート反射は生後7〜9か月以降に出現する立ち直り反射、選択肢4のBabinski〈バビンスキー〉反射は出生時から見られ生後12〜24か月頃まで持続するため、「出生時からみられ生後3か月頃に消失する」という条件に最も合致するのはMoro反射です。
選択肢考察
-
× 1. 足踏み反射
誤りです。足踏み反射(自動歩行反射)は新生児を立たせると下肢を交互に屈伸して歩行様の動作をする反射で、出生時からみられますが生後1〜2か月で消失します。3か月頃にはすでに消失している反射です。
-
× 2. パラシュート反射
誤りです。パラシュート反射は乳児の体を抱えて急に頭を下げると両上肢を伸展させ体を支えようとする立ち直り反射で、生後7〜9か月以降に出現し生涯持続します。出生時には認められず、消失する反射でもありません。
-
○ 3. Moro〈モロー〉反射
正しい選択肢です。Moro反射は出生時から認められ、急な刺激で両上肢を伸展・外転させた後抱え込む動作をする原始反射で、生後3〜4か月頃に消失します。問いの条件に最も合致します。
-
× 4. Babinski〈バビンスキー〉反射
誤りです。Babinski反射は足底外側を踵から指先方向にこすると母趾が背屈し他の指が扇状に開く反射で、出生時から認められますが、生後12〜24か月頃まで持続します。3か月では消失しません。
原始反射は新生児期に生命維持や運動発達の準備として重要な役割を果たし、中枢神経の発達とともに消失していきます。主な原始反射と消失時期を整理しましょう。Moro反射(3〜4か月)、把握反射(手3〜4か月、足9〜12か月)、吸啜反射(4〜6か月)、探索反射(3〜4か月)、緊張性頸反射(4〜6か月)、足踏み反射・自動歩行反射(1〜2か月)、Babinski反射(12〜24か月)、Galant反射(2〜3か月)。一方、立ち直り反射(パラシュート反射7〜9か月、ランドー反射6〜18か月)は発達とともに出現します。原始反射の消失遅延や立ち直り反射の出現遅延は神経発達の異常を示唆するため、定期健診で重要な観察項目となります。
Moro反射は出生時からみられ生後3〜4か月で消失する代表的な原始反射である。
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