酸素吸入中の火気厳禁を理解しよう
看護師国家試験 第103回 午前 第21問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術
国試問題にチャレンジ
酸素吸入中に使用を禁止するのはどれか。
- 1.携帯電話
- 2.ライター
- 3.電動歯ブラシ
- 4.磁気ネックレス
対話形式の解説
博士
今日は酸素療法中の安全管理の問題じゃ。
サクラ
酸素吸入中に使ってはいけないのはどれですか。
博士
正解は2のライターじゃ。酸素は支燃性ガスで、ものの燃え方を強くしてしまうのじゃよ。
サクラ
酸素自体は燃えないんですよね。
博士
そうじゃ、しかし周囲の可燃物が一気に燃え上がる。だから裸火は厳禁じゃ。
サクラ
1の携帯電話はどうですか。
博士
ペースメーカーへの影響はあるが、火源にはならんから酸素には無関係じゃ。
サクラ
3の電動歯ブラシは。
博士
密閉された低電圧機器で火花は出ない。安全に使ってよい。
サクラ
4の磁気ネックレスは。
博士
MRIでは外すが、酸素吸入では問題ない。
サクラ
覚え方はありますか。
博士
『酸素2m以内は火気厳禁』と覚えるのじゃ。在宅酸素療法ではタバコ火災が後を絶たんからの。
サクラ
患者指導が大事ですね。
POINT
酸素は支燃性ガスで、それ自体は燃えないが燃焼を激しく促進します。そのためライターやタバコなど裸火を生じる物の使用は禁止です。一般に酸素吸入中は2m以内に火気を近づけないことが原則です。在宅酸素療法における火災予防指導は看護師の重要な役割となります。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:酸素吸入中に使用を禁止するのはどれか。
解説:正解は 2 です。酸素は支燃性ガスであり、それ自体が燃えるわけではありませんが、可燃物の燃焼を強力に促進する性質があります。そのため酸素吸入中の周囲は通常よりはるかに引火・延焼しやすい環境となり、ライターやマッチなどの裸火、たばこ、電気スパークを生じる機器の使用は厳禁です。一般に酸素流量計やボンベから2m以内に火気を近づけてはならないとされています。
選択肢考察
-
× 1. 携帯電話
携帯電話の電磁波は植込み型ペースメーカーに影響する可能性が議論されてきましたが、酸素ガスの燃焼性に直接関係する火源にはならず、酸素吸入中でも一定の距離をとれば使用可能です。
-
○ 2. ライター
ライターは裸火を発生させるため、支燃性をもつ酸素のもとではチューブや寝具、衣服に容易に引火し、重度熱傷や火災の原因となります。酸素吸入中は最も使用してはならない物品です。
-
× 3. 電動歯ブラシ
電動歯ブラシは低電圧で密閉された電気機器であり、通常の使用範囲で火花を発することはほぼなく、酸素吸入中の口腔ケアでも問題なく使用できます。
-
× 4. 磁気ネックレス
磁気ネックレスはMRI検査時には外す必要がありますが、火気でも電気的な発熱源でもないため、酸素吸入中の燃焼リスクとは関係しません。
在宅酸素療法ではタバコによる火災事故が繰り返し報告されています。患者と家族には『酸素は燃えないが燃えやすくする』『2m以内に火気を置かない』『電気毛布や暖房器具にも注意』と具体的に指導すると安全です。
酸素の支燃性を理解し、酸素吸入中に火気を近づけてはならないという基本原則を確認する問題です。
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