N95マスクが守る命—空気感染対策の最前線を理解する
看護師国家試験 第114回 午前 第22問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術
国試問題にチャレンジ
空気感染(飛沫核感染)の予防策はどれか。
- 1.消毒薬の噴霧
- 2.病室の陽圧換気
- 3.N95マスクの着用
- 4.ラビング法の手指消毒
対話形式の解説
博士
今日は感染経路別予防策の中でも、最も厳重な対策が必要な空気感染について学ぶぞ。
アユム
空気感染って、咳でうつるあれですよね?
博士
惜しい!それは飛沫感染じゃ。空気感染は5μm未満の飛沫核が空気中を長時間浮遊し、それを吸い込むことで感染する経路じゃ。
アユム
飛沫と飛沫核って違うんですか?
博士
違うのじゃ。飛沫は5μm以上で重いので2m以内で落下する。一方、飛沫核は水分が蒸発して軽くなった微粒子で、空気中を漂い続けるのじゃ。
アユム
だからマスクの種類も変わるんですね。空気感染する病気って何がありますか?
博士
代表は結核・麻疹・水痘の3つ。語呂合わせで「ク・マ・ス」と覚えるのじゃ。
アユム
ク(結核)・マ(麻疹)・ス(水痘)!覚えやすいですね。N95マスクって普通のマスクと何が違うんですか?
博士
N95は0.3μmの微粒子を95%以上捕集できる規格のマスクじゃ。さらに、顔とマスクの間に隙間がないようフィットテストを行う必要がある。
アユム
ぴったり装着しないと意味がないんですね。じゃあ陰圧の病室っていうのは?
博士
病室内の気圧を周囲より低くして、ドアを開けても空気が外に流れ出さないようにする仕組みじゃ。陽圧だと逆に病原体が外へ拡散してしまうのじゃよ。
アユム
だから陽圧換気は誤りなんですね。手指消毒のラビング法も空気感染には効かないんですか?
博士
ラビング法は標準予防策や接触感染対策では基本じゃが、空気中の飛沫核には届かないからな。あくまで感染経路に応じた対策が大事なのじゃ。
アユム
消毒薬の噴霧はどうですか?病院でよく見るイメージがありますが。
博士
空中噴霧は人体への有害性があり、現在は推奨されておらん。環境清拭による消毒が原則じゃ。
アユム
対策一つ取っても、根拠を理解しないと間違った行動につながるんですね。
POINT
空気感染(飛沫核感染)は5μm未満の微粒子が空気中を浮遊することで成立する感染経路で、結核・麻疹・水痘が代表疾患です。予防にはN95マスクの着用と病室の陰圧管理が必須で、サージカルマスクや陽圧換気では防げません。N95は0.3μmの粒子を95%以上捕集できる規格で、装着時のフィットテストが品質保証の鍵となります。標準予防策を基盤としつつ、感染経路に応じた追加策(空気・飛沫・接触)を確実に選択できることが、医療従事者と他患者の安全を守る基本技術です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:空気感染(飛沫核感染)の予防策はどれか。
解説:正解は 3 です。空気感染(飛沫核感染)は、5μm未満の飛沫核が空気中を長時間浮遊し、それを吸入することで成立する感染経路で、結核・麻疹・水痘が代表的である。微細な粒子を防ぐためには、サージカルマスクでは不十分で、N95マスク(微粒子用マスク)の着用が必須となる。また、病室は飛沫核を外部へ漏らさないよう陰圧管理にする必要がある。
選択肢考察
-
× 1. 消毒薬の噴霧
消毒薬の空中噴霧は人体への有害性があり、現在は推奨されていない。環境消毒は床や物品の清拭によって行うのが原則で、空気感染予防策にはならない。
-
× 2. 病室の陽圧換気
陽圧換気は病室内の空気を外部に押し出す方式で、感染源を周囲に拡散させてしまう。空気感染予防では病室を陰圧に保ち、空気を外に漏らさない管理が必要である。
-
○ 3. N95マスクの着用
N95マスクは0.3μmの微粒子を95%以上捕集できる規格のマスクで、結核・麻疹・水痘などの空気感染対策で病室入室時に着用する。フィットテストにより顔面への密着を確認することも重要。
-
× 4. ラビング法の手指消毒
アルコール擦式製剤による手指消毒は標準予防策および接触感染予防で重要だが、空気中を浮遊する飛沫核には効果がなく、空気感染予防策としては不十分である。
感染経路別予防策は、空気感染(結核・麻疹・水痘)、飛沫感染(インフルエンザ・百日咳・風疹・ムンプスなど)、接触感染(MRSA・ノロウイルスなど)の3つに大別される。空気感染ではN95マスク+陰圧個室、飛沫感染ではサージカルマスク+個室または2m以上の距離、接触感染では手袋・ガウン+個室管理が基本。覚え方として「ク(結核)マ(麻疹)ス(水痘)」と語呂合わせで覚えるとよい。
空気感染予防の標準的な防護策を問う問題。N95マスクと陰圧管理がキーワード。
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