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意識なし・呼吸ありの傷病者への初期対応

看護師国家試験 第107回 午後 第22問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術

国試問題にチャレンジ

107回 午後 第22問

呼びかけに反応はないが正常な呼吸がみられる傷病者に対して、まず行うべき対応はどれか。

  1. 1.下肢を挙上する。
  2. 2.胸骨圧迫を行う。
  3. 3.回復体位をとる。
  4. 4.自動体外式除細動器< AED >を装着する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は一次救命処置の王道じゃ。呼びかけに反応がないが呼吸は正常、さてどうする?

アユム アユム

うーん、意識がないと聞くと反射的に胸骨圧迫を思い浮かべてしまいそうです。

博士 博士

そこじゃよ、落とし穴は。呼吸がしっかりあるのに圧迫すると胸腔内圧を乱してしまうんじゃ。

アユム アユム

ではAEDをつけるのはどうでしょう?

博士 博士

AEDは心停止、つまり呼吸が無いか死戦期呼吸の時に使うもの。正常呼吸があるのに貼る必要はないんじゃ。

アユム アユム

下肢挙上は?ショック体位って習った気がします。

博士 博士

あれは出血性ショックなどで血圧が下がっている時の策。頭蓋内圧が高い人や心不全患者では逆効果になってしまうのじゃ。

アユム アユム

となると残るのは回復体位ですね。側臥位にして気道を確保する姿勢です。

博士 博士

その通り。舌根沈下と嘔吐物の誤嚥を同時に防げる、非常に理にかなった体位じゃ。

アユム アユム

救助者が離れて応援を呼びに行く場面でも安全ですね。

博士 博士

頸椎損傷が疑われる外傷では体をねじらず軸を保つ工夫が必要じゃぞ。

アユム アユム

呼吸の有無で対応が枝分かれする、この流れをしっかり押さえておきます。

POINT

反応がなく呼吸が正常な傷病者には、まず回復体位をとらせて気道を確保するのが基本です。胸骨圧迫とAEDは呼吸が無い場合の処置であり、下肢挙上はショック時の体位です。BLSアルゴリズムでは反応確認→応援要請→呼吸確認→呼吸の有無で分岐という流れを必ず押さえておきましょう。必修問題として頻出なので確実に得点したい項目です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:呼びかけに反応はないが正常な呼吸がみられる傷病者に対して、まず行うべき対応はどれか。

解説:正解は 3 です。意識がなくても呼吸がしっかり保たれている場合、優先すべきは気道の確保と嘔吐物による誤嚥の予防です。側臥位をとらせる回復体位は、舌根沈下を防ぎ嘔吐時の誤嚥も回避できるため、救助者が離れる場合や経過観察時にも適した体位となります。

選択肢考察

  1. × 1.  下肢を挙上する。

    下肢挙上は出血性ショックなどで循環血液量が低下している場面に用いる体位で、意識消失の第一対応としては不適切です。心不全や頭蓋内圧亢進がある場合には逆効果となる可能性があります。

  2. × 2.  胸骨圧迫を行う。

    胸骨圧迫は呼吸が認められない、または死戦期呼吸のときに行う処置です。正常な呼吸が維持されている傷病者に実施すると、かえって心拍出や換気を障害する恐れがあります。

  3. 3.  回復体位をとる。

    呼吸は保たれているが意識がない状態では、気道閉塞と誤嚥を防ぐため回復体位が推奨されます。下側の腕を前に伸ばし上側の膝を90度に曲げ、顔を下に向けて気道を確保します。

  4. × 4.  自動体外式除細動器< AED >を装着する。

    AEDは心停止(心室細動・無脈性心室頻拍)が疑われる場合に使用します。呼吸が正常に認められるならば心停止は考えにくく、第一選択の処置にはなりません。

一次救命処置(BLS)のアルゴリズムでは、反応なし→応援要請・119番・AED手配→呼吸確認→呼吸なし(または死戦期呼吸)ならCPR、正常呼吸なら回復体位という流れを確認しておきましょう。回復体位では頸椎損傷が疑われる場合に体軸をねじらないよう注意が必要です。

反応なし+正常呼吸=回復体位で気道確保が原則。CPRやAEDは呼吸が無い場合の処置と整理して覚えましょう。