AED使用時の胸骨圧迫の中断場面
看護師国家試験 第113回 午後 第23問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術
国試問題にチャレンジ
自動体外式除細動器<AED>を使用するときに、胸骨圧迫を中断するのはどれか。
- 1.電源を入れるとき
- 2.電極パッドを貼るとき
- 3.心電図の解析中
- 4.電気ショックの直後
対話形式の解説
博士
BLSでは胸骨圧迫の質が命綱じゃ。AED使用中に圧迫を止める場面はいつかの?
サクラ
心電図の解析中と、電気ショックを流す瞬間です。
博士
その通りじゃ。なぜ解析中に止めるのかわかるかの?
サクラ
圧迫の振動で波形が乱れて、正しくショック適応を判定できなくなるからです。
博士
電源を入れるときはどうじゃ?
サクラ
AEDの操作は別の人ができるので、圧迫は続けます。
博士
電極パッドを貼るときは?
サクラ
貼る人と圧迫する人を分ければ続けられます。中断を最小限にするためですね。
博士
よろしい。ショック直後はどうするのじゃ?
サクラ
すぐに胸骨圧迫を再開します。循環を途切れさせないためです。
博士
CPRのサイクルは何分じゃったかの?
サクラ
2分間のCPRごとに解析を行います。
博士
圧迫の速さと深さはどのくらいか覚えておるかの?
サクラ
100〜120回/分で、深さは5〜6cmです。
博士
完全な圧解除も大事じゃぞ。
サクラ
はい、胸が戻ることで心臓に血液が戻ります。
博士
中断時間を最小化するのが生存率を上げる鍵じゃ。
サクラ
チームで役割分担して連携することが重要ですね。
POINT
AEDの使用中に胸骨圧迫を中断するのは、心電図解析中と通電の瞬間のみです。解析中は波形への振動ノイズを避けるため患者から離れます。電源投入やパッド装着、ショック直後は圧迫を継続・再開し、絶え間ない循環サポートを保つことが生存率向上の鍵となります。チームで役割分担し中断時間を最小限にする意識が重要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:自動体外式除細動器<AED>を使用するときに、胸骨圧迫を中断するのはどれか。
解説:正解は 3 の心電図の解析中です。解析中に胸骨圧迫を行うと振動で波形が乱れ、ショックの要否判定が正確にできなくなります。そのため、この時と通電ボタンを押す瞬間だけ中断し、それ以外は圧迫を継続します。
選択肢考察
-
× 1. 電源を入れるとき
電源投入はAED側の操作で、胸骨圧迫と並行して実施できます。圧迫を止める必要はありません。
-
× 2. 電極パッドを貼るとき
パッドは圧迫担当者以外が貼り付けることができます。圧迫を継続したまま迅速に装着し、中断時間を最小限にするのが原則です。
-
○ 3. 心電図の解析中
解析中は患者への接触・体動による波形ノイズを避けるため、胸骨圧迫を止め患者から離れる必要があります。AEDの音声ガイダンスに従い全員が距離を取ります。
-
× 4. 電気ショックの直後
電気ショック直後は血液循環を再開させるため、ただちに胸骨圧迫を再開します。2分間のCPRサイクルを続け、再度解析へ移ります。
一次救命処置(BLS)では、質の高い胸骨圧迫(100〜120回/分、深さ5〜6cm、完全な圧解除、中断最小化)が予後を大きく左右します。AED使用時に圧迫を中断するのは『解析中』と『通電時』のみで、それ以外では絶え間なく圧迫を継続することが強調されています。
AED使用中に胸骨圧迫を中断すべきタイミングを正しく判断できるかを問う問題です。
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