C型肝炎とインターフェロン
看護師国家試験 第105回 午後 第16問 / 必修問題 / 薬物の作用と管理
国試問題にチャレンジ
C型慢性肝炎(chronic hepatitis C)に使用するのはどれか。
- 1.ドパミン
- 2.インスリン
- 3.リドカイン
- 4.インターフェロン
対話形式の解説
博士
肝炎ウイルスにはA・B・C・D・E型があるが、それぞれの特徴を言えるかな?
アユム
A型とE型は経口感染、B型・C型・D型は血液・体液感染で、C型は慢性化しやすいと習いました。
博士
よく整理しておるな。今回の問題はC型慢性肝炎に用いる薬剤を問う問題じゃ。
アユム
選択肢の中で抗ウイルス作用があるのはどれでしょう。
博士
正解は4のインターフェロンじゃ。ウイルス感染細胞で産生されるサイトカインで、抗ウイルス・抗腫瘍作用があるのじゃ。
アユム
インターフェロンはどう使うのですか?
博士
皮下注射か筋肉注射で、以前はリバビリンとの併用療法が標準じゃった。近年はDAAという経口薬で治癒率95%以上と劇的に変わっておるよ。
アユム
でも国試では基本的にインターフェロンを押さえておけばいいのですね。
博士
そうじゃ。1のドパミンはカテコラミン系の昇圧薬で、ショックや心不全で血圧を維持するために使うもので肝炎とは関係ないぞ。
アユム
2のインスリンは糖尿病ですよね。
博士
その通り。1型糖尿病では必須で、2型でもコントロール不良例に用いる。血糖値を下げる作用じゃ。
アユム
3のリドカインは?
博士
局所麻酔薬として知られるが、クラスIb抗不整脈薬として心室性不整脈にも使う。肝炎には使わんぞ。
アユム
インターフェロンの副作用は何がありますか?
博士
発熱・倦怠感・インフルエンザ様症状が初期に出やすく、長期ではうつ症状・甲状腺機能異常・間質性肺炎・骨髄抑制に注意じゃ。
アユム
観察項目がたくさんありますね。
博士
じゃから看護では投与後の症状観察・服薬アドヒアランス・精神面のケアが重要じゃ。B型肝炎では核酸アナログが中心になるので、AとBを混同しないようにな。
アユム
薬剤と適応疾患をセットで覚えます。
POINT
C型慢性肝炎の治療薬としてインターフェロンが用いられ正解は4です。HCV持続感染による肝硬変・肝癌進展を防ぐためウイルスの増殖抑制と免疫調節を行います。ドパミンはショック時の昇圧、インスリンは糖尿病、リドカインは麻酔・抗不整脈に用いる薬で肝炎治療には使いません。近年はDAAによる経口治療が主流で副作用軽減が図られていますが、基本としてIFNの適応は押さえておきましょう。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:C型慢性肝炎(chronic hepatitis C)に使用するのはどれか。
解説:正解は 4 です。C型慢性肝炎はHCV(C型肝炎ウイルス)の持続感染によって生じる慢性肝疾患で、放置すると肝硬変・肝細胞癌に進展します。従来はインターフェロン(IFN)とリバビリン併用療法が中心で、ウイルスの増殖を抑え免疫応答を調節することで治療効果を得ていました。近年はDAA(直接作用型抗ウイルス薬)による経口治療が主流となり、治癒率は95%以上に達しますが、国試の必修レベルではインターフェロンをC型肝炎治療薬として押さえます。
選択肢考察
-
× 1. ドパミン
カテコラミン系昇圧薬で、ショックや急性循環不全で血圧維持のために用います。肝炎治療には使用しません。
-
× 2. インスリン
糖尿病(特に1型や血糖コントロール不良の2型)に対する血糖降下薬で、肝炎の治療薬ではありません。
-
× 3. リドカイン
局所麻酔薬・クラスIb抗不整脈薬として用いられ、C型肝炎への適応はありません。
-
○ 4. インターフェロン
抗ウイルス・抗腫瘍作用を持つサイトカインで、C型慢性肝炎の代表的治療薬として古くから用いられています。
インターフェロン療法では発熱、倦怠感、インフルエンザ様症状、うつ症状、甲状腺機能異常、間質性肺炎などの副作用に注意が必要です。現在はDAA(ソホスブビル・レジパスビル等)により副作用が少なく短期で治療可能となりましたが、B型肝炎治療には核酸アナログ(エンテカビル、テノホビル)やインターフェロンが用いられる点と混同しないようにしましょう。
C型慢性肝炎の代表的な薬物療法を問う必修問題で、薬剤とその主な適応疾患を結びつける力が試される。
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