チアノーゼの正体を押さえよう
看護師国家試験 第108回 午前 第12問 / 必修問題 / 徴候と疾患
国試問題にチャレンジ
チアノーゼで増加しているのはどれか。
- 1.血中酸素分圧
- 2.還元ヘモグロビン
- 3.酸化ヘモグロビン
- 4.血中二酸化炭素分圧
対話形式の解説
博士
今回はチアノーゼの機序を確認するぞ。皮膚や粘膜が青紫色になる所見じゃが、実は色の原因ははっきりしておる。
アユム
酸素が足りないから青くなる、というざっくりしたイメージしかありません。
博士
もう一歩踏み込もう。血液中のヘモグロビンは酸素と結合すると鮮やかな赤色の酸化ヘモグロビンになるが、酸素を手放すと暗い赤紫色の還元ヘモグロビンに変わる。この還元ヘモグロビンが毛細血管内で約5g/dL以上になると皮膚を通して青紫色に見えるのじゃよ。
アユム
なるほど、それで正解は2の還元ヘモグロビンなんですね。
博士
そのとおり。大事なのは「総ヘモグロビンの量」ではなく「還元ヘモグロビンの絶対量」が基準になる点じゃ。
アユム
ということは貧血がある人ではチアノーゼが出にくいんですか。
博士
鋭いぞ。ヘモグロビン自体が5g/dLしかない重度貧血では、理論上すべて還元されてもチアノーゼは見えにくい。逆に多血症では軽い低酸素でも青くなりやすいのじゃ。
アユム
1のPaO2や4のPaCO2はどう整理すればよいですか。
博士
PaO2は肺の酸素化能の指標で、チアノーゼ時はむしろ低下している。PaCO2は換気量の指標で、CO2ナルコーシスなど病態で上がることはあるが、チアノーゼ発現の本質ではないぞ。
アユム
3の酸化ヘモグロビンはチアノーゼでは減っている側ですね。
博士
そのとおり。酸素と結合したヘモグロビンは鮮紅色なので、多ければ皮膚は赤みを帯びる。チアノーゼの局面では相対的に減少しておる。
アユム
臨床で見分けるコツはありますか。
博士
中枢性は口唇や舌にも出て、酸素投与で改善することが多い。末梢性は寒冷や循環不全で四肢末端に限局し、温めると改善する傾向があるぞ。SpO2やPaO2、ヘモグロビン値と合わせて評価することが大切じゃ。
アユム
チアノーゼが出ていなくても低酸素の可能性を忘れないようにします。
博士
その姿勢が大事じゃ。視診だけに頼らず、パルスオキシメータや血液ガスで裏付けを取るのが安全な看護につながる。
POINT
チアノーゼは毛細血管内の還元ヘモグロビンが約5g/dL以上に増えたときに皮膚粘膜が青紫色に見える所見で、正解は還元ヘモグロビンです。総ヘモグロビン量の影響を受けるため、貧血では出にくく多血症では目立ちやすい点が臨床的に重要です。酸化ヘモグロビンやPaO2は低酸素時に減少側、PaCO2は換気障害の指標で区別します。中枢性と末梢性の違い、SpO2や血液ガスとの併用評価を押さえましょう。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:チアノーゼで増加しているのはどれか。
解説:正解は 2 です。チアノーゼは皮膚や粘膜が青紫色に見える所見で、毛細血管内の還元ヘモグロビン(脱酸素化ヘモグロビン)が約5g/dL以上に増加すると出現します。総ヘモグロビン濃度そのものではなく、酸素と結合していないヘモグロビンの絶対量が鍵であるため、貧血が強い患者では低酸素状態でも現れにくく、多血症では軽度の低酸素でも目立ちやすい点が重要です。
選択肢考察
-
× 1. 血中酸素分圧
チアノーゼを呈する状況ではPaO2はむしろ低下しており、酸素化の指標としては減少方向です。
-
○ 2. 還元ヘモグロビン
酸素と結合していない還元ヘモグロビンが毛細血管内で約5g/dL以上となることでチアノーゼが視認されます。
-
× 3. 酸化ヘモグロビン
酸素と結合した酸化ヘモグロビンはチアノーゼでは相対的に減少しているため誤りです。
-
× 4. 血中二酸化炭素分圧
PaCO2は換気量の指標で、チアノーゼの直接の機序ではなく、上昇しない症例でもチアノーゼは出現します。
チアノーゼは「中枢性」と「末梢性」に分けられます。中枢性は動脈血の酸素化不良(先天性心疾患の右左シャント、重度呼吸不全など)が原因で、口唇・舌・体幹にも現れます。末梢性は末梢循環不全や寒冷暴露で静脈血の酸素抽出が過剰となり生じ、指尖や耳介などに限局します。高度貧血(Hb5g/dL以下)では還元Hbが5g/dLに達しにくく、低酸素でもチアノーゼが目立たないため、SpO2と併せた評価が不可欠です。
チアノーゼの出現機序が還元ヘモグロビン濃度5g/dL以上であることを問う必修問題です。
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