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最も緊急性の高い不整脈を見抜こう

看護師国家試験 第108回 午後 第13問 / 必修問題 / 徴候と疾患

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第13問

最も緊急性の高い不整脈はどれか。

  1. 1.心房細動(atrial fibrillation)
  2. 2.心室細動(ventricular fibrillation)
  3. 3.心房性期外収縮(atrial premature contraction)
  4. 4.I度房室ブロック(first degree atrioventricular block)

対話形式の解説

博士 博士

今日は不整脈の緊急度の順位付けを学ぶぞ。国家試験だけでなく臨床でも一発で判断できないといけない重要テーマじゃ。

サクラ サクラ

選択肢には心房細動、心室細動、心房性期外収縮、I度房室ブロックがありますね。どれが一番危険でしょう。

博士 博士

結論から言うと2の心室細動、VFじゃ。心室がけいれんするため、心臓がポンプとしてまったく機能せず血液を送り出せない。

サクラ サクラ

つまり心停止と同じ扱いですね。

博士 博士

その通り。発症から数分以内に除細動しないと救命率は激減する。BLSでもAED装着とショックが最優先じゃ。

サクラ サクラ

心房細動1はどうして緊急性が低いのですか?

博士 博士

心房が痙攣しても心室は房室結節を介して不規則ながら拍動できる。だから血圧は保たれ、慢性疾患としてワルファリンやDOACでの抗凝固、レートコントロールで管理されることが多い。

サクラ サクラ

ただ心房内に血栓ができて脳梗塞を起こすリスクは高いですよね。

博士 博士

その通り、CHADS2スコアで評価して対策する。ただ緊急不整脈ではない。3の心房性期外収縮はどうじゃ?

サクラ サクラ

健常者でも見られるありふれた不整脈ですね。無症状か軽い動悸程度で、基本は治療不要と習いました。

博士 博士

正解。4のI度房室ブロックはPR間隔が0.20秒以上に延長するだけで症状はほとんどない。アスリートや若年者で生理的に認められることもある。

サクラ サクラ

つまり緊急度の順位は VF > それ以外の順ですね。

博士 博士

さらに覚えておきたいのは致死性不整脈の4つ、VF、無脈性VT、PEA、心静止じゃ。このうちショック適応はVFと無脈性VTだけ。

サクラ サクラ

PEAと心静止はCPRとアドレナリンが中心ですね。

博士 博士

その通り。心電図で基線がメチャクチャに揺れていたらVF、幅広QRSの規則連発なら無脈性VTと覚えるとよい。

サクラ サクラ

試験でも臨床でも、VFと見たら迷わず除細動、ですね。

POINT

不整脈の中で最も緊急性が高いのは心室細動(VF)です。心室が無秩序に痙攣するため心拍出がゼロとなり、そのまま心停止に移行します。致命的となる前に胸骨圧迫と電気的除細動を行う必要があり、致死性不整脈4兄弟(VF、無脈性VT、PEA、Asystole)の筆頭として扱われます。心房細動や期外収縮、I度AVブロックは直ちに命を脅かすものではない点と対比して押さえておきましょう。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:最も緊急性の高い不整脈はどれか。

解説:正解は 2 です。心室細動(VF)は心室筋が無秩序に痙攣し、有効な心拍出がまったく得られない致死性不整脈です。数分以内に除細動と心肺蘇生を行わなければ不可逆的な脳障害や死亡に至るため、不整脈の中で最も緊急性が高いと位置づけられています。BLSアルゴリズムでも「ショック適応」とされ、AEDや手動除細動器による電気的除細動が第一選択となります。

選択肢考察

  1. × 1.  心房細動(atrial fibrillation)

    心房細動は動悸や血栓塞栓症のリスクがあるものの、心拍出は保たれていることが多く、VFほど緊急性は高くありません。レートコントロールや抗凝固療法で慢性的に管理されます。

  2. 2.  心室細動(ventricular fibrillation)

    心室が痙攣し心拍出が途絶するため、心停止と同義で扱われます。ただちに胸骨圧迫と除細動が必要な最も緊急性の高い不整脈です。

  3. × 3.  心房性期外収縮(atrial premature contraction)

    健常者にも見られる良性の不整脈で、多くは無症状か軽度の動悸のみです。治療を要しないケースが大半で緊急性はありません。

  4. × 4.  I度房室ブロック(first degree atrioventricular block)

    PR間隔が0.20秒以上に延長するだけの軽度伝導異常で、症状もなく経過観察されることがほとんどです。緊急性はありません。

致死性不整脈(lethal arrhythmia)として必ず覚えておきたいのはVF(心室細動)、無脈性VT(心室頻拍)、PEA(無脈性電気活動)、Asystole(心静止)の4つです。このうち電気ショック適応はVFと無脈性VTのみ、PEAと心静止はCPRとアドレナリン投与が中心となります。心電図上VFは基線が認識できない不規則な波形、無脈性VTは幅広QRSの規則的連発として現れます。

致死性不整脈の代表であるVFが最も緊急度が高いという知識を問う必修問題です。