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貧血の診断はこれでキマリ!ヘモグロビンの役割

看護師国家試験 第109回 午前 第13問 / 必修問題 / 徴候と疾患

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第13問

貧血( anemia )を診断する際の指標となる血液検査項目はどれか。

  1. 1.アルブミン〈 Alb 〉
  2. 2.ヘモグロビン〈 Hb 〉
  3. 3.フィブリノゲン
  4. 4.プロトロンビン時間〈 PT 〉

対話形式の解説

博士 博士

今日は貧血と血液検査の関係を学ぶぞ。とても基本的じゃが、臨床で毎日のように見る項目じゃ。

サクラ サクラ

貧血というと『血が足りない』イメージですが、具体的に何が足りないんですか?

博士 博士

正確には『赤血球の中にあるヘモグロビン濃度が低下している状態』じゃ。赤血球の数だけでなく、酸素運搬能力そのものが落ちていることを意味するのじゃ。

サクラ サクラ

ヘモグロビンって、どんな働きをしているんですか?

博士 博士

ヘム(鉄)+グロビン(タンパク質)から成る分子で、肺で酸素と結合し、末梢組織へ酸素を届け、代わりにCO2を回収する役目じゃ。まさに酸素運搬の主役じゃの。

サクラ サクラ

だからヘモグロビンが減ると酸素不足になって、息切れや動悸が起きるんですね。

博士 博士

その通り。WHOの診断基準では、成人男性でHb 13 g/dL未満、女性で12 g/dL未満、高齢者・妊婦では11 g/dL未満を貧血と定義するぞ。

サクラ サクラ

他の選択肢はどうして貧血の指標にならないんですか?

博士 博士

順に見ていこう。アルブミンは肝機能や栄養状態の指標。フィブリノゲンとプロトロンビン時間は血液凝固系の検査じゃ。いずれも貧血の診断には使わん。

サクラ サクラ

貧血にもいろいろな種類があると聞いたんですが。

博士 博士

うむ、MCV(赤血球平均容積)で分類するのが定番じゃ。MCVが低い小球性貧血は鉄欠乏性が代表、正球性貧血は再生不良性や溶血性、大球性貧血はビタミンB12欠乏や葉酸欠乏が原因になる。

サクラ サクラ

一番多いのは鉄欠乏性貧血ですよね?

博士 博士

そう、貧血全体の約70%を占める。若い女性は月経による鉄喪失が多く、高齢者では消化管からの慢性出血(胃癌・大腸癌など)を疑う必要があるぞ。

サクラ サクラ

看護師として観察するポイントは何ですか?

博士 博士

他覚的には皮膚や眼瞼結膜の蒼白、舌乳頭の萎縮、スプーン爪(匙状爪)など。自覚症状は動悸・息切れ・易疲労感・めまい・頭痛などじゃ。高齢者では転倒リスクも高まるので注意じゃな。

サクラ サクラ

食事指導も大切ですね。

博士 博士

鉄分(レバー、赤身肉、ほうれん草、ひじき)を摂るときは、ビタミンCと一緒だと吸収率が上がる。逆にタンニン(お茶、コーヒー)は吸収を阻害するので、食後すぐの摂取は避けるよう指導するのじゃ。

サクラ サクラ

検査値から症状、指導まで、ヘモグロビンを軸に貧血全体が見えてきました。

POINT

貧血の診断指標として最も基本的なのはヘモグロビン〈Hb〉で、WHOの基準では成人男性13 g/dL未満、女性12 g/dL未満で貧血と診断されます。ヘモグロビンは赤血球内で酸素運搬を担うタンパクであり、低下すると全身の酸素供給が不足して動悸・息切れ・易疲労感・皮膚蒼白などの症状が現れます。貧血はMCVにより小球性・正球性・大球性に分類され、日本人では鉄欠乏性貧血(小球性)が最多です。看護師は血液検査値の解釈に加え、貧血症状の観察、鉄分吸収を高める食事指導、転倒予防などの包括的なケアを提供することが求められます。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:貧血( anemia )を診断する際の指標となる血液検査項目はどれか。

解説:正解は 2 です。貧血とは、末梢血中の赤血球数またはヘモグロビン濃度が基準値を下回る状態を指します。WHOの基準では、成人男性ではヘモグロビン13 g/dL未満、成人女性では12 g/dL未満、妊婦・高齢者では11 g/dL未満が貧血と定義されます。ヘモグロビンは赤血球に含まれる鉄含有タンパク質で、酸素を全身に運搬する役割を担っており、この濃度を測定することで貧血の有無と重症度が評価できます。臨床では赤血球数(RBC)、ヘマトクリット値(Ht)、MCV・MCH・MCHCなどの赤血球指数も併せて評価し、貧血の原因分類(小球性・正球性・大球性)に用います。

選択肢考察

  1. × 1.  アルブミン〈 Alb 〉

    肝臓で合成される血漿タンパクで、栄養状態や肝機能、膠質浸透圧維持の指標となる。低値では浮腫や腹水を生じやすいが、貧血の診断には直接用いない。

  2. 2.  ヘモグロビン〈 Hb 〉

    赤血球内で酸素運搬を担うタンパクで、その血中濃度が貧血の診断と重症度評価に直接用いられる最重要指標である。

  3. × 3.  フィブリノゲン

    血液凝固因子の1つで、出血傾向や血栓傾向、DIC、炎症の評価に用いる。貧血とは直接関係しない。

  4. × 4.  プロトロンビン時間〈 PT 〉

    外因系凝固経路の評価指標で、肝機能やワルファリン療法のモニタリングに用いる。貧血の診断には使用しない。

貧血は赤血球の平均容積(MCV)により鉄欠乏性貧血などの小球性(MCV低値)、再生不良性貧血・溶血性貧血などの正球性(MCV正常)、巨赤芽球性貧血(ビタミンB12・葉酸欠乏)などの大球性(MCV高値)に分類される。鉄欠乏性貧血は貧血全体の約70%を占め、血清フェリチンや鉄飽和度で診断を確定する。看護師は貧血症状(動悸・息切れ・易疲労感・めまい・蒼白・スプーン爪など)の観察と、食事指導(鉄分・ビタミンC同時摂取)、転倒予防が重要となる。

貧血の診断指標として最も基本的な血液検査項目を問う必修問題。Hbの意味と基準値を確実に押さえたい。