炎症の指標CRPを極める!検査マーカーの分類術
看護師国家試験 第112回 午前 第16問 / 必修問題 / 徴候と疾患
国試問題にチャレンジ
炎症マーカーはどれか。
- 1.CA19−9
- 2.抗核抗体
- 3.C反応性蛋白質<CRP>
- 4.リウマトイド因子<RF>
対話形式の解説
博士
今日は炎症マーカーについて整理するぞ。選択肢の中でどれが炎症マーカーかわかるかの?
アユム
えーっと、抗核抗体…あれ、リウマトイド因子も炎症っぽい名前ですね。
博士
確かに紛らわしいんじゃが、正解はC反応性蛋白質、CRPじゃよ。他のは腫瘍マーカーや自己抗体じゃ。
アユム
CRPって名前はよく聞きますが、何を測っているんですか?
博士
CRPは肝臓で産生される急性期蛋白じゃ。体内で炎症が起きるとマクロファージなどからIL-6が放出され、肝臓を刺激してCRPを大量に作らせるのじゃ。
アユム
どれくらいの速さで変化するんですか?
博士
炎症開始後6〜12時間で上昇し始め、24〜48時間でピークに達する。半減期は約19時間で、炎症がおさまると急速に低下する。だから経時的観察に最適なんじゃ。
アユム
正常値はどれくらいですか?
博士
0.3mg/dL以下が正常。細菌感染では10mg/dLを超えることも珍しくなく、敗血症では20〜30mg/dLにもなる。
アユム
ウイルス感染ではどうですか?
博士
ウイルス感染では比較的低値にとどまることが多い。ただしインフルエンザや重症COVIDなど例外もあるので、単独判断は禁物じゃ。
アユム
他の選択肢はどんな検査なんですか?
博士
CA19-9は膵臓癌・胆道癌などの腫瘍マーカー。抗核抗体は膠原病のスクリーニング。リウマトイド因子は関節リウマチの診断補助じゃ。それぞれ目的が違うのじゃ。
アユム
他にも炎症マーカーってあるんですか?
博士
赤血球沈降速度(ESR)、白血球数、プロカルシトニン、フェリチンなどじゃ。特にプロカルシトニンは細菌感染に特異性が高く、ウイルス感染ではほとんど上がらないので、抗菌薬投与判断に有用じゃ。
アユム
ESRとCRPはどう違うんですか?
博士
ESRは反応が遅く、上昇も正常化も時間がかかる。一方CRPは素早く動く。慢性炎症ではESR、急性期評価ではCRPと使い分けることもある。
アユム
CRPだけで感染を判断していいんですか?
博士
いや、CRPは感度は高いが特異性は低い。細菌・ウイルス・自己免疫・悪性腫瘍・手術後でも上がるので、発熱・白血球数・培養結果と総合判断するのが鉄則じゃ。
アユム
検査値を単独で見ず、総合的に判断する大切さがよくわかりました。
POINT
C反応性蛋白質(CRP)は肝臓で産生される代表的な急性期蛋白で、炎症マーカーの中心的存在です。炎症開始後6〜12時間で上昇し24〜48時間でピークに達する動態は急性炎症のモニタリングに適し、細菌感染では高値、ウイルス感染では比較的低値にとどまる傾向があります。CA19-9は腫瘍マーカー、抗核抗体やリウマトイド因子は自己抗体であり、炎症マーカーには分類されません。プロカルシトニン、ESR、白血球数なども炎症評価に用いられ、CRPと組み合わせた総合判断が臨床の基本です。看護師は検査値の意味を理解し、発熱・バイタルサイン・全身状態と合わせて感染徴候を評価する力が求められます。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:炎症マーカーはどれか。
解説:正解は 3 のC反応性蛋白質(CRP)である。CRPは肝臓でIL-6刺激に応じて産生される急性期蛋白で、感染・外傷・手術・膠原病・悪性腫瘍などで組織傷害や炎症が起きると血中濃度が上昇する。半減期が約19時間と短く、炎症開始後6〜12時間で上昇し、24〜48時間でピークに達するため、急性炎症の経時的モニタリングに広く用いられる。正常値は0.3mg/dL以下、細菌感染では10mg/dLを超えることも多い。他の選択肢は腫瘍マーカーや自己抗体であり炎症マーカーではない。
選択肢考察
-
× 1. CA19−9
膵臓癌・胆道癌・胃癌・大腸癌などで上昇する腫瘍マーカー。炎症とは関連が薄く、膵炎や胆道感染で軽度上昇することはあるが炎症マーカーには分類されない。
-
× 2. 抗核抗体
細胞核成分に対する自己抗体で、全身性エリテマトーデスや強皮症など膠原病のスクリーニング検査として用いられる。
-
○ 3. C反応性蛋白質<CRP>
代表的な炎症マーカー。IL-6刺激で肝臓から分泌され、細菌感染で顕著に上昇する。ウイルス感染では比較的低値にとどまる傾向がある。
-
× 4. リウマトイド因子<RF>
IgGのFc部位に対する自己抗体(多くはIgM型)。関節リウマチ診断補助に用いるが、健常者や慢性感染・他の膠原病でも陽性化する。
炎症マーカーにはCRP以外にも赤血球沈降速度(ESR)、白血球数、フェリチン、プロカルシトニン、SAA(血清アミロイドA)などがある。ESRは赤血球の沈降速度で、フィブリノゲンや免疫グロブリンの増加を反映するが、反応が遅く正常化にも時間がかかる(CRPより動きが鈍い)。プロカルシトニンは細菌感染に特異性が高く、ウイルス感染ではほとんど上昇しないため、抗菌薬投与判断や敗血症診断の補助に有用。CRPは簡便で鋭敏だが特異性は高くないため、単独ではなく発熱・白血球数・培養結果と総合判断することが臨床の基本である。
代表的な炎症マーカーCRPを、腫瘍マーカーや自己抗体と区別できるかを問う問題。検査の目的別分類を押さえる。
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