結晶性知能と流動性知能
看護師国家試験 第111回 午後 第53問 / 老年看護学 / 高齢者の理解と生活
国試問題にチャレンジ
結晶性知能はどれか。
- 1.よく利用するスーパーマーケットから自宅までの近道を考える。
- 2.パソコン教室で操作方法を覚える。
- 3.携帯電話に電話番号を登録する。
- 4.外国語の単語を暗記する。
対話形式の解説
博士
今日は知能の分類について学ぼう。
サクラ
知能ってひとことで表せないんですか?
博士
Cattellの理論では、結晶性知能と流動性知能の二つに分けられるんだ。
サクラ
結晶性知能とはどんな能力ですか?
博士
長年の経験や学習で積み上げた知識や判断力のことで、言語理解や洞察が含まれるよ。
サクラ
流動性知能は?
博士
新しい情報を素早く処理する能力で、暗記・計算・問題解決のスピードなどが該当する。
サクラ
この問題の正解は?
博士
正解は1の「よく利用するスーパーから自宅までの近道を考える」だ。日々通っている経験から判断する行為だからね。
サクラ
選択肢2のパソコン操作は?
博士
新しい操作を覚えるのは流動性知能。未知の情報処理が中心だね。
サクラ
選択肢3の電話番号の登録は?
博士
これも新しい操作の記銘にあたるから流動性知能。
サクラ
選択肢4の外国語単語の暗記は?
博士
記憶の取り込みスピードに依存するので、これも流動性知能に分類されるよ。
サクラ
結晶性知能は年をとっても保たれやすいと聞きました。
博士
そのとおり。60歳代まで上昇し高齢でも安定するのが特徴。一方で流動性知能は加齢で低下しやすい。
サクラ
看護ではどう活かせますか?
博士
高齢者の指導では、本人の経験や生活知を引き出す関わりが効果的なんだよ。
POINT
結晶性知能は経験・学習に基づく判断や言語理解、流動性知能は新しい情報の素早い処理能力を指します。選択肢1は経験依存の判断なので結晶性、他は新規情報の処理で流動性知能にあたります。高齢者ケアでは、加齢で低下しやすい流動性知能を補助し、保たれやすい結晶性知能を活用する支援が有用です。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:結晶性知能はどれか。
解説:正解は 1 です。結晶性知能は長年の経験・学習・文化的知識に支えられる能力で、判断力・洞察力・言語理解などがこれに含まれます。慣れたスーパーから自宅までの近道を考える行為は、過去の経験に基づいた判断であり結晶性知能の典型例です。
選択肢考察
-
○ 1. よく利用するスーパーマーケットから自宅までの近道を考える。
日常的に利用した経験や道の記憶、総合的判断力に基づく能力で、経験に裏打ちされた結晶性知能の代表例です。
-
× 2. パソコン教室で操作方法を覚える。
新しい情報を取り込み素早く処理・操作する能力であり、流動性知能に分類されます。
-
× 3. 携帯電話に電話番号を登録する。
新規の操作を行い情報を処理する作業であり、流動性知能にあたります。
-
× 4. 外国語の単語を暗記する。
新しい情報を記銘する短期的な記憶能力で、流動性知能に分類されます。
Cattellの知能理論では、流動性知能は20〜30代でピークに達し、その後緩やかに低下します。一方で結晶性知能は60歳代まで緩やかに上昇し、高齢でも比較的保たれます。高齢者のケアでは、低下しやすい流動性知能を補い、保たれやすい結晶性知能を活かす関わりが有効です。
結晶性知能(経験依存)と流動性知能(情報処理依存)の違いを具体例で識別できるかを問う問題です。
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