日本の出生数が100万人を割った年、平成28年の衝撃
看護師国家試験 第109回 午後 第61問 / 健康支援と社会保障制度 / 健康と公衆衛生
国試問題にチャレンジ
平成 28 年( 2016 年)の人口動態統計における日本の出生で正しいのはどれか。
- 1.出生数は過去 10 年で最低である。
- 2.出生数は 100 万人を上回っている。
- 3.合計特殊出生率は過去 10 年で最低である。
- 4.第 1 子出生時の母の平均年齢は 30 歳未満である。
対話形式の解説
博士
今日は人口動態統計、特に平成28年の出生について学ぶぞ。この年は日本の少子化を語るうえで記念碑的な年なのじゃ。
サクラ
記念碑的って、どういう意味ですか?
博士
平成28年の出生数は976,978人で、明治32年に統計を取り始めて以来、はじめて100万人を割り込んだのじゃ。
サクラ
えっ、明治時代からずっと100万人以上だったのが、平成28年でついに切ったんですね。
博士
そうじゃ。前年の平成27年は約100万5千人じゃったから、たった1年で約3万人も減った計算になる。過去10年どころか、歴史上最低の値じゃな。
サクラ
では合計特殊出生率も最低なんですか?
博士
いや、そこが引っかけポイントじゃ。合計特殊出生率は平成28年で1.44じゃが、過去10年では平成18年の1.32の方が低いのじゃ。最低は平成17年の1.26じゃな。
サクラ
出生数と合計特殊出生率はセットで動かないんですね。
博士
その通り。出生数は「実際に生まれた人数」、合計特殊出生率は「1人の女性が生涯に産む子ども数の推計」じゃから、女性人口そのものが減れば、出生率が上がっても出生数は減る、ということが起こり得るのじゃ。
サクラ
なるほど、そもそも子どもを産む世代の女性が減っているんですね。
博士
その通り。さらに第1子出生時の母の平均年齢は30.7歳と、30歳を超えておる。晩婚化・晩産化が進んでおるわけじゃな。
サクラ
晩産化が進むと周産期のリスクも高くなるんですよね。
博士
うむ。高齢妊娠では妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、染色体異常、早産などのリスクが上昇する。看護職は母子保健の観点からも、こうした人口動態の変化を理解しておく必要があるのじゃ。
サクラ
数字を暗記するだけじゃなくて、社会の変化として捉えることが大切なんですね。
博士
その通りじゃ。人口動態統計は国試頻出じゃから、出生数・死亡数・合計特殊出生率・平均寿命などを総合的に押さえておくとよいぞ。
POINT
平成28年(2016年)の人口動態統計では、日本の年間出生数が976,978人となり、明治32年の統計開始以来はじめて100万人を下回ったことが最大のトピックです。この年の合計特殊出生率は1.44で、過去10年の最低値は平成18年の1.32であり、出生率と出生数の動きは必ずしも連動しない点が国試で狙われます。第1子出生時の母の平均年齢も30.7歳まで上昇しており、晩産化が定着していることを示しています。看護師は単に数字を覚えるだけでなく、出産する世代の女性人口の減少、晩婚化・晩産化の進行、それに伴う周産期リスクの増加といった社会背景とあわせて理解することが求められます。人口動態統計は母子保健・地域看護の施策の基礎資料として位置づけられる重要な指標です。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:平成 28 年( 2016 年)の人口動態統計における日本の出生で正しいのはどれか。
解説:正解は 1 です。平成28年(2016年)の人口動態統計によると、日本の出生数は976,978人となり、統計を取り始めてから初めて100万人を下回った年として大きな注目を集めた。この数値は前年の平成27年(約100万5千人)からさらに約3万人減少しており、過去10年のみならず明治以降の統計開始以来、最低の水準を記録した。少子化が加速している実態を示す象徴的な数値である。
選択肢考察
-
○ 1. 出生数は過去 10 年で最低である。
平成28年の出生数976,978人は、過去10年どころか統計開始以来はじめて100万人を割り込んだ最低値である。以降も出生数は減少傾向を続けている。
-
× 2. 出生数は 100 万人を上回っている。
平成28年の出生数は約97.7万人で100万人を下回った。平成27年までは100万人台を維持していたため、この年が節目として記録されている。
-
× 3. 合計特殊出生率は過去 10 年で最低である。
平成28年の合計特殊出生率は1.44である。過去10年では平成18年の1.32が最も低く、その後緩やかに回復傾向にあった。最低値は平成17年の1.26。
-
× 4. 第 1 子出生時の母の平均年齢は 30 歳未満である。
第1子出生時の母の平均年齢は30.7歳で、30歳を超えている。晩婚化・晩産化の進行により年々上昇している。
人口動態統計は戸籍法および死産の届出に関する規程に基づく全数把握の統計で、出生・死亡・婚姻・離婚・死産を対象とする。合計特殊出生率は15〜49歳の女性の年齢別出生率を合計した値で、1人の女性が一生の間に産む子どもの数に相当する。人口を維持するためには2.07前後(人口置換水準)が必要とされるが、日本は長らく大きく下回った状態が続いている。第1子出生時の母の平均年齢は晩産化に伴い上昇を続けており、母体・新生児の周産期リスク管理の視点からも重要な指標である。
平成28年の出生数が統計開始以来初めて100万人を割ったという象徴的な出来事を問う。少子化の動向と統計用語(合計特殊出生率・平均初産年齢)の区別が鍵。
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