StudyNurse

保健師助産師看護師法に書いてあること・書いていないことを一気に整理

看護師国家試験 第106回 午後 第31問 / 健康支援と社会保障制度 / 健康を支える職種に関する法や施策

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第31問

保健師助産師看護師法に定められているのはどれか。

  1. 1.免許取得後の臨床研修が義務付けられている。
  2. 2.心身の障害は免許付与の相対的欠格事由である。
  3. 3.看護師籍の登録事項に変更があった場合は2か月以内に申請する。
  4. 4.都道府県知事は都道府県ナースセンターを指定することができる。

対話形式の解説

博士 博士

今回は保助看法じゃ。看護師の根拠法とも言えるこの法律が何を規定しているかを見るぞ。

サクラ サクラ

身分法ですよね。免許のこと、業務のこと、くらいしか思い浮かばないです…。

博士 博士

大きくは『免許の取得と管理』『業務独占』『守秘義務』『欠格事由』『行政処分』の5本柱と考えるとよい。

サクラ サクラ

欠格事由って、免許がもらえない理由のことですか?

博士 博士

そうじゃ。保助看法第9条には、罰金以上の刑・業務に関する犯罪・麻薬中毒・心身の障害の4つが挙げられておる。いずれも『相対的』欠格事由じゃ。

サクラ サクラ

『相対的』ってどういう意味ですか?

博士 博士

該当してもすぐ免許取消とはならず、業務を適正に行えるかを厚労大臣が個別判断する仕組みじゃ。2001年改正で、かつて絶対的だった身体障害の条項が相対的に緩和されたのじゃ。

サクラ サクラ

なるほど…。では『臨床研修の義務化』は書いてありますか?

博士 博士

いや、保助看法では義務化されておらぬ。新人看護職員研修は人材確保促進法に基づく努力義務じゃ。医師の初期研修とは違うから混同しないように。

サクラ サクラ

『看護師籍の変更は2か月以内』というのはどうですか?

博士 博士

それも罠じゃ。正しくは30日以内。結婚などで氏名が変わったら1か月以内に手続き、と覚えるのじゃよ。

サクラ サクラ

ナースセンターの指定は?

博士 博士

これは『看護師等の人材確保の促進に関する法律』に書かれておる。都道府県知事が都道府県ナースセンターを1つ指定し、離職届・求人情報・再就業支援を担うのじゃ。

サクラ サクラ

つまり、身分と欠格以外の話はだいたい別の法律ってことですね。

博士 博士

その整理でよい。保助看法=身分、人材確保促進法=需給、医療法=施設、個人情報保護法=情報、と割り振っておくとブレないぞ。

サクラ サクラ

最後に、守秘義務の罰則はどこに?

博士 博士

保助看法第42条の2に守秘義務、第44条の4に罰則が規定されておる。6か月以下の懲役または10万円以下の罰金じゃ。助産師の守秘義務だけは歴史的経緯から刑法134条に残っておる点も小ネタとして知っておくとよい。

POINT

保健師助産師看護師法は看護職の身分と業務の根幹を定める法律で、免許取得要件、業務独占、守秘義務、欠格事由、行政処分を規定しています。本問の正解は『心身の障害は相対的欠格事由である』で、第9条に明示されています。臨床研修の努力義務やナースセンター指定は看護師等人材確保促進法、籍訂正の30日以内規定は保助看法施行令と、関連法令の役割を整理しておくことが必須です。法規問題は法律名と条文の紐付けを機械的に覚えるのではなく、なぜその規定が必要かという制度の背景とセットで理解すると長く使える知識になります。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:保健師助産師看護師法に定められているのはどれか。

解説:正解は2です。保健師助産師看護師法(保助看法)第9条には「免許の欠格事由」が定められており、その中に「心身の障害により保健師、助産師、看護師又は准看護師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの」という条項があります。これは『絶対的』ではなく『相対的』欠格事由であり、該当するからといって必ず免許が与えられないわけではなく、障害の程度や業務の適正性を総合的に判断して個別に決定される性質のものです。2001年の法改正によって、かつての絶対的欠格事由(目が見えない・耳が聞こえない・口がきけない者など)は相対的欠格事由へと改められました。

選択肢考察

  1. × 1.  免許取得後の臨床研修が義務付けられている。

    看護師の臨床研修は「看護師等の人材確保の促進に関する法律」および「新人看護職員研修ガイドライン」に基づいて努力義務として位置付けられている。保助看法では義務化されていない。医師の初期臨床研修が医師法で義務化されているのとは異なる点に注意。

  2. 2.  心身の障害は免許付与の相対的欠格事由である。

    保助看法第9条に欠格事由として明示されている。罰金以上の刑、業務に関する犯罪、麻薬・大麻・あへんの中毒者、心身の障害により業務を適正に行えない者が相対的欠格事由として挙げられる。いずれも厚生労働大臣が個別判断する仕組みである。

  3. × 3.  看護師籍の登録事項に変更があった場合は2か月以内に申請する。

    保助看法施行令第3条により、登録事項(氏名・本籍地都道府県名など)に変更があった場合は、変更から30日以内に訂正を申請する必要がある。2か月ではない点に注意。

  4. × 4.  都道府県知事は都道府県ナースセンターを指定することができる。

    都道府県ナースセンターは「看護師等の人材確保の促進に関する法律」第14条に基づき、都道府県知事が都道府県ごとに1つ指定するもの。保助看法の規定ではない。

看護師に関する法律は複数あり、役割分担を整理しておくと解きやすい。保助看法(身分法)は免許・業務独占・守秘義務・欠格事由・行政処分を規定する。看護師等人材確保促進法は需給調整・ナースセンター・研修の努力義務などを定める。医療法は医療機関の開設・管理・安全管理体制を定める。個人情報保護法は患者情報の取り扱いを規律する。混同しやすいので「何がどの法律に書いてあるか」を整理しておくとよい。

保助看法に規定されている事項を他法令の規定と区別して選ぶ問題。欠格事由の位置づけと籍訂正の期限(30日)がキーポイント。