少子化対策の歴史と地域子育て支援センター
看護師国家試験 第105回 午前 第33問 / 健康支援と社会保障制度 / 社会・家族機能と生活基盤
国試問題にチャレンジ
地域子育て支援センターの整備を掲げたのはどれか。
- 1.児童福祉法
- 2.新エンゼルプラン
- 3.次世代育成支援対策推進法
- 4.児童虐待の防止等に関する法律
対話形式の解説
博士
今日は地域子育て支援センターがどの計画で整備されたかを学んでいこう。
サクラ
子育て支援センターって、地域の親子が集まれる場所のことですよね。
博士
そうじゃ。乳幼児と保護者が気軽に交流し、育児相談や情報提供を受けられる地域拠点じゃ。孤立しがちな子育て家庭を支える重要な役割を担っておる。
サクラ
これを整備したのはどの法律や計画ですか。
博士
正解は2の新エンゼルプラン。1999年に策定され、2000年度から5年計画で進められた。
サクラ
エンゼルプランとはどういう流れで生まれたのでしょうか。
博士
合計特殊出生率が1.57を記録した1990年の「1.57ショック」をきっかけに、1994年にエンゼルプランができ、1999年にさらに具体化した新エンゼルプランが策定されたのじゃ。
サクラ
選択肢1の児童福祉法はどうですか。
博士
児童福祉法は児童福祉の基本法で、保育所や児童相談所など広く児童福祉の枠組みを定める。ただし地域子育て支援センターの整備を具体的に打ち出したのは新エンゼルプランじゃ。
サクラ
選択肢3の次世代育成支援対策推進法は。
博士
2003年の法律で、国・自治体・事業主に子育て支援のための行動計画策定を義務づけた。センターの整備計画そのものを掲げた文書ではない。
サクラ
選択肢4の児童虐待防止法はどうでしょう。
博士
これは虐待の予防・早期発見・保護・自立支援を目的とした法律で、子育て支援拠点整備の計画ではないぞい。
サクラ
新エンゼルプランの中身をもう少し教えてください。
博士
保育サービスの拡充、仕事と子育ての両立支援、地域の子育て支援、母子保健の充実、教育環境整備、住宅・生活環境整備、ゆとりある教育の実現などが柱じゃ。センター整備もその一環じゃな。
サクラ
その後の流れも知りたいです。
博士
新エンゼルプラン後は子ども・子育て応援プラン、子ども・子育てビジョンと続き、2015年からは子ども・子育て支援新制度がスタートした。現在は児童福祉法に基づき地域子育て支援拠点事業として全国に整備されておる。
サクラ
歴史の流れが見えてきました。正解は2の新エンゼルプランですね。
博士
よく学んだの。計画の名前と年代、施策の中身をセットで覚えておくのじゃ。
POINT
地域子育て支援センターは1999年策定の新エンゼルプランにおいて整備が掲げられました。エンゼルプランから始まる少子化対策の一連の流れを押さえ、児童福祉法、次世代育成支援対策推進法、児童虐待防止法との違いを整理することが大切です。本問の正解は選択肢2の新エンゼルプランであり、在宅子育て家庭を含めた地域支援拠点として計画的に整備されました。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:地域子育て支援センターの整備を掲げたのはどれか。
解説:正解は2です。地域子育て支援センターの整備は、平成11年(1999年)に策定された「新エンゼルプラン(重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画について)」で明確に位置づけられました。新エンゼルプランは平成12年度から16年度までの5か年計画で、保育サービスの充実、仕事と子育ての両立支援、地域における子育て支援などを柱として、在宅で子育てする家庭も含めた総合的な支援体制の構築を目指しました。
選択肢考察
-
× 1. 児童福祉法
誤りです。児童福祉法は児童の福祉全般を規定する基本法で、児童福祉施設(保育所・乳児院・母子生活支援施設など)や児童福祉司、保育士などを規定しますが、地域子育て支援センターを具体的に掲げたのは新エンゼルプランです。
-
○ 2. 新エンゼルプラン
正しい記述です。新エンゼルプラン(1999年策定)では、地域における子育て支援の拠点として地域子育て支援センターの計画的整備が明記されました。
-
× 3. 次世代育成支援対策推進法
誤りです。次世代育成支援対策推進法(2003年)は、国・地方自治体・事業主に対して行動計画策定を義務づけた法律で、子育て支援センターそのものの整備を掲げた計画ではありません。
-
× 4. 児童虐待の防止等に関する法律
誤りです。児童虐待防止法は児童虐待の予防・早期発見・保護・自立支援を目的とする法律で、子育て支援センター整備を直接規定する内容ではありません。
少子化対策の流れはエンゼルプラン(1994年)→新エンゼルプラン(1999年)→次世代育成支援対策推進法(2003年)→子ども・子育て応援プラン(2004年)→子ども・子育てビジョン(2010年)→子ども・子育て支援新制度(2015年)と発展してきました。現在、地域子育て支援拠点事業は児童福祉法に基づき全国で実施されています。
少子化対策の各計画・法律の目的と具体的な施策内容を整理して理解しているかを問う問題です。
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