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数字で読み解く令和2年の家族像 男性育休取得率12.65%の衝撃

看護師国家試験 第112回 午後 第31問 / 健康支援と社会保障制度 / 社会・家族機能と生活基盤

国試問題にチャレンジ

112回 午後 第31問

令和2年度(2020年度)の家族に関する調査で正しいのはどれか。

  1. 1.人口動態調査では合計特殊出生率が1.54である。
  2. 2.労働力調査では共働き世帯が専業主婦世帯より少ない。
  3. 3.人口動態調査では結婚後5年未満の離婚が約半数である。
  4. 4.雇用均等基本調査では男性の育児休業取得率が12.65%である。

対話形式の解説

博士 博士

今日は令和2年度の家族統計を整理していくぞ。国試では数値そのものよりも、傾向とおおまかなオーダーを覚えることが大事じゃ。

サクラ サクラ

合計特殊出生率って、よく出てきますけど1.54は正しいんですか?

博士 博士

ちと高すぎるな。令和2年の合計特殊出生率は1.33じゃ。2005年の1.26をボトムに一時回復したが、近年は再び低下傾向で、2022年は1.26、2023年はついに1.20まで落ちておる。

サクラ サクラ

1.54という数字はもう20年以上前の水準なんですね。共働き世帯と専業主婦世帯の比較はどうですか?

博士 博士

1997年ごろに共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、その後は差が広がる一方じゃ。令和2年時点で共働き世帯は約1,240万、専業主婦世帯は約570万と、2倍以上の開きがある。

サクラ サクラ

じゃあ「共働きが少ない」という選択肢は完全に逆なんですね。離婚のタイミングはどうでしょう?

博士 博士

同居期間別に見ると、5年未満の離婚は全体の約30%が最多層じゃが、半数には届かん。20年以上連れ添ってからの「熟年離婚」も近年増えておる点は押さえておきたい。

サクラ サクラ

残るのは男性の育児休業取得率ですね。12.65%というのは結構上がった印象です。

博士 博士

そうじゃな。令和元年の7.48%から令和2年に12.65%へ一気にジャンプし、育児・介護休業法の改正や産後パパ育休の創設で加速しておる。2023年度は30.1%まで上がった。

サクラ サクラ

女性の取得率は令和2年で81.6%でしたよね。差はまだ大きいですけど伸び率では男性のほうが急激ですね。

博士 博士

その通り。国は2025年までに男性50%、2030年に85%を目標として掲げておる。看護職は産業保健や母子保健の現場で、男性の育児参画を支える視点も求められるのじゃ。

サクラ サクラ

家族の形も働き方も変化しているんですね。看護師はその背景を理解して支援する必要がありますね。

博士 博士

うむ。統計は社会の鏡じゃ。数字を追うだけでなく「なぜそうなっているか」を説明できるようにしておくと、応用問題にも強くなるぞ。

POINT

令和2年度の日本の家族像は、合計特殊出生率1.33、共働き世帯が専業主婦世帯を大きく上回る構造、離婚の約3割が同居5年未満、男性育児休業取得率12.65%といった数字で語られます。男性育休取得率は前年比で約5ポイントの伸びを示し、法改正や産後パパ育休制度の創設により2023年度には30%を超えるまでに急伸しました。看護師国家試験では、こうした家族・労働関連統計は毎年のように出題されるため、最新値と長期トレンドの両方を押さえることが重要です。とくに少子化・共働き化・男性の育児参画という三つの潮流は、地域保健や母子看護の実践とも直結する社会背景といえます。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:令和2年度(2020年度)の家族に関する調査で正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査」によれば、令和2年度(2020年度)における男性の育児休業取得率は12.65%と報告されている。前年度の7.48%から大きく伸長しており、男性の育児参加を後押しする政策(育児・介護休業法の改正、産後パパ育休の創設など)を背景に毎年上昇傾向にある。

選択肢考察

  1. × 1.  人口動態調査では合計特殊出生率が1.54である。

    2020年の合計特殊出生率は1.33(翌2021年は1.30)であり、1.54という値は誤り。日本の合計特殊出生率は人口置換水準2.07を大きく下回る低位で推移している。

  2. × 2.  労働力調査では共働き世帯が専業主婦世帯より少ない。

    共働き世帯は1990年代後半に専業主婦世帯を逆転し、以後一貫して共働き世帯の方が多く推移している。2020年時点で共働き世帯は専業主婦世帯の約2倍に達している。

  3. × 3.  人口動態調査では結婚後5年未満の離婚が約半数である。

    同居期間5年未満の離婚は全離婚のおよそ3割であり、半数には達しない。最も多い層ではあるが「約半数」という表現は誤り。

  4. 4.  雇用均等基本調査では男性の育児休業取得率が12.65%である。

    令和2年度の男性育休取得率は12.65%で、前年から約5ポイント上昇している。一方女性は81.6%で、男女差は依然として大きい。

家族・労働に関する統計は毎年更新されるため、国試対策では「直近の傾向と代表値」を押さえるのが効率的である。男性育休取得率は2022年に17.13%、2023年には30%台に跳ね上がっており、政府目標(2025年50%、2030年85%)に向けて急速に伸びている点も覚えておきたい。

令和2年度の家族関連統計における代表的な数値を問う問題。合計特殊出生率、共働き世帯数、離婚時期、男性育休取得率など各指標の最新傾向を整理しておきたい。