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貪食能を持つ細胞を見分けよう

看護師国家試験 第105回 午後 第68問 / 人体の構造・機能 / 生体の防御機構

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第68問

貪食能を有する細胞はどれか。

  1. 1.好酸球
  2. 2.Bリンパ球
  3. 3.線維芽細胞
  4. 4.血管内皮細胞
  5. 5.マクロファージ

対話形式の解説

博士 博士

今日は免疫細胞の機能を学ぼう。貪食能とは何のことか分かるかな

アユム アユム

細菌などの異物を細胞内に取り込んで分解する機能のことです

博士 博士

その通りじゃ。貪食を担う細胞を「食細胞」と呼び、主に好中球とマクロファージが代表格じゃ

アユム アユム

選択肢を見てみると、マクロファージが正解ですね

博士 博士

正解じゃ。マクロファージは血中の単球が組織に遊走して分化した細胞で、細菌・ウイルス・死細胞などを強力に貪食する

アユム アユム

マクロファージの役割は貪食だけですか

博士 博士

いいや、貪食した異物の情報をT細胞に提示する「抗原提示細胞」としての機能もある。これによって獲得免疫が起動される。自然免疫と獲得免疫をつなぐ司令塔的存在じゃ

アユム アユム

他の選択肢も見ていきましょう。好酸球はどうですか

博士 博士

好酸球はアレルギー反応や寄生虫感染で増加し、脱顆粒して寄生虫を傷害する。貪食能は弱く、主な作用ではないんじゃ

アユム アユム

Bリンパ球は抗体を作る細胞でしたね

博士 博士

その通り。Bリンパ球は抗原刺激で形質細胞に分化し、抗体(免疫グロブリン)を産生する液性免疫の担い手じゃ。貪食能はない

アユム アユム

線維芽細胞はどうですか

博士 博士

線維芽細胞は結合組織を構成する細胞で、コラーゲンやエラスチンを産生する。創傷治癒に重要じゃが、貪食能はない

アユム アユム

血管内皮細胞はどんな働きですか

博士 博士

血管内腔を覆う単層細胞で、血管の緊張性調節、凝固線溶系の調整、血管新生などに関与する。貪食はしない

アユム アユム

樹状細胞も貪食できると聞いたことがあります

博士 博士

その通り。樹状細胞も貪食と抗原提示を行う重要な免疫細胞じゃ。特に抗原提示能は最強と言われている

アユム アユム

マクロファージは組織ごとに名前が違うとか

博士 博士

よく知っているな。肝臓ではクッパー細胞、肺胞では肺胞マクロファージ、中枢神経ではミクログリア、骨では破骨細胞の一部、皮膚ではランゲルハンス細胞の性格を持つものがある。組織に特化したマクロファージじゃな

アユム アユム

好中球も貪食細胞ですよね

博士 博士

そう、好中球は急性炎症の主役で最も数が多い食細胞じゃ。感染初期に真っ先に駆けつけて細菌を貪食し、化膿巣を形成する

アユム アユム

貪食能を持つのは好中球・マクロファージ・樹状細胞と覚えておきます

POINT

貪食能を持つ代表的細胞は好中球とマクロファージで、樹状細胞も含まれます。マクロファージは単球由来で細菌・ウイルス・死細胞を貪食し、さらに抗原提示により獲得免疫を起動する中心的細胞です。好酸球は寄生虫傷害、Bリンパ球は抗体産生、線維芽細胞はコラーゲン産生、血管内皮細胞は血管機能調節を担い、いずれも貪食能は持ちません。組織別の特殊なマクロファージ(クッパー細胞、ミクログリアなど)も押さえておきましょう。

解答・解説

正解は 5 です

問題文:貪食能を有する細胞はどれか。

解説:正解は 5 です。マクロファージは単球が組織に遊走して分化した細胞で、細菌・ウイルス・死細胞などを貪食し分解する強力な貪食能を持ちます。さらに抗原提示細胞としてT細胞に抗原情報を伝え、獲得免疫の司令塔的役割も果たします。好中球とともに「食細胞」の代表格です。

選択肢考察

  1. × 1.  好酸球

    好酸球は寄生虫感染やアレルギー反応で増加し、脱顆粒により寄生虫を傷害します。貪食能は弱く、主な作用機序ではありません。

  2. × 2.  Bリンパ球

    Bリンパ球は抗体を産生する液性免疫の担い手で、貪食能はありません。形質細胞に分化して抗体(免疫グロブリン)を分泌します。

  3. × 3.  線維芽細胞

    線維芽細胞は真皮などの結合組織に存在し、コラーゲンやエラスチンなどの細胞外マトリックスを産生します。創傷治癒に関与しますが貪食能はありません。

  4. × 4.  血管内皮細胞

    血管内皮細胞は血管内腔を覆う単層細胞で、血管緊張性調節・凝固線溶系調整・血管新生などに関与しますが貪食能はありません。

  5. 5.  マクロファージ

    マクロファージは単球由来で、細菌やウイルスなどの異物を貪食し分解します。さらに抗原提示細胞としてT細胞に抗原を提示し、獲得免疫を起動する中心的役割を担います。

貪食能を持つ代表的細胞は好中球とマクロファージ(単球)で、これらを総称して食細胞と呼びます。樹状細胞も貪食と抗原提示を行います。肝臓のクッパー細胞、肺胞マクロファージ、中枢神経のミクログリアなど、各組織に特化したマクロファージも存在します。

自然免疫における貪食細胞と他の細胞機能との区別を問う問題です。