血漿電解質と重炭酸イオン
看護師国家試験 第108回 午前 第78問 / 人体の構造・機能 / 血液と体液
国試問題にチャレンジ
血漿の電解質組成を陽イオンと陰イオンに分けたグラフを示す。 矢印で示すのはどれか。
- 1.ナトリウムイオン
- 2.カリウムイオン
- 3.リン酸イオン
- 4.塩化物イオン
- 5.重炭酸イオン
対話形式の解説
博士
今日は血漿電解質の組成を整理しよう。グラフでは陽イオンと陰イオンがそれぞれ棒で表示され、合計が等しくなる。
アユム
電気的中性が保たれているからですね。
博士
その通り。まず陽イオンの主役を覚えよう。一番多いのは何じゃ。
アユム
ナトリウムイオンです、約142mEq/Lですよね。
博士
よろしい。細胞外液の主要陽イオンじゃ。次に多いのは。
アユム
カリウム、カルシウム、マグネシウムの順ですか。
博士
そうじゃ、K⁺約4、Ca²⁺約5、Mg²⁺約2 mEq/L。細胞内はカリウムが主役じゃが血漿は少ない。
アユム
では陰イオンは。
博士
最多は塩化物イオン(Cl⁻)で約103mEq/L、2番目が重炭酸イオン(HCO₃⁻)で約27mEq/Lじゃ。
アユム
矢印は陰イオン側の2番目ということですね。
博士
そうじゃ、重炭酸イオンが正解じゃ。
アユム
重炭酸イオンの役割は。
博士
酸塩基平衡の主要な緩衝系じゃ。H⁺+HCO₃⁻⇄H₂CO₃⇄H₂O+CO₂の反応で、呼吸と腎臓で調整される。
アユム
ヘンダーソン・ハッセルバルヒ式ですね。
博士
pH=6.1+log(
アユム
アニオンギャップも重炭酸が関わりますね。
博士
AG=Na⁻(Cl+HCO₃)、正常12±2mEq/L。糖尿病性ケトアシドーシスや乳酸アシドーシスでAGが上昇する。
アユム
選択肢1と2は陽イオンだから矢印には当たらないと。
博士
その通り。3のリン酸は陰イオンじゃが3番目で量が少ない。4の塩化物は陰イオンで最多、矢印が2番目を指すなら重炭酸じゃ。
アユム
陰イオンの順序をしっかり覚えます。
博士
Cl⁻>HCO₃⁻>タンパク>その他、と押さえておこう。
POINT
血漿の陰イオンは塩化物イオンが最多で約103mEq/L、次いで重炭酸イオンが約27mEq/Lです。重炭酸イオンは酸塩基平衡の主要な緩衝系を担い、ヘンダーソン・ハッセルバルヒ式やアニオンギャップで臨床的に評価されます。矢印が陰イオンの2番目を示していれば正解は重炭酸イオンです。
解答・解説
正解は 5 です
問題文:血漿の電解質組成を陽イオンと陰イオンに分けたグラフを示す。 矢印で示すのはどれか。
解説:正解は 5 です。血漿の電解質組成において、陰イオンで最も多いのは塩化物イオン(Cl⁻、約103mEq/L)、2番目に多いのが重炭酸イオン(HCO₃⁻、約27mEq/L)、3番目がリン酸イオン・硫酸イオンです。矢印が陰イオンの2番目を指している場合、重炭酸イオンが該当します。重炭酸は酸塩基平衡の重要な緩衝系を担います。
選択肢考察
-
× 1. ナトリウムイオン
細胞外液最大の陽イオン(約142mEq/L)で陽イオン側の最大バー。陰イオンではありません。
-
× 2. カリウムイオン
主に細胞内に多い陽イオンで、血漿中は約4mEq/Lと少量。陽イオン側に位置します。
-
× 3. リン酸イオン
血漿中の陰イオンとしては3番目で量は少なく、矢印で示されるのは塩化物の次に多いイオンなので該当しません。
-
× 4. 塩化物イオン
陰イオンで最も多い(約103mEq/L)イオンで、陰イオン側の最大バー。2番目の矢印には該当しません。
-
○ 5. 重炭酸イオン
陰イオンとしては塩化物に次いで2番目に多く(約27mEq/L)、酸塩基平衡の緩衝系の中心を担います。矢印が示すのはこのイオンです。
血漿電解質の主要値は、陽イオン:Na⁺142、K⁺4、Ca²⁺5、Mg²⁺2 mEq/L。陰イオン:Cl⁻103、HCO₃⁻27、タンパク16、有機酸・リン酸・硫酸 計約8 mEq/L。陽イオン=陰イオンの合計で電気的中性が保たれ、差分(アニオンギャップ=Na⁻(Cl+HCO₃))は代謝性アシドーシスの鑑別に用いられます。
血漿電解質組成を陽イオン・陰イオンに分けた時の主要イオンの順序、特に重炭酸イオンの位置づけを理解しているかを問う問題です。
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