世界の5歳未満児死亡率と国際保健
看護師国家試験 第103回 午後 第78問 / 看護の統合と実践 / 国際化と看護
国試問題にチャレンジ
国際連合児童基金〈UNICEF〉の報告(2006年)による5歳未満児の死亡率が最も高い地域はどれか。
- 1.アフリカ
- 2.東南アジア
- 3.北アメリカ
- 4.東ヨーロッパ
対話形式の解説
博士
今日は国際保健の話題じゃ。世界の子どもたちの健康状態は地域によって大きく異なる。UNICEFの統計を見てみよう。
アユム
博士、5歳未満児死亡率って何ですか?
博士
出生1,000人あたりに5歳未満で死亡する子どもの数のことじゃ。U5MRと略され、その地域や国の保健医療水準を示す重要な指標になっておる。
アユム
2006年のUNICEF報告で最も高かった地域は?
博士
選択肢1のアフリカじゃ。特にサハラ以南アフリカでは8人に1人が5歳未満で命を落とす国もあった。
アユム
どんな原因で亡くなっているんですか?
博士
肺炎、下痢症、マラリア、麻疹など予防や治療が可能な感染症が大きな割合を占めておる。さらに新生児期の周産期合併症や栄養不良も主要な死因じゃ。
アユム
選択肢2の「東南アジア」も死亡率は高そうですが?
博士
南アジアは比較的高めじゃが、アフリカほどではない。東南アジアはさらに低い水準じゃ。
アユム
選択肢3の「北アメリカ」はどうですか?
博士
先進国が中心の地域じゃから、世界でも最も低い水準にある。乳幼児医療体制が整備されておるからのう。
アユム
選択肢4の「東ヨーロッパ」は?
博士
中所得国以上が多く、アフリカよりはかなり低い水準じゃ。
アユム
アフリカで死亡率が高い理由は何ですか?
博士
貧困、保健医療体制の脆弱さ、医療従事者不足、清潔な水へのアクセス困難、紛争などが複合しておる。一つひとつの死亡原因は予防・治療可能じゃのに、構造的な問題で多くの命が失われておるんじゃ。
アユム
国際社会の取り組みはどうなっているんですか?
博士
MDGsからSDGsへと国際目標が引き継がれ、5歳未満児死亡率の削減が掲げられておる。ワクチン普及、母子保健、栄養改善、清潔な水と衛生の確保が柱じゃ。
アユム
看護師として国際保健に関わるとしたら?
博士
JICAやNGO、WHOなどを通じた活動がある。日本国内でも在留外国人への支援や母子保健の知見を活かす道があるのう。
アユム
世界の健康課題を学ぶ意義を実感しました。
博士
看護はグローバルな視野で人の健康を考える専門職じゃ。世界の状況を知ることが日本の看護にも還元されるんじゃよ。
POINT
UNICEFの2006年報告で5歳未満児死亡率が最も高いのはサハラ以南のアフリカ地域です。肺炎、下痢症、マラリアなど予防可能な感染症や周産期合併症が主な死因で、貧困と医療体制の脆弱さが背景にあります。MDGsやSDGsを通じてワクチン普及、母子保健、栄養改善などの国際的取り組みが進められており、看護師にも国際保健の視野が求められます。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:国際連合児童基金〈UNICEF〉の報告(2006年)による5歳未満児の死亡率が最も高い地域はどれか。
解説:正解は 1 です。UNICEF(国際連合児童基金)の2006年報告によると、5歳未満児死亡率(出生1,000あたり)が最も高いのはサハラ以南のアフリカ地域です。死因の多くは肺炎、下痢症、マラリア、麻疹などの予防可能な感染症や、新生児期の周産期合併症で占められ、貧困や保健医療体制の脆弱さが背景にあります。
選択肢考察
-
○ 1. アフリカ
サハラ以南アフリカは世界で最も5歳未満児死亡率が高く、約8人に1人が5歳未満で死亡する地域もあります。
-
× 2. 東南アジア
南アジアは死亡率が高めですが、アフリカに比べると低くなっています。東南アジアはさらに低水準です。
-
× 3. 北アメリカ
先進国を含む地域であり、5歳未満児死亡率は世界でも最も低い水準にあります。
-
× 4. 東ヨーロッパ
中所得国以上の国が多く、アフリカよりも死亡率は低い水準です。
5歳未満児死亡率(U5MR)は地域の保健医療水準を示す重要な指標です。MDGs(ミレニアム開発目標)やSDGs(持続可能な開発目標)でも削減目標が掲げられ、ワクチン接種の普及、清潔な水と衛生、基本的医療アクセス、母子保健の改善が重視されています。
国際保健における地域別の5歳未満児死亡率と国際機関の取り組みを問う問題です。
「国際化と看護」の関連記事
-
外国籍の家族に予防接種を伝える!多文化看護の基本対応
言語の壁を抱える外国籍家族への保健指導において、最も実用的で即時的な支援を選択できるかを問う問題。「対象者が…
114回
-
外国籍の家族への食事対応を考えよう
異文化背景を持つ患児と家族への食事支援において、まず家族の状況を理解する姿勢が問われている問題です。
113回
-
異文化家庭への生活指導、最初の一歩は『聞く』こと
生活指導の初回面談では、対象者の認識・価値観・生活背景を聴取することが最初の対応であるという原則と、多文化共…
112回
-
プライマリヘルスケアって何?アルマ・アタ宣言から読み解く国際保健の原則
プライマリヘルスケアの5原則(住民参加・ニーズ対応・地域資源活用・適正技術・多分野協調)を理解し、国際協力の現…
112回
-
日本のODAを担うJICA〜国際協力機構の役割〜
日本のODA実施機関としてのJICAと、他の国際機関(WHO、UNDP、ICRC)の役割を区別できるかを問う問題です。
111回