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新人看護師の朝イチ、何から手をつける?

看護師国家試験 第107回 午前 第81問 / 看護の統合と実践 / 臨床実践場面における統合的な判断

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第81問

新人看護師のAさんは、夜勤の看護師からの引き継ぎが終了した後、日勤で行う業務を書き出した。 Aさんが書き出した以下の業務のうち最も優先して行うのはどれか。

  1. 1.頭部の搔痒感を訴える患者の洗髪
  2. 2.夜間せん妄のあった患者との散歩
  3. 3.午後に入院する患者の診療録の準備
  4. 4.翌日に検査を受ける予定の患者への説明
  5. 5.人工呼吸器を装着中の患者の状態の確認

対話形式の解説

博士 博士

ほほ〜、日勤の申し送りが終わった直後じゃな。君ならまず何をする?

サクラ サクラ

えっと、気になるのは掻痒感を訴えている患者さんで、早く洗髪してあげたいです。

博士 博士

気持ちは分かるがの、優先順位を決めるときは『緊急度』と『重要度』の二つの物差しで考えるのじゃ。

サクラ サクラ

なるほど、両方を同時に見るんですね。

博士 博士

その通り。では呼吸器を装着中の患者さんと掻痒感の患者さん、どちらが生命に直結しておるかの?

サクラ サクラ

……呼吸器、ですね。外れたり回路が詰まったりしたら数分で低酸素になってしまいます。

博士 博士

正解じゃ。機械換気中は自発呼吸が不十分なことが多く、ちょっとの異常が命取りになるのじゃよ。

サクラ サクラ

だから申し送り直後に、まずベッドサイドで設定値やSpO2、回路の接続を確認するんですね。

博士 博士

ふむ、せん妄後の散歩や翌日検査の説明はどうじゃ?

サクラ サクラ

大事ですけど、今この瞬間でなくても間に合います。時間をずらして組み込めますね。

博士 博士

うむ。入院受け入れの診療録準備も午前中のどこかで良い。優先は『生命→安全→安楽』じゃ。

サクラ サクラ

マズローの欲求階層と同じ順番ですね、腑に落ちました。

博士 博士

そうじゃ。チームで協力すれば同時並行もできるが、まず自分の眼で重症者を確認するのが鉄則じゃぞ。

POINT

本問は看護業務の優先順位を問う頻出テーマです。緊急度と重要度の2軸で判断し、生命維持に直結するケアを最上位に置くのが原則となります。人工呼吸器装着患者は換気トラブルが即座に致命的となるため、勤務開始直後の状態確認が必須です。その他のケアは時間調整と他スタッフの協力で計画的に実施します。新人看護師こそ、朝一番に重症度の高い患者を自分の目で把握する習慣を身につけましょう。

解答・解説

正解は 5 です

問題文:新人看護師のAさんは、夜勤の看護師からの引き継ぎが終了した後、日勤で行う業務を書き出した。 Aさんが書き出した以下の業務のうち最も優先して行うのはどれか。

解説:正解は 5 です。複数の業務を抱える病棟看護では、緊急度と重要度の2軸で業務を仕分けるのが原則です。最優先となるのは『生命に直結し、かつ今すぐ介入が必要な業務』であり、呼吸・循環・意識といったバイタルに影響するケアはその筆頭となります。人工呼吸器装着中の患者は自発呼吸が不十分あるいは消失している状態にあり、回路の外れ・加湿不全・設定ずれ・気管チューブの閉塞などが起これば数分で致命的な低酸素に陥ります。よって夜勤者からの引き継ぎを終えたら、まず人工呼吸器装着患者のベッドサイドへ赴き、換気状態・SpO2・設定値・回路の接続・分泌物の有無を確認することが最優先となります。

選択肢考察

  1. × 1.  頭部の搔痒感を訴える患者の洗髪

    掻痒感は苦痛ではあるものの生命の危険はなく、日中の適切なタイミングで実施可能な安楽ケアに該当します。

  2. × 2.  夜間せん妄のあった患者との散歩

    日中の活動はせん妄予防に有効ですが、今すぐ行わなければ生命に関わるわけではないため、優先度は中程度にとどまります。

  3. × 3.  午後に入院する患者の診療録の準備

    入院時刻までに整えれば足りる事務的準備であり、緊急性はほとんどありません。

  4. × 4.  翌日に検査を受ける予定の患者への説明

    重要な業務ですが翌日までに完了すればよく、勤務開始直後に行う必要はありません。

  5. 5.  人工呼吸器を装着中の患者の状態の確認

    機械換気中の患者は数分の異常で生命の危機に陥るため、勤務開始直後の状態確認は最優先事項となります。

業務優先順位はマズローの基本的欲求階層やABCD(気道・呼吸・循環・意識)評価と結びつけて判断すると整理しやすくなります。『緊急かつ重要』→『重要だが緊急でない』→『緊急だが重要でない』→『どちらでもない』の順で着手し、時間調整と他職種協力を組み合わせてスケジュールを組み立てます。

看護業務の優先順位決定において、生命維持に直結する人工呼吸器管理が最上位にくることを理解しているかを問う設問です。