多重課題場面での優先度判断
看護師国家試験 第113回 午後 第70問 / 看護の統合と実践 / 臨床実践場面における統合的な判断
国試問題にチャレンジ
Aさん(55歳、虚血性心疾患(ischemic heart disease))は4人部屋に入院している。Aさんは緊急で心臓カテーテル検査を行うことになった。日勤の担当看護師がAさんの検査のために訪室すると、同室の右片麻痺のあるBさん(60歳、脳出血(cerebral hemorrhage))からトイレに行きたいと声をかけられた。 このときの看護師の行動で適切なのはどれか。
- 1.ナースステーションに戻り、リーダーに相談する。
- 2.Aさんに待つよう説明し、Bさんのトイレ介助を行う。
- 3.Bさんに待つよう説明し、Aさんを検査室に移送する。
- 4.その場から離れずに別の看護師を呼び、Bさんのトイレ介助を依頼する。
対話形式の解説
博士
博士じゃ。この問題は臨床でよくある多重課題場面じゃぞ。
アユム
緊急カテーテル検査と、片麻痺のある患者さんのトイレ介助が同時にあるんですね。
博士
うむ。まず優先度を考えてみい。
アユム
緊急カテーテル検査は時間的猶予がなく、最優先ですね。
博士
その通りじゃ。じゃがBさんを放置もできんのう。
アユム
片麻痺があると一人でトイレに向かえば転倒リスクが高いですね。
博士
うむ。排泄を我慢させるのも尊厳を損なう。
アユム
選択肢1のステーションに戻って相談は、その間に事故が起きかねません。
博士
そうじゃ。『その場を離れない』が原則じゃ。
アユム
選択肢2で自分がBさんの介助をしてしまうと、Aさんの検査が遅れます。
博士
担当患者の緊急性を優先するのが基本じゃのう。
アユム
選択肢4のように応援を呼べば、両方の安全が守れますね。
博士
正解じゃ。ナースコールやPHSで応援要請する力もチーム医療の一部じゃぞ。
アユム
一人で抱え込まないことが大切なんですね。
博士
ようわかっておる。応援要請は勇気ではなく責任じゃ。
POINT
本問は多重課題場面における優先度判断と安全確保を問う看護管理的な問題です。緊急性・重症度の高いAさんの検査を最優先しつつ、転倒リスクの高いBさんも放置せず、その場で応援を要請することが最適解となります。その場を離れずに別の看護師を呼ぶことで、両患者の安全とケアの継続性を両立できます。チーム医療では一人で抱え込まず、適切に応援要請することが看護師の重要な能力です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:Aさん(55歳、虚血性心疾患(ischemic heart disease))は4人部屋に入院している。Aさんは緊急で心臓カテーテル検査を行うことになった。日勤の担当看護師がAさんの検査のために訪室すると、同室の右片麻痺のあるBさん(60歳、脳出血(cerebral hemorrhage))からトイレに行きたいと声をかけられた。 このときの看護師の行動で適切なのはどれか。
解説:正解は4「その場から離れずに別の看護師を呼び、Bさんのトイレ介助を依頼する。」です。緊急カテーテル検査が必要なAさんと、片麻痺で転倒リスクの高いBさんの両方に同時に対応する必要がある場面で、優先度と安全を両立する行動が求められます。
選択肢考察
-
× 1. ナースステーションに戻り、リーダーに相談する。
ステーションに戻る間、Aさんの検査搬送が遅れ、Bさんも介助者不在で自力歩行を試みて転倒する恐れがあります。その場を離れずに応援を要請すべきです。
-
× 2. Aさんに待つよう説明し、Bさんのトイレ介助を行う。
緊急カテーテル検査は時間的猶予が乏しく、Aさんの検査を優先する必要があります。担当看護師がBさんの介助に入ってしまうと、Aさんの対応が遅れてしまいます。
-
× 3. Bさんに待つよう説明し、Aさんを検査室に移送する。
排泄を我慢させるのは苦痛であり、右片麻痺のあるBさんが一人で動けば転倒のリスクが高くなります。Bさんの安全確保が不十分です。
-
○ 4. その場から離れずに別の看護師を呼び、Bさんのトイレ介助を依頼する。
ナースコールや声かけで応援を要請すれば、担当看護師はAさんの緊急検査に速やかに対応でき、同時にBさんも転倒リスクを避けて介助を受けられます。両患者の安全と優先度を両立する最善の行動です。
多重課題場面では『緊急性・重症度・侵襲性』で優先度を判断し、自分一人で抱え込まず応援要請や他職種連携を行うことが原則です。ナースコール、PHS、声による応援要請など、その場で使える手段を最大限活用します。
多重課題場面で、患者の優先度を判断しつつチーム医療で安全を確保する看護師の行動判断を問う問題です。
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