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Women centered careの本質を理解しよう

看護師国家試験 第108回 午前 第64問 / 母性看護学 / 母性看護の基盤

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第64問

女性を中心としたケア<Women centered care>の概念で適切なのはどれか。

  1. 1.父権主義を否定している。
  2. 2.周産期にある女性を対象とする。
  3. 3.全人的な女性という視点を重視する。
  4. 4.女性特有の疾患に関する看護を行う。

対話形式の解説

博士 博士

今日は母性看護の基盤となる「Women centered care=女性を中心としたケア」の概念について学ぶぞ。

アユム アユム

博士、女性を中心としたケアってどういう意味ですか?

博士 博士

これは女性をライフサイクル全体を通じた全人的存在として捉え、女性自身が主体となって健康を定義し選択できるよう支援する概念じゃ。

アユム アユム

正解は何番ですか?

博士 博士

正解は3番の「全人的な女性という視点を重視する」じゃ。ホリスティックに女性を捉えることが中心理念なんじゃ。

アユム アユム

ホリスティックとは具体的にどういうことですか?

博士 博士

身体面だけでなく、心理・社会・文化・スピリチュアルな側面まで含めて女性を一人の人間として包括的に理解するということじゃ。

アユム アユム

選択肢1の「父権主義を否定している」はどうですか?

博士 博士

これは微妙な引っ掛けじゃな。単に父権主義を否定するのではなく、医療者中心・男性中心の医療への反省を背景に、女性自身の選択を尊重する概念なんじゃ。

アユム アユム

選択肢2の「周産期にある女性を対象とする」は?

博士 博士

対象は周産期に限定されんのじゃ。思春期から更年期、老年期までライフサイクル全体が対象じゃぞ。

アユム アユム

もともとは助産領域の概念ですよね?

博士 博士

そうじゃ。助産領域で発展したが、現在では女性の生涯にわたるヘルスケアに広く適用されておる。国際助産師連盟(ICM)でも基本理念として掲げられておるぞ。

アユム アユム

選択肢4の「女性特有の疾患に関する看護」は?

博士 博士

これも限定が強すぎるな。子宮や乳房など女性特有の疾患だけでなく、女性の総合的なウェルビーイングを目標とする幅広い概念じゃ。

アユム アユム

具体的にはどんな特徴があるんですか?

博士 博士

4つの特徴があるんじゃ。①尊重、②安全、③ホリスティック、④パートナーシップじゃ。

アユム アユム

パートナーシップというと?

博士 博士

医療者と女性が対等な関係でケアを築くことじゃ。情報を共有し、女性自身が意思決定できるよう支援するんじゃ。

アユム アユム

現代看護の潮流である「Person centered care」にも通じますね。

博士 博士

その通り。当事者中心のケアは現代看護・助産の基本じゃ。看護師は女性の自己決定を支えるパートナーとして関わる姿勢が大切じゃぞ。

POINT

Women centered careは女性を全人的存在として捉え、ライフサイクル全体にわたって主体性を尊重する包括的なケア概念です。尊重・安全・ホリスティック・パートナーシップの4要素を柱とし、周産期や特定疾患に限定されない幅広い対象を持ちます。医療者中心から当事者中心への転換を象徴する理念であり、現代看護・助産の基本姿勢として看護師に求められる視点です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:女性を中心としたケア<Women centered care>の概念で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。Women centered care(女性を中心としたケア)は、女性をライフサイクル全体を通じた全人的存在として捉え、身体・心理・社会・文化・スピリチュアルな側面を含めて支援する概念で、女性自身が主体となって健康を定義し選択できるよう、尊重・安全・ホリスティック・パートナーシップの4つの特徴でケアを提供します。

選択肢考察

  1. × 1.  父権主義を否定している。

    父権主義(パターナリズム)を単に否定するのではなく、医療者中心・男性中心の医療に対する反省を背景に、女性自身の選択と意思決定を尊重することを目指す概念です。

  2. × 2.  周産期にある女性を対象とする。

    対象は周産期に限定されず、思春期から更年期・老年期までライフサイクル全体にわたる女性が対象です。もともと助産領域で発展した概念ですが、適用範囲は広がっています。

  3. 3.  全人的な女性という視点を重視する。

    女性を身体・心理・社会・文化・スピリチュアルな側面を含む全人的(ホリスティック)な存在として捉え、女性自身の価値観を尊重して支援することがこの概念の中心です。

  4. × 4.  女性特有の疾患に関する看護を行う。

    女性特有の疾患への看護に限定されるものではなく、女性の総合的なウェルビーイングを目標とする幅広い概念です。

Women centered careは国際助産師連盟(ICM)でも基本理念として掲げられ、①女性の尊厳を尊重する、②女性自身の選択を支える、③継続的ケアを提供する、④情報を共有し意思決定を支援する、といった要素が重視されます。対概念として従来の「医療者中心ケア」があり、現代看護・助産では当事者中心のケア(Person centered care)が潮流となっています。

Women centered careの理念が、女性を全人的に捉え主体性を尊重するケア概念であることを理解しているかを問う問題です。