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NST(ノンストレステスト)の手順を理解しよう

看護師国家試験 第108回 午後 第90問 / 母性看護学 / 妊娠期の看護

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第90問

妊娠36週の妊婦にNST<non-stress test>を行うため、分娩監視装置を装着することになった。 妊婦への説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.「胎児の健康状態を判定します」
  2. 2.「所要時間は10分です」
  3. 3.「排尿を済ませて下さい」
  4. 4.「仰向けで行います」
  5. 5.「固定用ベルトを1本使用します」

対話形式の解説

博士 博士

今日は妊娠36週の妊婦に対するNSTじゃ。

アユム アユム

NSTは胎児心拍をモニタリングする検査ですよね。

博士 博士

そうじゃ。子宮収縮がない安静時に胎児心拍数と子宮収縮を記録し、胎児の健康状態を判定するのじゃ。

アユム アユム

選択肢1の「胎児の健康状態を判定します」は正しいですね。

博士 博士

そのとおり。胎児心拍数基線、基線細変動、一過性頻脈の有無から中枢神経・循環機能を評価する。reactive判定には20分で15bpm以上・15秒以上の一過性頻脈が2回以上必要じゃ。

アユム アユム

所要時間はどのくらいですか?

博士 博士

標準20〜40分。胎児が睡眠中で胎動がなければ延長する。10分では評価できぬから選択肢2は誤り。

アユム アユム

3の排尿を済ませるのは?

博士 博士

正しい。20〜40分と長いから膀胱充満で中断しないよう事前排尿が基本じゃ。

アユム アユム

4の仰向けはどうですか?

博士 博士

誤りじゃ。仰臥位は増大した子宮が下大静脈を圧迫して仰臥位低血圧症候群を起こし、母体の血圧低下から胎児徐脈を招く。セミファーラー位か左側臥位で行うのじゃ。

アユム アユム

5の固定ベルト1本は?

博士 博士

胎児心拍ドップラーと子宮収縮計(陣痛計)の2個を装着するからベルトも2本必要。よって誤り。

アユム アユム

reactive以外にはどんな評価がありますか?

博士 博士

non-reactiveでは胎児機能不全の可能性があり、VAST(音響刺激)や超音波、CST(収縮負荷試験)、BPP(バイオフィジカルプロファイル)など追加評価を行う。

アユム アユム

一過性徐脈にも種類がありますよね。

博士 博士

そうじゃ。早発一過性徐脈は児頭圧迫、遅発一過性徐脈は胎盤機能不全、変動一過性徐脈は臍帯圧迫を示唆する。遅発一過性徐脈が最も危険で緊急対応が必要じゃ。

アユム アユム

NSTは妊娠何週から適応ですか?

博士 博士

胎児の自律神経が成熟する妊娠32週以降が一般的じゃ。36週なら十分に評価可能じゃ。

アユム アユム

しっかり覚えておきます。

POINT

NSTは胎児心拍数と子宮収縮を同時記録し胎児の健康状態を評価する検査です。所要時間は20〜40分で、事前排尿が必要です。体位はセミファーラー位か側臥位とし仰臥位低血圧症候群を避けます。固定用ベルトは胎児心拍用と子宮収縮計用の2本を装着し、reactiveな一過性頻脈の有無で胎児well-beingを判定します。

解答・解説

正解は 1 3 です

問題文:妊娠36週の妊婦にNST<non-stress test>を行うため、分娩監視装置を装着することになった。 妊婦への説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は 1 と 3 です。NST(non-stress test)は子宮収縮のない安静時に胎児心拍数と子宮収縮を同時記録し、胎児心拍数基線・基線細変動・一過性頻脈の有無から胎児の健康状態(well-being)を評価する検査です。所要時間は20〜40分で、検査中に体動や排尿で中断しないよう事前に排尿を済ませます。

選択肢考察

  1. 1.  「胎児の健康状態を判定します」

    NSTは胎児心拍数パターンから胎児の中枢神経と循環機能を評価する検査で、まさに胎児の健康状態判定が目的です。

  2. × 2.  「所要時間は10分です」

    所要時間は20〜40分が標準で、胎動がみられない場合はさらに延長します。10分では一過性頻脈を評価できません。

  3. 3.  「排尿を済ませて下さい」

    検査時間が長く途中で膀胱充満による中断を避けるため、開始前に排尿を済ませるのが原則です。

  4. × 4.  「仰向けで行います」

    仰臥位は子宮が下大静脈を圧迫し仰臥位低血圧症候群を起こすため、セミファーラー位か左側臥位で行います。

  5. × 5.  「固定用ベルトを1本使用します」

    胎児心拍用トランスデューサーと子宮収縮計(陣痛計)の2個を装着するため、固定用ベルトは2本必要です。

NSTのreactive(良好)判定は、20分間に胎児心拍数基線110〜160bpm、基線細変動6〜25bpm、15bpm以上・15秒以上持続する一過性頻脈が2回以上確認されることです。non-reactiveでは追加検査(VASやCST)や分娩準備を検討します。遅発一過性徐脈は胎盤機能不全、変動一過性徐脈は臍帯圧迫を示唆します。

NSTの目的・所要時間・体位・装着方法など実施上の基本知識を問う母性看護の定番問題です。