STD治療後、性交渉はいつから?
看護師国家試験 第105回 午前 第107問 / 母性看護学 / 状況設定問題
国試問題にチャレンジ
次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(20歳、女性、大学生)は、最近、同じ大学に所属するパートナー(21歳、男性)との性交後に白色帯下が増えた。外陰部に腫瘤はみられず搔痒感や痛みはないが、時々、下腹部に痛みがあった。Aさんは性感染症〈STD〉(sexually transmitted disease)を疑い、1人で産婦人科クリニックを受診した。診察時の体温36.8℃、脈拍62/分であった。 Aさんは医師から「パートナーにも感染の可能性があるので性交渉をしないように」と説明を受けた。Aさんは看護師に「パートナーとはいつから性交渉をしてもよいですか」と相談した。 性交渉を再開する時期の説明で正しいのはどれか。
- 1.処方された内服薬をAさんが飲み終えた後
- 2.Aさんの性感染症〈STD〉の症状がなくなった後(sexually transmitted disease)
- 3.パートナーが性感染症〈STD〉の検査を受けた後(sexually transmitted disease)
- 4.Aさんとパートナーの性感染症〈STD〉の治癒が確認された後(sexually transmitted disease)
対話形式の解説
博士
Aさんはクラミジア感染症と診断され治療開始したぞ。『パートナーとはいつから性交渉を再開してよいか』との相談じゃ。
サクラ
医師から性交渉はしないよう言われているんですよね。
博士
そうじゃ。正解は4の『Aさんとパートナーの治癒が確認された後』じゃ。
サクラ
1の『内服薬を飲み終えた後』ではダメなんですか?
博士
内服終了は治療完了でも治癒確認ではない。クラミジアは治癒判定のための核酸増幅検査を内服終了から3〜4週後に行う必要があるんじゃ。
サクラ
どうして3〜4週も待つんですか?
博士
早期に検査するとDNAやRNAの残骸を拾って偽陽性となることがある。菌体が完全に消失したかを確実に見るには期間をあける必要があるんじゃよ。
サクラ
2の『症状がなくなった後』は?
博士
クラミジアは女性の多くが無症状じゃから、症状消失は治癒の目安にならん。科学的根拠に乏しい判断になるの。
サクラ
3の『パートナーが検査を受けた後』はどうですか?
博士
検査を受けただけでは不十分でな。陽性なら治療が必要じゃし、治癒確認まで進んで初めて再感染を防げる。検査だけでは安全とは言えんのじゃ。
サクラ
パートナーも同じ薬で治療するんですか?
博士
そうじゃ、アジスロマイシン単回投与またはドキシサイクリン7日間内服が基本じゃ。両者とも治療後に治癒確認検査を行うぞ。
サクラ
治療期間中はどんなことに気をつければよいでしょう?
博士
性交渉を控え、タオルや下着の使い回しに注意する。薬は指示通りに内服し、自己中断しないことが大切じゃ。
サクラ
治癒確認後も感染予防は必要ですよね?
博士
もちろんじゃ。コンドームの正しい使用、他のSTDのスクリーニングも継続することで、再感染や他疾患の予防につながる。
サクラ
ピンポン感染って聞くと、まさに卓球みたいで怖いですね…
博士
うまい例えじゃな。だからこそ『双方が治癒確認されてから再開』がゴールデンルールなんじゃ。
サクラ
Aさんに伝えるときはどう説明すればよいでしょう?
博士
『お二人とも治療が終わり、再検査で陰性が確認されるまで待つと再感染を防げますよ』と、時期の目安もあわせて具体的に伝えるとよい。
サクラ
治療と再開タイミングの関係、はっきり理解できました。
博士
STDでは『同時治療・治癒確認・予防』の3本柱——これをセットで覚えておくんじゃぞ。
POINT
クラミジア感染症の治療後、性交渉再開時期を問う問題です。内服終了や症状消失だけでは治癒確認にならず、双方が治療完了・治癒確認された後に再開するのが原則で、選択肢4が正解となります。ピンポン感染予防の要諦を押さえる問題です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(20歳、女性、大学生)は、最近、同じ大学に所属するパートナー(21歳、男性)との性交後に白色帯下が増えた。外陰部に腫瘤はみられず搔痒感や痛みはないが、時々、下腹部に痛みがあった。Aさんは性感染症〈STD〉(sexually transmitted disease)を疑い、1人で産婦人科クリニックを受診した。診察時の体温36.8℃、脈拍62/分であった。 Aさんは医師から「パートナーにも感染の可能性があるので性交渉をしないように」と説明を受けた。Aさんは看護師に「パートナーとはいつから性交渉をしてもよいですか」と相談した。 性交渉を再開する時期の説明で正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。クラミジア感染症は内服終了後も治癒確認検査(通常は内服終了から3〜4週後のPCRなど)で陰性が確認されてはじめて治癒とみなせます。ピンポン感染を防ぐためには、Aさんとパートナーの双方が治療を完了し治癒確認された後に性交渉を再開する必要があります。
選択肢考察
-
× 1. 処方された内服薬をAさんが飲み終えた後
内服終了だけでは治癒確認が不十分で、パートナーの治療状況も考慮されておらず再感染のリスクがあります。
-
× 2. Aさんの性感染症〈STD〉の症状がなくなった後(sexually transmitted disease)
クラミジアはそもそも無症状のことも多く、症状消失イコール治癒ではないため不適切です。
-
× 3. パートナーが性感染症〈STD〉の検査を受けた後(sexually transmitted disease)
検査を受けただけで陽性なら治療が必要で、双方の治癒が確認されていなければ再感染リスクが残ります。
-
○ 4. Aさんとパートナーの性感染症〈STD〉の治癒が確認された後(sexually transmitted disease)
両者が治療を完了し治癒確認を得ることで、ピンポン感染を防ぎ安全に性交渉を再開できます。
クラミジアの治癒確認には内服終了から3〜4週後の核酸増幅検査が推奨されます(検出感度の関係で早期の再検査は偽陽性となる場合あり)。治療中は性交渉を控え、再開後もコンドームの適切な使用を習慣化することが再感染予防につながります。
STDの治癒確認とパートナー同時治療という原則に基づき、安全に性交渉を再開できる時期を判断する問題です。
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