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新生児バイタルの正常値 呼吸数70回/分は頻呼吸?

看護師国家試験 第106回 午前 第106問 / 母性看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

106回 午前 第106問

在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300g、身長48.5cm。生後1日の体重は3,200g。バイタルサインは腋窩温37.2℃、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。 児の状態で正常から逸脱しているのはどれか。

  1. 1.体温
  2. 2.呼吸数
  3. 3.心拍数
  4. 4.排尿回数
  5. 5.排便回数

対話形式の解説

博士 博士

今回は新生児バイタルの基本問題じゃ。母性・小児で頻出のテーマじゃよ。

アユム アユム

新生児って成人と全然違う基準値ですよね。混乱しそうです…

博士 博士

うむ、重要な基準値を押さえておこう。体温36.5〜37.5℃、心拍数110〜160回/分、呼吸数40〜60回/分、血圧は収縮期60〜80mmHg程度じゃ。

アユム アユム

呼吸数が40〜60って多いですね!

博士 博士

新生児は肺活量が小さく代謝が活発だから、呼吸数が多い。腹式呼吸で不規則な周期(周期性呼吸)も正常範囲じゃ。

アユム アユム

本問では呼吸数70回/分が出てきましたが、これは?

博士 博士

明らかに正常上限を超えておる。これを頻呼吸(tachypnea)と呼び、鑑別疾患がいくつかある。

アユム アユム

新生児の頻呼吸の原因には何がありますか?

博士 博士

最多は新生児一過性多呼吸(TTN)じゃ。肺水の吸収遅延で起こり、帝王切開児に多い。他に呼吸窮迫症候群(RDS)、感染、先天性心疾患、気胸なども鑑別する。

アユム アユム

体温37.2℃は正常ですか?

博士 博士

正常じゃ。新生児の体温は成人より高めで36.5〜37.5℃。環境温の影響を受けやすいから、低体温にも注意じゃ。

アユム アユム

心拍数130/分は?

博士 博士

110〜160の範囲内で正常じゃ。覚醒時の基準で、睡眠時はもう少し下がることもある。

アユム アユム

排尿・排便が各1回って少ない気がしますが…

博士 博士

生後24時間以内の初回排尿・初回排便は正常経過じゃ。逆に初回排尿がないと腎・尿路奇形、初回排便(胎便)がないと鎖肛やヒルシュスプルング病などを疑う。

アユム アユム

生後1日で体重が100g減っていますが、これは問題ないんですか?

博士 博士

生理的体重減少といって、出生体重の3〜10%以内なら正常じゃ。3,300gから3,200gで約3%減、まったく正常範囲じゃな。

アユム アユム

生理的体重減少はなぜ起こるんですか?

博士 博士

胎便・尿の排泄、不感蒸泄、哺乳量がまだ十分でないためじゃ。生後3〜4日で最大となり、7〜10日で出生体重に戻るのが通常じゃ。

アユム アユム

新生児のバイタルって、見る項目が多いですね。

博士 博士

うむ。バイタルに加えて、皮膚色、筋緊張、啼泣、原始反射、哺乳力、体温の変動、排泄の有無など多面的に観察する。これが新生児アセスメントの基本じゃ。

アユム アユム

成人ナースから小児・新生児に配属されると基準値で戸惑いそうです。

博士 博士

だから国試では繰り返し出題される。基準値は丸暗記ではなく、なぜその値になるのかのメカニズムも併せて理解しておくと応用が効くのじゃ。

POINT

新生児のバイタルサイン基準値は、体温36.5〜37.5℃、心拍数110〜160回/分、呼吸数40〜60回/分と成人とは大きく異なります。本問の呼吸数70回/分は明らかな頻呼吸で、新生児一過性多呼吸・呼吸窮迫症候群・感染・先天性心疾患などの鑑別が必要な所見です。体温・心拍数・排泄回数はいずれも正常範囲内で、出生体重から3%の生理的体重減少も正常経過に該当します。新生児アセスメントでは基準値の暗記だけでなく、バイタルの意味と鑑別疾患を関連づけて理解することが重要です。小児・母性看護の頻出基礎として確実に押さえておきたい問題です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300g、身長48.5cm。生後1日の体重は3,200g。バイタルサインは腋窩温37.2℃、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。 児の状態で正常から逸脱しているのはどれか。

解説:正解は 2 です。正期産新生児の呼吸数の正常範囲は40〜60回/分である。70回/分は明らかに正常範囲を超えており、頻呼吸(tachypnea)と判断される。新生児の頻呼吸は新生児一過性多呼吸(TTN)、呼吸窮迫症候群(RDS)、感染、先天性心疾患、気胸などの鑑別が必要で、経過観察および医師への報告が求められる。

選択肢考察

  1. × 1.  体温

    新生児の腋窩温の基準は36.5〜37.5℃。37.2℃は正常範囲内である。

  2. 2.  呼吸数

    新生児の呼吸数の基準は40〜60回/分。70回/分は正常上限を超え頻呼吸に該当する。

  3. × 3.  心拍数

    新生児の心拍数の基準は110〜160回/分(覚醒時)。130回/分は正常範囲内。

  4. × 4.  排尿回数

    生後24時間以内に初回排尿がみられれば正常。1回の排尿は問題ない。

  5. × 5.  排便回数

    生後24時間以内の胎便排泄が正常。1回の排便は正常範囲内。

新生児のバイタルサイン基準値:体温(腋窩)36.5〜37.5℃、心拍数110〜160回/分(覚醒時)、呼吸数40〜60回/分、血圧は収縮期60〜80mmHg程度。生後24時間以内の初回排尿・排便は正常所見の重要指標で、初回排尿がないと腎・尿路の奇形を、初回排便(胎便)がないと鎖肛・ヒルシュスプルング病などを疑う。生理的体重減少は出生体重の3〜10%以内、生後3〜4日で最大、7〜10日で出生体重に戻るのが通常の経過。頻呼吸では新生児一過性多呼吸(TTN)が最も頻度が高く、肺水の吸収遅延により起こり、多くは数時間〜数日で改善する。

新生児のバイタルサインの正常値を正確に覚えているかを問う基礎問題。成人や小児とは基準値が大きく違う点に注意。