小児医療の課題と対応の正しい組合せ
看護師国家試験 第104回 午後 第80問 / 小児看護学 / 子どもと家族を取り巻く環境
国試問題にチャレンジ
小児医療に関する課題とその対応の組合せで正しいのはどれか。
- 1.低出生体重児の増加 ―――――――――― 人工乳による哺育の推進
- 2.育児不安が強い親の増加 ―――――――― 子どもの自立支援
- 3.障害児の在宅医療のニーズの増加 ―――― レスパイトケアの充実
- 4.小児救急医療を受診する子どもの増加 ―― ドクターカーの充実
- 5.成人になった小児慢性疾患患者の増加 ―― 親の意思決定の支援
対話形式の解説
博士
今日は小児医療の課題と対応のマッチング問題じゃ。
アユム
色々な課題が並んでいますね。
博士
選択肢1、低出生体重児増加に人工乳推進はどうじゃ?
アユム
原因は喫煙や妊婦のやせですから人工乳推進は的外れですね。
博士
母乳の方がむしろ望ましい。
アユム
選択肢2の育児不安に子どもの自立支援は?
博士
これも合わぬ。親への相談・教育や仲間づくりが対応じゃ。
アユム
健やか親子21にも記載されていますね。
博士
選択肢3、在宅医療ニーズ増加にレスパイトケア充実は?
アユム
これは合っています。家族の休息支援ですね。
博士
その通り。短期入所や日中預かりが代表例じゃ。
アユム
医療的ケア児支援法でも家族支援が柱でしたね。
博士
選択肢4、小児救急受診増加にドクターカー?
アユム
ドクターカーは重症搬送用ですから、受診増加対応とは違いますね。
博士
♯8000の電話相談などが直接の対策じゃ。
アユム
選択肢5の成人移行に親の意思決定支援は。
博士
成人なら本人の意思決定が中心じゃ。トランジション医療の核心じゃ。
アユム
選択肢3が正解ですね。
博士
うむ、レスパイトの意味も覚えておくとよいぞ。
POINT
小児医療の課題と対応では、それぞれの背景と目的を正しく結びつけることが重要です。在宅医療ニーズの増加には介護者の休息を支えるレスパイトケアの充実が直接の対応となります。低出生体重児や育児不安、小児救急、成人移行医療には、それぞれ別の制度・支援が必要であり、医療的ケア児支援法やトランジション医療の流れも押さえておきましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:小児医療に関する課題とその対応の組合せで正しいのはどれか。
解説:正解は3です。在宅で重症心身障害児や医療的ケア児を介護する家族の負担は極めて大きく、レスパイトケア(短期入所や日中預かりで介護者が休息できる支援)の充実が不可欠です。在宅医療ニーズ増加への直接的な対応となります。
選択肢考察
-
× 1. 低出生体重児の増加 ―――――――――― 人工乳による哺育の推進
低出生体重児増加の背景には妊婦の喫煙・やせ・高齢妊娠などがあり、人工乳推進は対策になりません。母乳栄養はむしろ感染防御や愛着形成に有用です。
-
× 2. 育児不安が強い親の増加 ―――――――― 子どもの自立支援
育児不安への対応は、親への相談・教育・仲間づくりや健やか親子21に基づく支援であり、子どもの自立支援とは結びつきません。
-
○ 3. 障害児の在宅医療のニーズの増加 ―――― レスパイトケアの充実
在宅で医療的ケアを担う家族の疲弊を防ぐため、短期入所やデイサービスなどレスパイトケアを充実させることが直接的かつ効果的な対応です。
-
× 4. 小児救急医療を受診する子どもの増加 ―― ドクターカーの充実
受診増加への対応は小児科医・救急医療体制の整備や♯8000など電話相談の普及であり、ドクターカー(重症患者搬送用)の充実とは目的が異なります。
-
× 5. 成人になった小児慢性疾患患者の増加 ―― 親の意思決定の支援
成人移行期医療(トランジション)の課題は本人の自立と意思決定支援であり、親の意思決定支援ではなく本人中心の支援が求められます。
レスパイトケアは介護者の休息(respite=一時的休止)を意味し、医療型短期入所、日中一時支援、訪問看護の長時間ケアなどで提供されます。医療的ケア児支援法(2021年)でも、家族支援の柱として位置づけられています。
現代の小児医療における主要課題と、それぞれに適切な制度・サービスのマッチングを問う問題です。
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