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児童虐待防止法と通告義務

看護師国家試験 第113回 午前 第58問 / 小児看護学 / 子どもと家族を取り巻く環境

国試問題にチャレンジ

113回 午前 第58問

児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)に基づいて行う通告で正しいのはどれか。

  1. 1.警察に通告する。
  2. 2.守秘義務の遵守が優先される。
  3. 3.通告にあたっては児童自身の意思を尊重することが規定されている。
  4. 4.児童が同居している家庭における配偶者に対する暴力は通告の対象となる。

対話形式の解説

博士 博士

児童虐待を疑ったときの対応について整理するのじゃ。

アユム アユム

まず通告先はどこですか?

博士 博士

市町村・都道府県の福祉事務所か児童相談所じゃ。警察が第一義的ではないぞ。

アユム アユム

守秘義務との関係はどうなりますか?

博士 博士

通告義務が優先されるのじゃ。守秘義務違反にならないと法律で明記されておる。

アユム アユム

児童本人の同意が必要ということはないんですね。

博士 博士

うむ、疑いの段階で速やかに通告するのが義務じゃ。

アユム アユム

面前DVも通告対象になるんですか?

博士 博士

そうじゃ、2004年の改正で心理的虐待として明文化されたのじゃ。

アユム アユム

子どもが暴力を目撃するだけで心に深い傷が残りますからね。

博士 博士

その通りじゃ。虐待は身体的・性的・ネグレクト・心理的の4類型じゃな。

アユム アユム

医療機関でも通告は義務ですか?

博士 博士

もちろんじゃ。匿名通告も可能で、通告者は守られるぞ。

アユム アユム

確証がなくても通告していいんですね。

博士 博士

確証を待っていては遅くなる。疑いの段階で通告するのが鉄則じゃ。

アユム アユム

子どもの安全が最優先ということですね。

POINT

児童虐待防止法では通告先を福祉事務所・児童相談所と定め、守秘義務より通告義務が優先されます。通告は児童本人の同意を要さず、疑いの段階で実施する義務があります。面前DVは心理的虐待に該当し、明文で通告対象です。医療従事者は虐待の4類型を理解し、匿名通告も活用しながら子どもの安全を最優先に迅速対応する姿勢が求められます。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)に基づいて行う通告で正しいのはどれか。

解説:正解は4です。児童虐待防止法第2条では、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(いわゆる面前DV)を児童への心理的虐待と位置づけており、通告の対象となります。

選択肢考察

  1. × 1.  警察に通告する。

    児童虐待防止法第6条では、虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、市町村・都道府県の福祉事務所または児童相談所に通告しなければならないと定めています。警察は緊急時の通報先ではありますが、法律上の第一義的な通告先ではありません。

  2. × 2.  守秘義務の遵守が優先される。

    児童虐待防止法第6条第3項により、通告義務は刑法の秘密漏示罪や守秘義務規定に抵触しないことが明記されており、通告が守秘義務に優先します。児童の安全確保が最優先となります。

  3. × 3.  通告にあたっては児童自身の意思を尊重することが規定されている。

    通告は虐待を受けたと「思われる」段階で義務が生じ、児童本人の同意や意思の有無にかかわらず速やかに行う必要があります。児童の意思尊重規定は通告要件として設けられていません。

  4. 4.  児童が同居している家庭における配偶者に対する暴力は通告の対象となる。

    児童虐待防止法第2条第4号で、配偶者間暴力を目撃させることは児童への心理的虐待と定義されています。面前DVは児童の心身に深刻な影響を及ぼすため、通告対象として明示されており正解です。

児童虐待は身体的虐待・性的虐待・ネグレクト・心理的虐待の4類型に分類されます。面前DVは心理的虐待に該当し、2004年の改正で明文化されました。通告は匿名でも可能で、通告者の情報は守られます。医療者は「疑い」の段階で通告する義務があり、虐待の確証がなくても児童の安全確保のため早期対応が求められます。

児童虐待防止法の通告先・通告義務の優先順位・心理的虐待としての面前DVの位置づけといった法令の要点を正確に理解しているかを問う問題です。