児童相談所の役割を徹底整理!誰が設置して、何の相談を受けるのか
看護師国家試験 第106回 午前 第83問 / 小児看護学 / 子どもと家族を取り巻く環境
国試問題にチャレンジ
児童相談所について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1.国が設置する。
- 2.児童福祉司が配置されている。
- 3.母親を一時保護する機能を持つ。
- 4.知的障害に関する相談を受ける。
- 5.児童の保健について正しい衛生知識の普及を図る。
対話形式の解説
博士
今日は児童相談所についてじゃ。児童虐待のニュースでよく聞く機関じゃが、実際何をしているか知っているかの?
サクラ
虐待を受けた子どもを保護する場所…というイメージです。でも詳しくは知らないかも。
博士
うむ。児童相談所は児童福祉法第12条に基づいて設置される児童福祉の専門機関じゃ。設置するのは都道府県と政令指定都市、それに中核市や特別区も設置できる。国ではないぞ。
サクラ
じゃあ選択肢1の「国が設置する」は×ですね。都道府県と政令指定都市が主体なんだ。
博士
その通り。次に配置されている職員じゃが、中心になるのが「児童福祉司」。これは児童福祉法に定められた専門職で、相談・調査・指導を担当する。
サクラ
選択肢2の児童福祉司は正解ですね。他にどんな職員がいるんですか?
博士
児童心理司、医師、保健師、弁護士、児童指導員などじゃ。多職種で子どもを支える体制じゃな。
サクラ
選択肢3の「母親を一時保護する機能」はどうですか?
博士
これは×じゃ。児童相談所の一時保護の対象はあくまで児童、つまり18歳未満の子どもじゃ。DV被害を受けた母親の一時保護は「婦人相談所」や「配偶者暴力相談支援センター」が担当する。
サクラ
なるほど、機関の役割分担が重要なんですね。
博士
そうじゃ。選択肢4「知的障害に関する相談を受ける」はどう思う?
サクラ
児童相談所って虐待のイメージが強いから、知的障害も扱うのか不安です。
博士
実は扱うんじゃ。児童相談所の相談区分には「心身障害相談」があって、知的障害・発達障害・肢体不自由などを含む。療育手帳の判定業務も児童相談所が行うんじゃよ。
サクラ
へえ、療育手帳の判定まで!じゃあ正解は2と4ですね。
博士
その通り。では選択肢5「児童の保健について正しい衛生知識の普及」は誰の仕事かな?
サクラ
あっ、衛生知識の普及は保健所ですよね!地域保健法で決められていた気がします。
博士
素晴らしい。正解じゃ。児童相談所は「福祉」の専門機関、保健所は「保健・衛生」の専門機関、と役割がきっちり分かれておる。
サクラ
児童相談所が受ける相談の種類を整理しておきたいです。
博士
5つに分類されるぞ。①養護相談、②保健相談、③心身障害相談、④非行相談、⑤育成相談。特に養護相談の中には虐待相談があって、近年急増しておる。2022年度には全国で約22万件じゃ。
サクラ
22万件!そんなに多いんですか。看護師として何ができますか?
博士
病院で虐待を疑った場合、児童相談所への通告義務がある。これは守秘義務より優先されるんじゃ。児童虐待防止法に基づく通告は、看護師が児童を守る重要な役割なのじゃ。
POINT
児童相談所は児童福祉法第12条に基づき、都道府県および政令指定都市に設置が義務付けられた児童福祉の専門機関で、0〜17歳の児童に関する養護・保健・心身障害・非行・育成の5区分の相談に応じます。児童福祉司や児童心理司などの専門職が配置され、相談・調査・判定・指導・一時保護、療育手帳の判定などを行います。児童を対象とする機関であり、母親のDV被害対応は婦人相談所、衛生知識の普及は保健所と、機関ごとの役割分担を正確に理解することが重要です。近年は児童虐待相談対応件数が急増しており、看護師にも児童虐待防止法に基づく通告義務があることを踏まえ、地域の要保護児童対策地域協議会との連携を意識した支援が求められます。
解答・解説
正解は 2 ・ 4 です
問題文:児童相談所について正しいのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 2 と 4 です。児童相談所は児童福祉法第12条に基づき、都道府県および政令指定都市に設置が義務付けられている児童福祉の専門機関である(中核市・特別区でも設置可)。0歳から17歳までの児童に関する相談に応じ、必要な調査・判定・指導・一時保護を行う。職員として児童福祉司・児童心理司・医師・保健師などが配置され、相談内容は養護相談・保健相談・心身障害相談(知的障害を含む)・非行相談・育成相談の5つに大きく分類される。
選択肢考察
-
× 1. 国が設置する。
設置主体は国ではなく、都道府県および政令指定都市である(中核市・特別区でも設置可能)。国の機関ではない。
-
○ 2. 児童福祉司が配置されている。
児童福祉司は児童福祉法に定められた専門職で、すべての児童相談所に配置が義務付けられている。児童や保護者からの相談に応じ、必要な調査・指導を行う中核的な職員である。
-
× 3. 母親を一時保護する機能を持つ。
児童相談所の一時保護の対象は児童であり、母親ではない。DV被害を受けた母親の一時保護は婦人相談所(女性相談支援センター)や配偶者暴力相談支援センターが担う。
-
○ 4. 知的障害に関する相談を受ける。
児童相談所は心身障害相談として知的障害・発達障害・肢体不自由などの相談を受け、療育手帳の判定業務も行う。18歳未満の知的障害相談は児童相談所の重要な業務である。
-
× 5. 児童の保健について正しい衛生知識の普及を図る。
児童の保健に関する衛生知識の普及は保健所・保健センターの役割である(地域保健法)。児童相談所の主業務は児童福祉の専門相談・判定・一時保護である。
児童相談所の相談区分は、①養護相談(虐待、保護者の病気・死亡・離婚など)、②保健相談(未熟児、虚弱児)、③心身障害相談(知的障害・発達障害・肢体不自由)、④非行相談(触法行為、虞犯行為)、⑤育成相談(しつけ、不登校)の5つに分かれる。近年は児童虐待相談対応件数が増加しており、2022年度には全国で約22万件に達した。2016年児童福祉法改正で「子どもの権利」が明確化され、市町村・児童相談所・要保護児童対策地域協議会の連携強化が進んでいる。
児童相談所の設置主体、配置職員、取り扱う相談の種類を正確に理解しているかを問う問題。保健所との役割分担も押さえておきたい。
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