幼児(1〜4歳)の死因の変遷
看護師国家試験 第107回 午前 第77問 / 小児看護学 / 子どもと家族を取り巻く環境
国試問題にチャレンジ
平成26年( 2014年 )の人口動態統計において、1~4歳の死因で最も多いのはどれか。
- 1.肺炎( pneumonia )
- 2.心疾患( heart diseases )
- 3.悪性新生物( malignant neoplasms )
- 4.不慮の事故
- 5.先天奇形、変形及び染色体異常
対話形式の解説
博士
今回は平成26年の1〜4歳児の死因第1位を問う問題じゃ。
サクラ
子どもの死因は年齢階級によって違うんですよね。
博士
その通り。0歳、1〜4歳、5〜14歳で上位の死因は異なる。
サクラ
0歳はどんな死因が多いですか。
博士
0歳は先天奇形・変形及び染色体異常、周産期に特異的な呼吸障害、SIDS(乳幼児突然死症候群)などが上位じゃ。
サクラ
1〜4歳はいかがでしょうか。
博士
以前は長年「不慮の事故」が第1位じゃった。交通事故、溺水、窒息、転落などが多かったのじゃ。
サクラ
それが変わったんですか。
博士
そうじゃ。平成21年(2009年)から「先天奇形、変形及び染色体異常」が第1位になったのじゃ。
サクラ
なぜ不慮の事故が減ったんでしょう。
博士
チャイルドシート着用の義務化、浴室や台所の安全対策、窓やベランダの転落防止、誤飲防止の製品設計、養育者への安全教育など、事故予防の取り組みが進んだためじゃ。
サクラ
つまり不慮の事故が相対的に減った結果、先天奇形が1位になったんですね。
博士
その通り。先天奇形や染色体異常は医療の進歩で乳児期を乗り越える例が増えた一方、重症例では1〜4歳期の死亡につながるため、依然として重要な死因として残っておる。
サクラ
平成26年の順位を整理すると、第1位が先天奇形、第2位が不慮の事故、第3位が悪性新生物ですね。
博士
その通りじゃ。第4位以下は肺炎や心疾患が続く。
サクラ
小児がんはどんなものが多いんですか。
博士
白血病が最多で、脳腫瘍、神経芽腫、悪性リンパ腫などが続く。1〜4歳でも重要な死因じゃ。
サクラ
5〜14歳の死因はどうなっていますか。
博士
悪性新生物、不慮の事故、自殺などが上位になる。年齢が上がると自殺の比重が増えるのが特徴じゃ。
サクラ
15〜39歳では自殺が第1位ですよね。
博士
そうじゃ。日本の若年層の自殺の多さは国際的にも問題視されておる。
サクラ
年齢階級別の死因を整理して覚えておくと国家試験でよく出ますね。
博士
その通り。特に1〜4歳=先天奇形、若年層=自殺、高齢者=悪性新生物・心疾患・老衰と押さえるとよいぞ。
サクラ
統計問題は最新データの傾向も知っておくと安心ですね。
POINT
1〜4歳児の死因は長年「不慮の事故」が第1位でしたが、事故予防の普及により平成21年以降は「先天奇形、変形及び染色体異常」が第1位となりました。平成26年の統計でも先天奇形が1位、不慮の事故が2位、悪性新生物が3位の順です。年齢階級によって上位死因が大きく異なる点が人口動態統計の学習のポイントで、0歳=先天奇形・周産期疾患、1〜4歳=先天奇形、若年層=自殺という流れを押さえておきましょう。
解答・解説
正解は 5 です
問題文:平成26年( 2014年 )の人口動態統計において、1~4歳の死因で最も多いのはどれか。
解説:正解は5です。わが国の1〜4歳児の死因は長年にわたり「不慮の事故」が第1位でしたが、事故防止対策の普及(チャイルドシート義務化、製品安全対策、水まわり事故予防教育など)や生活環境の改善により、不慮の事故による死亡は大きく減少しました。その結果、平成21年(2009年)以降は「先天奇形、変形及び染色体異常」が1〜4歳の死因第1位となっています。平成26年(2014年)も同様に、第1位が先天奇形・変形及び染色体異常、第2位が不慮の事故、第3位が悪性新生物という順位でした。先天性疾患は出生直後〜乳幼児期に診断されて経過を追うことが多く、医療の進歩で乳児期を乗り越えても重症例では1〜4歳期の死亡につながるため、依然として重要な死因となっています。
選択肢考察
-
× 1. 肺炎( pneumonia )
肺炎は1〜4歳の死因としては上位ではなく、平成26年ではおおむね第4〜5位程度です。
-
× 2. 心疾患( heart diseases )
心疾患は1〜4歳の死因としては下位で、平成26年の統計では上位には入っていません。
-
× 3. 悪性新生物( malignant neoplasms )
白血病や脳腫瘍など小児がんは重要な死因ですが、平成26年の1〜4歳死因では第3位です。
-
× 4. 不慮の事故
かつて第1位でしたが事故対策の進歩により減少し、平成26年は第2位となっています。
-
○ 5. 先天奇形、変形及び染色体異常
平成21年以降、1〜4歳の死因第1位を占めています。先天性心疾患や染色体異常症などが含まれます。
年齢階級別死因の特徴として、0歳は先天奇形・呼吸障害・SIDSなどが上位、1〜4歳は先天奇形が1位、5〜14歳は悪性新生物や不慮の事故、15〜39歳は自殺が1位となる点を整理しましょう。
1〜4歳児の死因第1位の変遷を問う問題。事故死の減少と先天奇形の相対的上位化という背景を理解しましょう。
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