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3歳児の採血で大切なプレパレーション

看護師国家試験 第103回 午後 第59問 / 小児看護学 / 検査・処置を受ける子どもと家族への看護

国試問題にチャレンジ

103回 午後 第59問

Aちゃん(3歳、女児)は母親とともに小児科外来を受診した。診察の結果、Aちゃんは血液検査が必要と判断され、処置室で採血を行うことになった。 看護師の対応で適切なのはどれか。

  1. 1.処置前、母親ひとりに採血の説明をする。
  2. 2.坐位で行うか仰臥位で行うかをAちゃんに選ばせる。
  3. 3.注射器に血液の逆流が見られた時に「終わったよ」とAちゃんに伝える。
  4. 4.処置後、Aちゃんと採血について話さないようにする。

対話形式の解説

博士 博士

じゃこ博士じゃ。今日は3歳の女の子Aちゃんが採血を受ける場面の看護じゃぞ。

サクラ サクラ

3歳児への説明って難しそうですね。どこまで理解できるんでしょうか?

博士 博士

ピアジェの発達段階で3歳は前操作期じゃ。論理的思考はまだじゃが、絵本や人形を使えば十分理解できるのじゃ。プレパレーションの考え方が重要じゃぞ。

サクラ サクラ

プレパレーションって何ですか?

博士 博士

処置による心理的混乱を最小限にし、子どもが主体的に対処できるよう支援する関わりじゃ。事前準備、処置中、処置後の3段階で行うのじゃよ。

サクラ サクラ

選択肢を見ていきましょう。

博士 博士

正解は2の「坐位か仰臥位かをAちゃんに選ばせる」じゃ。選択肢を与えることで自己決定感が生まれ、主体的な参加につながるのじゃ。

サクラ サクラ

1の「母親ひとりに説明」は?

博士 博士

これは誤りじゃ。3歳児にも説明を受ける権利があるからのう。子どもの権利条約にも明記されているのじゃ。

サクラ サクラ

3の「血液逆流時に終わったと伝える」は?

博士 博士

逆血確認の段階ではまだ針が刺入されておるのじゃ。「終わったよ」と言うと子どもが動いてしまい、針損傷や採血失敗の原因になるからのう。完了告知は抜針後じゃ。

サクラ サクラ

4の「処置後に話さない」は?

博士 博士

これも誤りじゃ。処置後は頑張りを認めて褒めることが大切じゃ。成功体験となって次回以降の処置への対応力につながるのじゃ。

サクラ サクラ

プレパレーションの3段階を教えてください。

博士 博士

事前準備のプレパレーション、処置中の気そらしのディストラクション、処置後の振り返りのポストパレーションじゃ。3つそろって完成するのじゃよ。

サクラ サクラ

3歳児に有効な工夫は?

博士 博士

人形やぬいぐるみのロールプレイ、絵本、シールやスタンプのごほうび、処置後の褒め言葉などじゃ。母親の同席も安心感を与えるから推奨じゃ。

サクラ サクラ

子どもの権利を尊重した関わりが基本ですね。

博士 博士

その通りじゃ。子どもも一人の人間として、年齢に応じた説明と選択の機会を保障するのが小児看護の基本じゃぞ。

POINT

プレパレーションは小児が処置を理解し主体的に対処できるよう支援する関わりで、3歳児にも発達段階に応じた説明と選択の機会提供が重要です。坐位か仰臥位かを選ばせることは自己決定感を高め恐怖心を軽減します。完了告知は抜針後に行い、処置後は頑張りを認めて振り返ることで成功体験につなげます。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:Aちゃん(3歳、女児)は母親とともに小児科外来を受診した。診察の結果、Aちゃんは血液検査が必要と判断され、処置室で採血を行うことになった。 看護師の対応で適切なのはどれか。

解説:正解は 2 です。小児医療では子どもが処置を理解し主体的に対処できるよう支援する「プレパレーション」の考え方が重視されます。3歳児は前操作期にあり、絵本や人形を使った発達段階に応じた説明を行い、可能な範囲で選択肢を提示して自己決定の機会を与えることが、恐怖心の軽減と協力的態度の引き出しに有効です。坐位か仰臥位かを子どもに選ばせるのは、子どもが処置に主体的に参加できる関わりとして適切です。

選択肢考察

  1. × 1.  処置前、母親ひとりに採血の説明をする。

    3歳児にも子どもの権利条約に基づく説明を受ける権利があり、発達段階に応じた説明を本人にも行う必要があります。母親のみへの説明は不適切です。

  2. 2.  坐位で行うか仰臥位で行うかをAちゃんに選ばせる。

    選択肢を提示して子ども自身に選ばせることはディストラクションと自己効力感を高める働きがあり、プレパレーションの基本姿勢として適切です。

  3. × 3.  注射器に血液の逆流が見られた時に「終わったよ」とAちゃんに伝える。

    逆血確認の段階ではまだ針が刺入されており、終わったと伝えると体動を誘発し針損傷や採血失敗の原因となります。終了は抜針後に伝えます。

  4. × 4.  処置後、Aちゃんと採血について話さないようにする。

    処置後は頑張りを認めて褒め、振り返りの機会を持つことが成功体験となり、次回以降の処置への対応力や成長発達につながります。

プレパレーションには「プレパレーション(事前準備)」「ディストラクション(処置中の気そらし)」「ポストパレーション(処置後の振り返り)」の3段階があります。3歳児には人形やぬいぐるみを使ったロールプレイ、絵本、シールやスタンプによるごほうび、処置後の頑張りを認める声かけが有効です。母親の同席は安心感をもたらすため可能な限り推奨されます。

小児への医療処置におけるプレパレーションの理念と具体的関わり方を問う問題です。本人への説明、選択の機会提供、適切なタイミングでの完了告知、処置後の振り返りが4つの柱です。