精神保健の予防段階を見分ける
看護師国家試験 第107回 午後 第57問 / 精神看護学 / 精神保健の基本
国試問題にチャレンジ
精神保健活動における二次予防に該当するのはどれか。
- 1.地域の子育てサークルへの支援
- 2.休職中のうつ病患者( depression )への復職支援
- 3.企業内でのメンタルヘルス講座の開催
- 4.学校を長期間欠席している児童への家庭訪問
対話形式の解説
博士
今日は予防の三段階を復習しよう。
サクラ
一次、二次、三次の違いがいつも曖昧です。
博士
シンプルに『発症前、発症直後、回復期』と分けると整理しやすい。
サクラ
一次予防は発症前の人が対象ですね。
博士
そうじゃ。健康教育やワクチン、生活指導がこれにあたる。
サクラ
子育てサークルの支援はどこですか。
博士
子育て中の健康な親を支える活動じゃから一次予防じゃ。
サクラ
企業のメンタルヘルス講座も同じですか。
博士
うむ。全従業員を対象とした啓発だから一次予防に入る。
サクラ
二次予防は早期発見ですよね。
博士
そうじゃ。不調の兆しを見つけて早く治療につなげる。
サクラ
長期欠席児への家庭訪問はどうしてそこなんですか。
博士
不登校の背後に抑うつや不安障害が隠れていることが多い。訪問で拾い上げるのじゃ。
サクラ
ストレスチェックも二次予防ですか。
博士
その通り。高ストレス者に面接を勧奨して早期介入する。
サクラ
三次予防はどんな活動ですか。
博士
復職支援、SST、精神科デイケアなど、回復期に社会復帰と再発予防を目指すものじゃ。
サクラ
うつ病休職者の復職支援は三次予防なんですね。
博士
そうじゃ。同じ『支援』でも対象と目的で分類が変わるぞ。
POINT
精神保健の予防は、発症予防を目指す一次予防、早期発見・早期治療の二次予防、社会復帰・再発防止の三次予防に分かれます。子育てサークルや企業講座は健康教育として一次予防、長期欠席児への家庭訪問は徴候の早期発見として二次予防、復職支援はリハビリテーションとして三次予防に該当します。対象者の状態と目的で段階を見分けることが重要です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:精神保健活動における二次予防に該当するのはどれか。
解説:正解は4です。長期欠席児童への家庭訪問は、精神的不調や不登校の早期発見・早期対応を目的とする活動であり、二次予防に該当します。
選択肢考察
-
× 1. 地域の子育てサークルへの支援
健康な親子を対象に育児ストレスの軽減や孤立予防を図る健康増進活動であり、精神障害の発症を未然に防ぐ一次予防です。
-
× 2. 休職中のうつ病患者( depression )への復職支援
すでに発症した患者の社会復帰・再発防止を目的とするリハビリテーションであり、三次予防に分類されます。
-
× 3. 企業内でのメンタルヘルス講座の開催
全従業員を対象に知識普及とストレス対処スキル習得を図る健康教育であり、発症予防を目的とする一次予防です。
-
○ 4. 学校を長期間欠席している児童への家庭訪問
長期欠席という徴候から潜在する精神的不調を早期に発見し、必要な治療や支援に結びつけることを目指す二次予防です。
予防の3段階は『発症予防・早期発見早期治療・リハビリ』と覚えます。一次予防には健康教育・予防接種・生活習慣改善が含まれ、二次予防はストレスチェック・検診・スクリーニング面接、三次予防は復職支援・社会生活技能訓練(SST)・デイケアなどが該当します。同じ『訪問』でも、健康な人への啓発は一次、不調が疑われる人への介入は二次、回復期の継続支援は三次となります。
二次予防は症状や徴候のある対象を早期発見し早期治療につなげる活動で、長期欠席児への家庭訪問が典型例です。復職支援は三次予防、講座や子育て支援は一次予防に分類されます。
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