精神保健指定医の役割を整理する
看護師国家試験 第110回 午前 第63問 / 精神看護学 / 精神保健医療福祉の変遷と法・施策
国試問題にチャレンジ
精神保健指定医について正しいのはどれか。
- 1.医療法で規定されている。
- 2.都道府県知事が指定する。
- 3.障害年金の支給判定を行う。
- 4.精神科病院入院患者の行動制限にかかわる医学的判定を行う。
対話形式の解説
博士
今回は精神保健指定医の問題じゃ。根拠法は何かの
サクラ
精神保健福祉法ですよね。第18条に規定されています
博士
うむ。医療法は病院や診療所の開設基準、医師・看護師の配置基準を定めた法律で別物じゃ
サクラ
選択肢1は誤りということですね。では指定するのは誰ですか
博士
厚生労働大臣じゃ。都道府県知事ではないぞ
サクラ
要件は5年以上の臨床経験、3年以上の精神科実務経験と所定の症例レポート、研修修了でしたね
博士
よく覚えておる。指定後も5年ごとに更新研修が必要じゃ
サクラ
障害年金の支給判定はどうですか
博士
それは日本年金機構の業務じゃ。主治医は診断書を書くが判定はしない。ゆえに選択肢3も誤りじゃな
サクラ
では法定業務の中心は
博士
医療保護入院や措置入院の要否判定、応急入院の判定、12時間超の隔離・身体的拘束の要否判定、任意入院患者の退院制限などじゃ
サクラ
行動制限にかかわる医学的判定ですね。選択肢4が正解ですね
博士
そのとおり。人権制限を伴うため特別な資格を持つ医師に限定されておるのじゃ
サクラ
看護師は拘束中の観察や記録でどう動けばよいですか
博士
少なくとも4時間ごとの観察、バイタル、皮膚、循環、排泄、苦痛の有無を確認する。最小限の時間で解除できるか常に検討するのじゃ
サクラ
記録も裁判で証拠になるので必須ですね
博士
うむ。2022年改正で医療保護入院の入院期間更新や家族等同意の扱いも変わったから合わせて押さえるのじゃ
POINT
精神保健指定医は精神保健福祉法に基づき厚生労働大臣が指定する医師で、医療保護入院や措置入院の要否、隔離や身体的拘束など行動制限の可否を判定する職務を担います。医療法や都道府県知事、障害年金判定は誤りです。看護師は指定医の指示のもと、観察と記録で人権擁護と安全を両立させます。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:精神保健指定医について正しいのはどれか。
解説:正解は4「精神科病院入院患者の行動制限にかかわる医学的判定を行う」です。精神保健指定医は精神保健福祉法で定められた国家資格で、厚生労働大臣が指定します。医療保護入院や措置入院の要否、12時間を超える隔離や身体拘束など行動制限の可否を判定する権限と責務を負います。
選択肢考察
-
× 1. 医療法で規定されている。
精神保健指定医は医療法ではなく、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)第18条に規定されています。医療法は病院開設や医療従事者の配置基準などを定める法律で、別物です。
-
× 2. 都道府県知事が指定する。
指定の権限は厚生労働大臣にあります。5年以上の臨床経験と3年以上の精神科実務経験、所定の症例レポートと研修修了を要件に指定され、指定後も5年ごとに研修受講義務があります。
-
× 3. 障害年金の支給判定を行う。
障害年金の診断書作成は主治医が行いますが、支給の可否判定は日本年金機構が実施します。精神保健指定医の法定業務には含まれません。
-
○ 4. 精神科病院入院患者の行動制限にかかわる医学的判定を行う。
医療保護入院・措置入院・応急入院の要否判断、12時間を超える隔離や身体的拘束の要否、任意入院者の退院制限などの判定は精神保健指定医の職務です。患者の人権と治療の両立を図る重要な役割を担います。
身体拘束や隔離は指定医の診察に基づき指示され、看護師は少なくとも4時間ごとの観察、バイタル・皮膚・循環の評価、最小限の時間での解除検討、診療録への記録が求められます。2022年改正で医療保護入院の入院期間更新や家族同意の扱いも整理されたので合わせて確認しておきましょう。
精神保健指定医の根拠法・指定者・法定業務を正確に区別できるかを問う問題です。
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