精神障害者保健福祉手帳の効果を整理する
看護師国家試験 第113回 午後 第63問 / 精神看護学 / 精神保健医療福祉の変遷と法・施策
国試問題にチャレンジ
精神障害者保健福祉手帳の交付によって精神障害者に適用されるのはどれか。
- 1.行動援護の介護給付
- 2.所得税の障害者控除
- 3.自立支援医療(精神通院医療)
- 4.グループホームで必要な日常生活上の援助
対話形式の解説
博士
今日は精神障害者保健福祉手帳の制度について学ぶぞ。
サクラ
手帳があると様々な支援が受けられると聞きますが、具体的には何でしょう。
博士
大きく分けると税制上の優遇、公共料金の割引、交通機関の運賃割引、文化施設利用料の減免などじゃ。
サクラ
所得税や住民税の障害者控除もそこに含まれますね。
博士
その通り。では選択肢を見ていこう。選択肢1の行動援護はどうじゃ。
サクラ
行動援護は障害者総合支援法に基づく介護給付の一つです。手帳の有無とは別に、障害支援区分の判定で決まります。
博士
素晴らしい。選択肢2の所得税の障害者控除は。
サクラ
これは手帳交付によって直接適用される税制優遇ですね。
博士
正解。等級によっては特別障害者控除となり控除額がさらに大きくなるのじゃ。
サクラ
選択肢3の自立支援医療(精神通院医療)はどうでしょう。
博士
これも障害者総合支援法の制度で、手帳を持たなくても申請できる。継続的な通院治療が必要と判断された人が対象じゃ。
サクラ
手帳と自立支援医療は別の申請なのですね。
博士
そうじゃ。選択肢4のグループホームは。
サクラ
共同生活援助ですね。障害者総合支援法の訓練等給付で、やはり手帳の交付だけでは利用できません。
博士
その通り。手帳の効果は税制優遇や割引が中心で、福祉サービスの多くは別の法的枠組みで決まると覚えておけばよい。
サクラ
手帳は1〜3級の等級があり、初診から6か月経過後に申請できるんですよね。
博士
そうじゃ。看護職は当事者や家族が制度を活用できるよう情報提供を行う役割を担っておる。
POINT
精神障害者保健福祉手帳の交付は、所得税・住民税の障害者控除、公共料金や交通機関の割引、各種施設利用料の減免などの効果をもたらします。一方、行動援護、自立支援医療、グループホームなどのサービスは障害者総合支援法に基づく制度で、手帳の有無とは独立して支給決定されます。看護師は両制度の違いを理解し、利用者の生活を多角的に支える情報提供者となる必要があります。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:精神障害者保健福祉手帳の交付によって精神障害者に適用されるのはどれか。
解説:正解は2の「所得税の障害者控除」です。精神障害者保健福祉手帳は税制上の優遇、公共料金の割引、公共交通機関の運賃割引などに活用される制度で、所得税および住民税の障害者控除の適用がその代表的な効果です。
選択肢考察
-
× 1. 行動援護の介護給付
行動援護は障害者総合支援法に基づく介護給付であり、知的障害や精神障害により行動上著しい困難がある人が対象です。手帳の有無とは直接関係しません。
-
○ 2. 所得税の障害者控除
精神障害者保健福祉手帳の交付により、所得税・住民税における障害者控除が適用され、税負担が軽減されます。手帳の等級により特別障害者控除となる場合もあります。
-
× 3. 自立支援医療(精神通院医療)
自立支援医療は障害者総合支援法に基づく制度で、手帳を所持していなくても通院医療が継続して必要と認められれば利用可能です。手帳交付が要件ではありません。
-
× 4. グループホームで必要な日常生活上の援助
グループホーム(共同生活援助)は障害者総合支援法の訓練等給付であり、支給決定は障害支援区分などに基づくもので、手帳の交付自体が適用条件ではありません。
精神障害者保健福祉手帳は1〜3級の等級があり、精神疾患により長期にわたり日常生活や社会生活に制約がある人が対象です。初診から6か月経過後に申請できます。効果として、所得税・住民税の障害者控除、相続税の控除、NHK受信料減免、公共料金や携帯料金の割引、公共交通機関の運賃割引、文化施設の利用料減免などがあります。一方、障害福祉サービスや自立支援医療は障害者総合支援法の枠組みで別途支給決定が必要です。
精神障害者保健福祉手帳の制度的効果と、障害者総合支援法に基づくサービスとの違いを区別できるかを問う問題です。
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