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精神科病棟の隠れた主役!退院後生活環境相談員ってなにする人?

看護師国家試験 第114回 午後 第70問 / 精神看護学 / 精神保健医療福祉の変遷と法・施策

国試問題にチャレンジ

114回 午後 第70問

退院後生活環境相談員について正しいのはどれか。

  1. 1.措置入院の患者に対して選任される。
  2. 2.入院3か月以上の患者が支援対象である。
  3. 3.患者が居住の場を確保できるように調整する。
  4. 4.担当できるのは精神保健福祉士と社会福祉士の2職種である。

対話形式の解説

博士 博士

今日は精神保健福祉法に出てくる「退院後生活環境相談員」じゃ。名前が長いので敬遠されがちだが、超重要なポジションじゃぞ。

アユム アユム

初めて聞きました…どんな人なんですか?

博士 博士

2013年の精神保健福祉法改正で創設された制度で、医療保護入院患者が早期に退院して地域で暮らせるよう、退院支援の旗振り役を担う者じゃ。長期入院解消が政策的な背景にある。

アユム アユム

対象は医療保護入院患者だけですか?

博士 博士

当初はそうじゃった。しかし令和4年(2022年)の改正で措置入院患者にも対象が拡大された。本問の選択肢1が「措置入院の患者に対して選任される」だけと書いていたら誤り、ということになる。

アユム アユム

選任のタイミングは?

博士 博士

入院後7日以内に、患者1人につき1人を選任することが義務付けられておる。早期退院支援が制度の趣旨だから、3か月待ってから関わるのでは遅すぎるのじゃ。

アユム アユム

選択肢2「入院3か月以上の患者が支援対象」は誤りですね。

博士 博士

その通り。早期から関わって、退院後の生活設計を一緒に組み立てるのが大事じゃ。

アユム アユム

誰が担当できるんですか?精神保健福祉士のイメージがありますが…。

博士 博士

精神保健福祉士、看護職員(保健師・看護師・准看護師)、作業療法士、社会福祉士、いずれも精神障害者に関する業務経験を有する者じゃ。

アユム アユム

看護師も担当できるんですね!

博士 博士

そうじゃ。さらに、これらの資格がなくても3年以上精神障害者やその家族と退院後の生活環境について相談・指導の業務に従事した経験があり、かつ厚生労働大臣指定の研修を修了した者も担当できる。

アユム アユム

選択肢4「精神保健福祉士と社会福祉士の2職種だけ」は誤りですね。

博士 博士

お見事。資格よりも「精神障害者の地域生活を支える経験と知識を持つ専門職」というのが本質じゃ。

アユム アユム

具体的な業務内容は何ですか?

博士 博士

入院時の支援計画作成、本人・家族との退院に向けた相談、退院支援委員会の運営、地域援助事業者との連絡調整、そして退院後の居住の場の確保じゃ。グループホーム、アパート、家族との同居、自立生活援助など、その人に合った居場所を一緒に探す。

アユム アユム

選択肢3「居住の場を確保できるように調整する」は中心業務そのものですね。

博士 博士

その通り。住まいが定まらないと地域生活は始まらん。住居確保はリカバリーや共同創造の実践土台にもなる。

アユム アユム

退院支援委員会というのは何ですか?

博士 博士

主治医、看護師、退院後生活環境相談員、地域援助事業者、本人、家族などが参加して、退院に向けた具体的な計画を話し合う場じゃ。これも改正で義務化されたものじゃよ。

アユム アユム

措置入院も対象になったということは、地域移行支援がさらに広がったんですね。

博士 博士

その通りじゃ。長期入院をなくし、地域で暮らせる仕組みを社会全体で作っていく流れの中に、この相談員制度が位置づけられておるのじゃ。

POINT

退院後生活環境相談員は、平成25年の精神保健福祉法改正で創設された制度で、医療保護入院患者が早期に退院し地域生活に移行できるよう支援する中心的役割を担います。患者1人につき1人を入院後7日以内に選任し、退院支援計画の作成、退院支援委員会の運営、地域援助事業者との連絡調整、居住の場の確保などを行います。担当できるのは精神保健福祉士、看護職員、作業療法士、社会福祉士など精神障害者支援の経験を持つ専門職に加え、3年以上の経験と指定研修修了者にも開かれています。令和4年改正では措置入院者も対象に加わり、長期入院解消と地域移行支援がいっそう推進されています。リカバリーと共同創造の理念を制度面で支える重要なポジションとして、看護師にも知っておきたいキーワードです。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:退院後生活環境相談員について正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。退院後生活環境相談員は、平成25年改正の精神保健福祉法により創設された制度で、医療保護入院患者(令和4年改正により措置入院患者も対象に追加)が可能な限り早期に退院し、地域生活へ移行できるよう、退院支援の中心的役割を担う者である。具体的には、本人・家族との退院支援相談、退院支援委員会の運営、地域援助事業者との連絡調整、退院後の居住の場の確保や生活環境の調整を行う。

選択肢考察

  1. × 1.  措置入院の患者に対して選任される。

    創設当初は医療保護入院患者のみが対象であり、令和4年改正で措置入院患者も対象に追加された。「措置入院患者のみ」が選任対象という記述としては誤りである。

  2. × 2.  入院3か月以上の患者が支援対象である。

    対象は入院期間ではなく入院形態で決まり、入院後7日以内に1人につき1人選任することが求められる。早期退院支援が制度趣旨である。

  3. 3.  患者が居住の場を確保できるように調整する。

    退院後の居住の場の確保や地域生活への移行のための環境調整は、退院後生活環境相談員の中心的業務である。

  4. × 4.  担当できるのは精神保健福祉士と社会福祉士の2職種である。

    担当できる職種は精神保健福祉士、看護職員(保健師・看護師・准看護師)、作業療法士、社会福祉士で、いずれも精神障害者に関する業務経験が必要である。さらに3年以上の精神障害者支援経験+厚労大臣指定研修修了でも担当可能となる。

退院後生活環境相談員制度は、長期入院の解消と地域生活への移行を進めるため、平成25年(2013年)の精神保健福祉法改正で創設された。医療保護入院者1人につき1人を、入院後7日以内に選任しなければならない。退院支援委員会の開催も同改正で義務化されており、本人・家族・主治医・退院後生活環境相談員・地域援助事業者などが参加する。令和4年改正では措置入院者にも適用が拡大されたほか、医療保護入院の更新手続きや「家族同意がない場合の市町村長同意」のルールも見直された。

退院後生活環境相談員の対象(医療保護入院+措置入院)、選任時期(入院後7日以内)、担当できる職種、業務内容(居住の場の確保を含む退院支援)を体系的に問う問題である。