医療保護入院における退院請求の権利者
看護師国家試験 第113回 午後 第64問 / 精神看護学 / 精神保健医療福祉の変遷と法・施策
国試問題にチャレンジ
都道府県知事に対し、精神科病院に医療保護入院となっている患者の退院請求をすることができるのはどれか。
- 1.警察官
- 2.検察官
- 3.患者本人
- 4.精神保健福祉士
対話形式の解説
博士
今日は精神保健福祉法の退院請求について学ぶぞ。
アユム
医療保護入院は本人の同意なく行われる入院形態でしたね。
博士
その通り。精神保健指定医1名の診察と家族等の同意が必要じゃ。本人の意思によらないからこそ、人権擁護の仕組みが重要になる。
アユム
具体的にはどのような仕組みがありますか。
博士
都道府県知事に対して退院請求や処遇改善請求ができ、精神医療審査会が審査する仕組みじゃ。
アユム
では選択肢を見ていきましょう。選択肢1の警察官はどうでしょう。
博士
警察官は精神保健福祉法第23条に基づく通報の権限はあるが、退院請求の権限はない。
アユム
選択肢2の検察官も同様ですね。
博士
その通り。検察官も第24条で通報義務が定められているだけで、退院請求は担えない。
アユム
選択肢3の患者本人は。
博士
本人は自分の意思で退院請求を行う権利を持っておる。これが正解じゃ。
アユム
選択肢4の精神保健福祉士は。
博士
精神保健福祉士は請求手続きをサポートする役割じゃが、本人や家族に代わって請求する権限はない。
アユム
家族等も請求できるのですよね。
博士
その通り。本人と家族等が請求権者じゃ。2023年の法改正で家族等がいない場合の扱いも整備された。
アユム
精神医療審査会ではどのような審査が行われるのですか。
博士
入院の必要性、処遇の妥当性を第三者的に評価する。構成員は精神科医療従事者、法律家、有識者などで、人権擁護の要じゃ。
アユム
看護師としても退院請求の権利を患者さんに伝え、手続きを支援する姿勢が必要ですね。
POINT
精神保健福祉法では、医療保護入院など非自発的入院中の患者の人権を守るため、患者本人と家族等が都道府県知事に退院請求・処遇改善請求を行う権利を持ちます。警察官や検察官は通報の権限はあるものの請求権はなく、精神保健福祉士は手続き支援の役割にとどまります。請求を受けた都道府県知事は精神医療審査会に諮り、入院継続の必要性や処遇の妥当性を審査します。看護師は権利行使を支える重要な存在です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:都道府県知事に対し、精神科病院に医療保護入院となっている患者の退院請求をすることができるのはどれか。
解説:正解は3の「患者本人」です。精神保健福祉法では、医療保護入院など非自発的入院中の患者の人権擁護の観点から、患者本人または家族等が都道府県知事に対し退院請求や処遇改善請求を行う権利を有すると定められています。
選択肢考察
-
× 1. 警察官
警察官は精神保健福祉法第23条により通報する権限はありますが、退院請求を行う権限は付与されていません。
-
× 2. 検察官
検察官も精神保健福祉法第24条に基づき通報を行う役割はありますが、退院請求を行う主体としては規定されていません。
-
○ 3. 患者本人
患者本人は自らの意思表示として都道府県知事に対し退院請求や処遇改善請求を行うことができ、精神医療審査会で審査されます。
-
× 4. 精神保健福祉士
精神保健福祉士は請求手続きを支援する立場にありますが、本人・家族等に代わって退院請求を行う法的権限はありません。
精神保健福祉法の入院形態は任意入院、医療保護入院、応急入院、措置入院、緊急措置入院の5種類です。このうち医療保護入院は精神保健指定医1名の診察と家族等の同意に基づき、本人の同意なく行われる非自発的入院です。患者本人および家族等は都道府県知事に対して退院請求・処遇改善請求を行うことができ、精神医療審査会がその可否を審査します。2023年の法改正により、家族等がいない場合や家族等の意思が明らかでない場合は市町村長の同意で入院できる規定も整備されています。
医療保護入院中の患者の人権擁護制度、特に退院請求権者を正確に把握しているかを問う法制度問題です。
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