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就労移行支援とは?精神障害者の一般就労を支える24か月のしくみ

看護師国家試験 第112回 午後 第64問 / 精神看護学 / 精神保健医療福祉の変遷と法・施策

国試問題にチャレンジ

112回 午後 第64問

一般の事業所や企業に就労を希望する精神障害者に対して行う支援で、24か月間を原則として就職に必要な訓練や求職活動を行うのはどれか。

  1. 1.就労移行支援
  2. 2.自立生活援助
  3. 3.ピアサポート
  4. 4.就労継続支援A型

対話形式の解説

博士 博士

今日は精神障害者の就労支援サービスを整理するぞ。キーワードは『24か月』『一般就労』『訓練』じゃ。

アユム アユム

24か月って具体的に決まっているんですね。正解はどれですか?

博士 博士

正解は1番『就労移行支援』じゃ。障害者総合支援法に基づき、一般企業等への就労を希望する65歳未満の障害者に、原則24か月以内で訓練・実習・求職活動支援を提供する。

アユム アユム

雇用契約は結ぶんですか?

博士 博士

いや、就労移行支援では雇用契約は結ばず、工賃も原則発生しない。訓練の場という位置づけじゃ。

アユム アユム

4番の就労継続支援A型との違いは?

博士 博士

A型は雇用契約を結び、最低賃金以上の賃金を支払う。一般就労が難しい人に働く場を提供する点が異なる。期間の上限もない。

アユム アユム

ということは、B型もあるんですよね?

博士 博士

うむ。就労継続支援B型は雇用契約なしで工賃を得るタイプ。年齢や体力で雇用契約が難しい方が対象じゃ。

アユム アユム

2番の自立生活援助はどういうサービスですか?

博士 博士

これは施設やグループホームから一人暮らしを始める障害者を、定期訪問や随時対応で支える生活支援。就労支援ではないぞ。

アユム アユム

3番のピアサポートは?

博士 博士

同じ障害や経験を持つ仲間同士で支え合う活動全般を指す。制度上の給付サービスの一つではなく、設問の訓練内容とは異なる。

アユム アユム

ほかに関連する就労支援はありますか?

博士 博士

2018年に創設された『就労定着支援』があるぞ。就労移行支援などを経て一般就労に移行した人を、最長3年間フォローするサービスじゃ。

アユム アユム

最近は精神障害者の雇用率制度もありますよね。

博士 博士

よく知っておるな。障害者雇用促進法で法定雇用率が定められ、2018年から精神障害者も算定対象になり、2024年度には民間企業で2.5%、2026年度には2.7%へ引き上げが決まっておる。

アユム アユム

就労支援は制度がどんどん充実しているんですね。看護師も退院支援でこれらを知っておくと役に立ちます。

博士 博士

その通りじゃ。精神科病棟や訪問看護で退院後の生活を一緒に考えるとき、就労系サービスの選択肢を提示できると利用者の安心につながる。

POINT

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく訓練等給付の一つで、一般企業への就労を希望する65歳未満の障害者に対し、原則24か月を上限に職業訓練、職場実習、求職活動支援、定着支援までを一貫して提供するサービスです。類似の制度である就労継続支援A型(雇用契約あり・最低賃金以上)、B型(雇用契約なし・工賃)、就労定着支援(就労後のフォロー最長3年)とあわせて理解することが重要です。看護師は退院支援や地域包括ケアの現場で、精神障害者が地域で働き暮らし続けるための社会資源の案内役を担います。制度の仕組みを正確に押さえ、個々のニーズに合わせた支援をつなぐ視点が求められます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:一般の事業所や企業に就労を希望する精神障害者に対して行う支援で、24か月間を原則として就職に必要な訓練や求職活動を行うのはどれか。

解説:正解は 1 です。就労移行支援は障害者総合支援法に基づく訓練等給付の一つで、一般企業等への就労を希望する65歳未満の障害者を対象に、原則24か月を上限として就労に必要な知識・能力の向上のための訓練、職場実習、求職活動の支援、就労後の定着支援を行うサービスである。

選択肢考察

  1. 1.  就労移行支援

    一般就労を目指す障害者に対し、原則24か月の利用期間内で職業訓練・職場実習・求職活動支援・職場定着支援を提供する。雇用契約は結ばず、工賃も原則発生しない。

  2. × 2.  自立生活援助

    障害者支援施設やグループホーム等から退居して一人暮らしを始める障害者を対象に、定期的な訪問と随時対応により地域生活を支える訓練等給付サービス。就労支援ではない。

  3. × 3.  ピアサポート

    同じ疾患や障害、境遇を持つ仲間(ピア)同士で経験や悩みを共有し、支え合う活動全般。制度化された障害福祉サービスの1区分ではなく、就労訓練サービスでもない。

  4. × 4.  就労継続支援A型

    一般就労が困難な障害者と事業所が雇用契約を結び、最低賃金以上の賃金を支払いながら就労の機会を提供するサービス。利用期間に原則上限はなく、本設問の条件に合致しない。

障害者総合支援法における就労支援は、①就労移行支援(原則24か月、一般就労への移行訓練)、②就労継続支援A型(雇用契約あり・最低賃金以上)、③就労継続支援B型(雇用契約なし・工賃、年齢・体力等で雇用困難な者が対象)、④就労定着支援(就労移行支援等を経て一般就労後の定着を最長3年支援)の4類型に分かれる。2018年に創設された就労定着支援も頻出であり、併せて整理しておきたい。

障害者総合支援法に基づく就労支援サービスの区別を問う問題。『24か月・一般就労を目指す・訓練』というキーワードから就労移行支援を特定する。