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向精神薬の副作用マッチング

看護師国家試験 第105回 午後 第57問 / 精神看護学 / 精神疾患・障害がある者への看護

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第57問

向精神薬と副作用(有害事象)の組合せで正しいのはどれか。

  1. 1.抗精神病薬 ――― 多毛
  2. 2.抗認知症薬 ――― 依存性
  3. 3.抗てんかん薬 ―― 急性ジストニア
  4. 4.抗うつ薬 ―――― セロトニン症候群

対話形式の解説

博士 博士

この問題は向精神薬の分類ごとの副作用を正しく結びつけられるかが問われているんじゃ。

サクラ サクラ

まず正解から教えてください。

博士 博士

正解は4番『抗うつ薬 ― セロトニン症候群』じゃ。SSRIやSNRIで脳内セロトニンが過剰となって起こる重篤な有害事象なんじゃよ。

サクラ サクラ

症状はどんなものですか。

博士 博士

三徴がある。精神症状として焦燥・錯乱、自律神経症状として発汗・頻脈・高体温、神経筋症状として振戦・ミオクローヌス・反射亢進じゃ。

サクラ サクラ

治療は。

博士 博士

まず被疑薬の中止と支持療法。重症例ではセロトニン拮抗薬のシプロヘプタジンを使うこともあるぞ。

サクラ サクラ

1番の抗精神病薬と多毛はなぜ違うのですか。

博士 博士

抗精神病薬の副作用は錐体外路症状、悪性症候群、高プロラクチン血症、体重増加、代謝症候群などじゃ。多毛はステロイドやフェニトイン、シクロスポリンなどで見られるんじゃ。

サクラ サクラ

2番の抗認知症薬と依存性は。

博士 博士

ドネペジルやガランタミンなどコリンエステラーゼ阻害薬の副作用は嘔気・下痢・食欲低下・徐脈・失神じゃ。依存性はベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬が代表なんじゃ。

サクラ サクラ

3番の抗てんかん薬と急性ジストニアは。

博士 博士

急性ジストニアは抗精神病薬、特にハロペリドールなどのD2遮断で起こる錐体外路症状じゃ。抗てんかん薬の副作用は眠気・失調・皮疹・肝障害・催奇形性などじゃよ。

サクラ サクラ

悪性症候群とセロトニン症候群の違いは。

博士 博士

両者とも高熱・自律神経症状を示すが、悪性症候群は筋強剛(鉛管様)が鍵で抗精神病薬が原因、セロトニン症候群は反射亢進とミオクローヌスが鍵で抗うつ薬が原因じゃ。

サクラ サクラ

覚え方のコツは。

博士 博士

『抗精神病→錐体外路と悪性症候群』『抗うつ→セロトニン症候群と賦活症候群』『抗不安・睡眠→依存と健忘』『抗認知症→消化器と徐脈』『抗てんかん→催奇形と皮疹』とセットで覚えるんじゃ。

サクラ サクラ

SSRIの開始時の注意は。

博士 博士

賦活症候群による自殺念慮増加、特に若年者で注意じゃ。開始2週間は頻回フォローが原則じゃぞ。

サクラ サクラ

整理できました。

POINT

向精神薬の副作用は分類ごとに代表的なものが決まっており、抗うつ薬ではセロトニン症候群が重要です。抗精神病薬は錐体外路症状と悪性症候群、抗認知症薬は消化器症状と徐脈、抗てんかん薬は皮疹と肝障害が代表的です。正解は4番で、SSRI開始時や他剤併用時にはセロトニン症候群と賦活症候群の両方への注意が必要です。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:向精神薬と副作用(有害事象)の組合せで正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。セロトニン症候群はSSRIやSNRIなどのセロトニン作動性抗うつ薬の服用中、特に増量時や他剤併用時に脳内セロトニンが過剰となって発症する有害事象で、精神症状(焦燥・錯乱)、自律神経症状(発汗・頻脈・高体温)、神経筋症状(振戦・ミオクローヌス・反射亢進)の三徴で知られます。

選択肢考察

  1. × 1.  抗精神病薬 ――― 多毛

    抗精神病薬の代表的副作用は錐体外路症状(急性ジストニア・アカシジア・パーキンソニズム・遅発性ジスキネジア)、悪性症候群、高プロラクチン血症、体重増加などです。多毛はステロイドやフェニトインで見られます。

  2. × 2.  抗認知症薬 ――― 依存性

    ドネペジルなどコリンエステラーゼ阻害薬は消化器症状・徐脈・失神などが主な副作用で、依存性はありません。依存性はベンゾジアゼピン系抗不安薬・睡眠薬が代表です。

  3. × 3.  抗てんかん薬 ―― 急性ジストニア

    急性ジストニアは抗精神病薬(特にハロペリドールなど)のドパミンD2受容体遮断による錐体外路症状です。抗てんかん薬ではなく抗精神病薬が起こします。

  4. 4.  抗うつ薬 ―――― セロトニン症候群

    SSRI・SNRIなど抗うつ薬の重要な有害事象で、他のセロトニン作動薬併用で特に注意。投与中止と支持療法、重症時はシプロヘプタジンなどで対応します。

類似の重篤副作用として悪性症候群(抗精神病薬)があり、高熱・筋強剛・CK上昇・意識障害が特徴で、ダントロレンで対応します。セロトニン症候群は反射亢進・ミオクローヌスが鍵で、悪性症候群は筋強剛が鍵という区別で覚えるとよいでしょう。

向精神薬の代表的副作用を薬効分類ごとに正しく組み合わせられるかを問う問題です。