誤嚥性肺炎で退院したAさん、訪問看護とケアマネが最優先で連携すべきは?
看護師国家試験 第103回 午前 第72問 / 地域・在宅看護論 / 地域包括ケアシステムと多職種連携
国試問題にチャレンジ
Aさん(75歳、男性)は、脳梗塞後遺症による右半身不全麻痺がある。妻と2人で暮らしている。Aさんは要介護3で、訪問介護と通所介護のサービスを利用している。今回、Aさんは誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入院し、退院後に訪問看護が導入された。 訪問看護師と介護支援専門員が連携して行う内容で優先度が高いのはどれか。
- 1.住宅改修の検討
- 2.Aさんの妻の介護負担の把握
- 3.肺炎予防に必要なケアの提供
- 4.訪問介護による生活援助内容の確認
対話形式の解説
博士
今日は75歳男性Aさんの事例じゃ。脳梗塞後遺症で右半身不全麻痺、要介護3、誤嚥性肺炎で入院して退院後に訪問看護が導入された設定じゃな。
アユム
脳梗塞の麻痺がある方が誤嚥性肺炎で入院されたんですね。再発が心配です。
博士
鋭いの。誤嚥性肺炎は嚥下障害がある限り何度でも繰り返す疾患で、退院直後の最大のリスクなんじゃ。
アユム
選択肢を見ると、住宅改修、妻の介護負担、肺炎予防ケア、訪問介護の内容確認とありますが…
博士
Aさんは要介護3で既に在宅生活を送っておったから、住宅改修は手すりなどが概ね済んでおる可能性が高い。1の優先度は低いの。
アユム
2の妻の介護負担の把握は大事じゃないですか?
博士
もちろん大事じゃ。じゃが順序として、まずAさんに必要なケアを決めてから、それを妻がどこまで担えるかを評価する流れになる。今回の最優先ではないんじゃ。
アユム
じゃあ正解は3の肺炎予防ケアですね。
博士
その通り。訪問看護が新たに導入された目的そのものが誤嚥性肺炎の再発予防じゃ。看護師が口腔ケア・嚥下訓練・体位調整・観察を行い、ケアマネがそれをプランに組み込む連携が最優先じゃ。
アユム
4の訪問介護の内容確認はどうですか?
博士
これも必要じゃが、肺炎予防ケアが固まってから生活援助の内容を見直す方が合理的じゃ。優先度は3に劣る。
アユム
優先順位問題は「直近の入院理由=最優先課題」と考えればいいんですね。
博士
ええ覚え方じゃ。在宅では命を守るケアが最上位、家族支援や生活調整はその次、と整理しておこう。
POINT
誤嚥性肺炎で入院したAさんの退院後は再発予防が在宅療養継続の鍵となります。訪問看護師が口腔ケア・嚥下訓練・体位調整などを実施し、介護支援専門員がそれをケアプランに反映する連携が最優先です。住宅改修や妻の介護負担把握、訪問介護内容の確認も重要ですが、命に直結する肺炎予防ケアより優先順位は下がります。直近の入院理由を最優先課題と捉える視点が大切です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:Aさん(75歳、男性)は、脳梗塞後遺症による右半身不全麻痺がある。妻と2人で暮らしている。Aさんは要介護3で、訪問介護と通所介護のサービスを利用している。今回、Aさんは誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入院し、退院後に訪問看護が導入された。 訪問看護師と介護支援専門員が連携して行う内容で優先度が高いのはどれか。
解説:正解は 3 です。Aさんは脳梗塞後遺症による右半身不全麻痺があり、嚥下機能の低下から誤嚥性肺炎を発症して入院した経緯があります。誤嚥性肺炎は嚥下機能障害が改善しなければ繰り返しやすい疾患であり、再発予防は退院後の在宅生活を継続するうえで最優先の課題です。新たに導入された訪問看護の主目的も肺炎予防であり、訪問看護師が口腔ケア・摂食嚥下訓練・体位調整・栄養管理・観察を行い、介護支援専門員がそれらを反映したケアプランを立案することで、多職種協働により再発リスクを最小化できます。退院直後の優先順位として「再発予防=命を守るケア」が最上位にくる点を押さえましょう。
選択肢考察
-
× 1. 住宅改修の検討
誤り。Aさんは脳梗塞後遺症で要介護3として既に在宅生活を送っており、必要な住宅改修は概ね済んでいると考えられます。誤嚥性肺炎の退院直後の連携内容としては優先度が低いです。
-
× 2. Aさんの妻の介護負担の把握
誤り。家族の介護負担の把握は重要ですが、まずはAさんに必要な肺炎予防ケアを明確にしたうえで、妻に求められる介護内容と負担を評価する流れになります。現段階での最優先ではありません。
-
○ 3. 肺炎予防に必要なケアの提供
正しい。誤嚥性肺炎は再発しやすく、退院直後の在宅療養における最大のリスクです。訪問看護師が肺炎予防ケアを実施し、介護支援専門員がプランに組み込むことが最優先で連携すべき内容です。
-
× 4. 訪問介護による生活援助内容の確認
誤り。訪問介護の内容確認は必要ですが、退院後にすぐ取り組むべき再発予防ケアの方が優先度は高いです。生活援助内容は肺炎予防ケアに合わせて後から見直していきます。
誤嚥性肺炎の在宅予防には、口腔ケア(歯磨き・舌清拭)、食事中の頸部前屈位、とろみ調整、食後2時間の座位保持、嚥下訓練、肺炎球菌ワクチン接種などが有効です。優先順位問題では「直近の入院理由=最優先課題」と捉えるとブレません。
退院直後の在宅療養で訪問看護師とケアマネジャーが連携する優先課題を、入院理由(誤嚥性肺炎)と再発リスクから判断できるかを問う問題です。
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