在宅中心静脈栄養法HPNの仕組みを正しく押さえるのじゃ
看護師国家試験 第104回 午前 第72問 / 地域・在宅看護論 / 症状・疾患・治療に応じた看護
国試問題にチャレンジ
在宅中心静脈栄養法〈HPN〉について適切なのはどれか。
- 1.輸液ポンプは外出時には使えない。
- 2.24時間持続する注入には適さない。
- 3.輸液の調剤は薬局の薬剤師に依頼できる。
- 4.家族が管理できることが適用の必須条件である。
対話形式の解説
博士
HPNは病院に頼らず在宅で高カロリー輸液を続ける療法じゃ。何が大事だと思う?
アユム
栄養を確実に届けつつ、生活の質を保つことだと思います。
博士
その通りじゃ。だからこそ機器も制度も生活に寄り添う形になっておる。
アユム
選択肢1で輸液ポンプは外出時に使えないとありますが…
博士
これは誤りじゃ。携帯型ポンプはバッテリーで動き、外出も旅行も可能じゃぞ。
アユム
選択肢2の24時間注入には適さないとはどうですか?
博士
これも違う。逆にポンプは24時間持続注入が可能で、夜間だけの間欠投与もできるのじゃ。
アユム
選択肢3で薬剤師による調剤ができるとあります。
博士
ここが正解じゃ。処方箋に基づき保険薬局で無菌調剤を行えるよう制度化されておる。
アユム
院内の薬剤部だけでなく、地域の薬局でも対応できるのですね。
博士
無菌製剤処理加算が認められておるからな。在宅医療を支える重要な制度じゃ。
アユム
選択肢4の家族管理が必須というのは…
博士
誤りじゃ。本人の自己管理に訪問看護師や訪問薬剤師が加われば独居でもHPNは可能ぞ。
アユム
看護師として注意すべき点はありますか?
博士
カテーテル感染、閉塞、自己抜去の予防が三本柱じゃ。手技指導と異常の早期発見が腕の見せ所じゃな。
POINT
HPNは在宅で高カロリー輸液を継続する療法で、携帯型ポンプにより外出も24時間持続投与も可能です。輸液は処方箋に基づき保険薬局の薬剤師が無菌調剤でき、独居でも訪問看護や訪問薬剤の支援で実施できます。看護では感染予防、閉塞防止、自己抜去対策が中心で、患者の生活と安全を両立させる視点が重要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:在宅中心静脈栄養法〈HPN〉について適切なのはどれか。
解説:正解は3です。HPNで使用する高カロリー輸液は医師の処方箋に基づいて保険薬局の薬剤師が無菌調剤することができ、在宅医療を支える重要な仕組みとなっています。
選択肢考察
-
× 1. 輸液ポンプは外出時には使えない。
携帯型の輸液ポンプはバッテリー内蔵で小型化されており、ショルダーバッグなどに収めて外出や旅行も可能です。
-
× 2. 24時間持続する注入には適さない。
輸液ポンプを使用すれば24時間持続注入も可能で、生活時間に合わせ夜間のみ注入する間欠投与法も選択できます。
-
○ 3. 輸液の調剤は薬局の薬剤師に依頼できる。
無菌製剤処理加算の対象として、医師の処方箋に基づき保険薬局の薬剤師が高カロリー輸液の無菌調剤を行うことができます。
-
× 4. 家族が管理できることが適用の必須条件である。
本人の自己管理能力に加え、訪問看護師や訪問薬剤師の支援を組み合わせれば、独居の患者でもHPNを実施可能です。
HPNはCVポート、ヒックマンカテーテル、PICCなどの中心静脈ラインから高カロリー輸液を行う在宅療法です。感染予防の手技指導、ヘパリンロックや閉塞対策、カテーテル抜去事故の防止が看護のポイントとなります。
在宅中心静脈栄養法における輸液の調達体制と、生活に合わせた柔軟な運用方法を理解しているかが問われています。
「症状・疾患・治療に応じた看護」の関連記事
-
ひとり暮らしの認知症高齢者を支える「一包化」という工夫
認知症高齢者で独居・自立度Ⅰの軽度認知障害者に対する服薬管理支援として、残存能力を活かしつつ服薬ミスを減らす最…
114回
-
ALS在宅療養の食事と胃瘻管理
ALS在宅療養における誤嚥予防姿勢と、胃瘻管理・生活リズム尊重の原則を理解しているかを問う設問です。
113回
-
心不全患者のセルフマネジメント支援
慢性心不全患者の在宅療養における生きがいとセルフマネジメントを両立する指導の視点を問う問題です。
113回
-
室温30℃の部屋で起こった異変 ― 在宅高齢者の熱中症応急処置
室温30℃の在宅高齢者の熱中症を想定し、医師到着までの応急処置として適切な冷却方法を選ぶ問題。胃瘻造設という背景…
112回
-
終末期の呼吸苦に寄り添う ― レスキュー薬を待つ間の家族ケア
終末期在宅ケアにおける家族への支援方法を問う問題。薬物対応ではなく、家族が実施できる非薬物的ケアとしてのタッ…
112回