健康保険法による訪問看護サービスの特徴
看護師国家試験 第103回 午後 第72問 / 地域・在宅看護論 / 地域・在宅看護実践をめぐる制度
国試問題にチャレンジ
健康保険法による訪問看護サービスで正しいのはどれか。
- 1.サービス対象は65歳以上である。
- 2.介護支援専門員がケアプランを作成する。
- 3.末期の悪性腫瘍の療養者への訪問回数に制限はない。
- 4.特定疾患医療受給者証を持っている者は自己負担額1割である。
対話形式の解説
博士
訪問看護は医療保険と介護保険の二本立てで提供される、ちょっと複雑な制度なんじゃ。今日はその違いをしっかり押さえよう。
アユム
博士、健康保険法による訪問看護って、介護保険と何が違うんですか?
博士
まず大きな違いは対象者じゃ。介護保険は要介護認定を受けた人が対象じゃが、医療保険には年齢制限がない。だから選択肢1の「65歳以上」は誤りじゃ。
アユム
じゃあ選択肢2の「介護支援専門員がケアプランを作成する」はどうですか?
博士
これも介護保険の話じゃな。医療保険の訪問看護は主治医が交付する訪問看護指示書に基づいて行われるんじゃ。ケアマネは関与せん。
アユム
正解の選択肢3「末期の悪性腫瘍の療養者への訪問回数に制限はない」について教えてください。
博士
通常、医療保険の訪問看護は週3回までという制限がある。じゃが、末期がんや人工呼吸器装着者、ALSなどの難病患者は「厚生労働大臣が定める疾病等」に指定され、毎日でも訪問できるようになっておるんじゃ。
アユム
医療依存度の高い人ほど手厚く支援できる仕組みなんですね。選択肢4の「特定疾患医療受給者証を持っている者は自己負担額1割」はどうですか?
博士
指定難病の自己負担は所得に応じた上限額方式じゃから、一律1割というのは誤りじゃ。月額の上限が設定されておる。
アユム
制度を正確に理解していないと判断を間違えますね。
博士
そうじゃ。さらに介護保険と医療保険のどちらを使うかは原則介護保険優先じゃが、末期がんや難病では医療保険が優先される。この優先関係も国試頻出じゃから覚えておくとよい。
アユム
訪問看護の利用ルートが整理できました。ありがとうございます。
博士
制度を理解することは在宅看護の質を支える基盤じゃ。利用者が必要なサービスを受けられるよう、看護師も制度に詳しくなろう。
POINT
健康保険法による訪問看護は年齢制限がなく、主治医の指示書に基づいて提供されます。原則週3回までの訪問制限がありますが、末期悪性腫瘍や人工呼吸器装着者など厚生労働大臣が定める疾病等では制限が解除されます。介護保険との使い分けや特例疾患の扱いを正確に押さえることが在宅看護を学ぶうえで重要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:健康保険法による訪問看護サービスで正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。健康保険法(医療保険)による訪問看護では、原則として訪問は週3回までと定められていますが、末期の悪性腫瘍、人工呼吸器装着者、難病患者など特定の状態にある利用者については回数制限が解除されます。これは医療依存度の高い療養者が必要なケアを受けられるようにするための制度的配慮です。
選択肢考察
-
× 1. サービス対象は65歳以上である。
健康保険法による訪問看護に年齢制限はなく、乳幼児から高齢者まで利用可能です。65歳以上は介護保険の第1号被保険者の対象です。
-
× 2. 介護支援専門員がケアプランを作成する。
ケアプランを介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成するのは介護保険によるサービスです。医療保険の訪問看護は主治医の指示書に基づきます。
-
○ 3. 末期の悪性腫瘍の療養者への訪問回数に制限はない。
末期の悪性腫瘍患者は厚生労働大臣が定める疾病等に該当し、医療保険の訪問看護で訪問回数や複数名訪問の制限が緩和されます。
-
× 4. 特定疾患医療受給者証を持っている者は自己負担額1割である。
特定疾患(指定難病)の自己負担は所得に応じた上限額が設定されており、一律1割ではありません。
訪問看護は介護保険と医療保険のどちらかで利用しますが、原則は介護保険優先です。ただし末期がん、難病、人工呼吸器装着など「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当する場合は医療保険が優先され、訪問回数や時間の制限も緩和されます。
医療保険と介護保険による訪問看護の違いと、末期悪性腫瘍に対する特例を問う問題です。
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